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ロバート学校入学前

そんなこと…

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「あの、すいません。最後に殿下と2人で話をしても宜しいでしょうか?」
「あぁ構わないぞ。」

俺たちはマリアネの部屋であろう場所を通り、ベランダに出た。部屋の中はとてもきれいで、全体的紫色で統一されていた。
めっちゃきれいじゃん!さすがマリアネ様!
「すっかり暗くなりましたわね。」
「そうだな。1日は早いものだ。」
「…。」
なぜ黙ったんだ?なんか変なことでも言ったか?そして、いったい何を話されるのだろうか。
「殿下。婚約を破棄したいとは思いませんか?」
「え…。」
どういうことだ…?ゲームでは、マリアネは婚約を望んでたはずだ。
「ねぇ殿下?あなたもこの婚約は望んでいないでしょう?」
なんでこんなことを言ってる…。
「それは…どういうことだ…?」
「そのまんまの意味ですわ。この婚約を破棄しようといっているのですわ。」
「だが、そんなこと言っても国王は…。」
そうだ、国王は許してくれない…。
「えぇ。そうでしょうね。きっと国王様は許してくれない。だったら、婚約破棄をしなければいけない状況を作ればいいのですわ。」
は…?いったい何がどうなっているかが分からない…。マリアネは何を言ってるんだ?もちろん俺は破棄などしない…。
「そ、そんなことをして何のメリットがあるんだ?」
「…。特に何も。ですが、殿下が嫌などそういうことではありませんわ。ただ、単純に政略結婚が嫌なだけですわ。」
だが…。あれ?俺が、マリアナとの婚約を望んだのってなんでだっけ…?マリアナに幸せになってほしいから、だよな。マリアナが俺と結婚した時に、幸せになれないというなら俺は婚約破棄をした方がいいんじゃないか?
「わ、分かった。詳しくは何をすればいいんだ?」
もしかして
もしかして、この時に…
「私たちは7年後、ロバート学校に入学しますわ。その時に殿下は、私以外の好きな女性を作ってくれたらそれでいいですわ。」
「好きな女性…」
あぁこれが、あの物語の始まりか…。
「そのあとは、私がその女性をいじめたことにして追放してください。」
でも、そうしたら
「もしかしたら、追放ではなく死ぬ可能性だってあるんだぞ…!」
「それは、なんとかしてください。」
そういった彼女は静かに笑った。
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