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王妃を返してもらおうか
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「教皇様。私達は国に戻り次第結婚し、聖女ミカエラはルシファ王国王太子妃となります。」
「私も、心よりそれを望んでおります。」
と素早く、丁重に、静かに、落ち着いて教皇に告げる2人。"こういうことか。"彼は、選択を迫られたいる自分を感じた。そして、即断した。
「よき結婚を願っているぞ。幸せにな。」
と答えた。これで、教皇も二人の関係も、結婚も正統化した、ということになった。"さて、この後はどうしたものか?"と教皇は考えることになった。
「ありがとうございます。」
と礼を述べ深々と頭をもう一度下げてから、後ろに退き、立ち上がり、また、一礼すると背を向けて歩み去った。その直後に、正面から男の声が、背から女の声が耳に入った。
「教皇猊下。かの方は、ベゼルブブ王国王妃様です。我が国王、ウリエル陛下と深く愛し合い、正統な結婚をされた方です。ルシファ王国のガブリエルが卑劣にも、誘拐、拉致して、薬か魔法で操っているのです。すぐさま、この場でガブリエルを逮捕し、王妃様を取り戻す御許可をお与え下さい。」
立ち塞がるルシファ王国大司教を押しのけ、ウリエルの副官の女、彼の愛人である、が教皇の前に駆け寄り、膝まづいて大音声を上げた。
「ルシファ王国王子ガブリエル殿。私と愛し合う妻、王妃を解放して、私に返してもらえないかね。」
ウリエルは、数メートル先から、その間を、彼の側近、護衛とミカエラの従者達とガブリエルの護衛が対峙していた。
「今、王妃を返してくれれば、君の卑劣な誘拐、拉致の罪について、教皇陛下に寛大な措置をとるように嘆願してやるが如何かな?」
と彼は余裕のある態度で、さも教え諭すかのような口調で語りかけた。
「教皇猊下は既に聖女との会見を終わられた。猊下のお言葉を取り消せなどという無礼は許されない。そこを去るがいい。」
とルシファ王国大司教が、彼女と教皇の間に割って入り、仁王立ちして、大音声をあげた。
「あなたこそ、教皇様猊下に良からぬことを告げたのであろう。そこをどかれよ。」
ようやく我に返ったベゼルブブ王国大司教が、女の後ろから叫ぶように言った。
ルシファ王国大司教は動かなかった。一瞬沈黙が起きたが、
「私の言葉は以上である。」
と教皇は静かだが、はっきりとした言葉を口にした。ベゼルブブ王国大司教は、ヘナヘナと床に崩れるように、座り込んでしまった。
「ウリエル陛下。我が国の宰相ラファエルと結託して、私とミカエラを陥れようとしたことが卑劣な行為であり、それによる結婚こそが、不当なものです。教皇猊下がそれを責めなかったことが、猊下と我がルシファ王国の慈悲というもの。あ、結婚式はまだだったはずですね。」
「そうですよ。結婚式はまだですわ。勝手に、陛下と貴国は私を王妃呼ばわりをしていただけのこと。私達は全てを知っていて。」
「あなた方の卑劣な策略を暴くために、」
「それに操られているふりをしたのですわ。」
とハーモニーするように返した2人だった、しっかりと腕を組んで。
「あれだけ陛下に抱かれて喘ぎ声をだして、乱れたことを忘れたのかい?」
「陛下なしでいられるの?我慢できるの?」
「この女はね、陛下に、それは恥ずかしいくらいの女の手練手管をしたのよ、ベッドの上で。そんな女を受け入れられるの?」
3人の女達が前に出てきて、口々に言った。
"おいおい、こんなところにまで、愛人達まで連れて来るのかよ。それだけ強く愛している・・・ということか。まあ、それはそれで・・・。"
ウリエルは、笑って女達を制して、
「そういうことで、彼女は私ととても愛し合い、私のものとなったのだよ。君は負け犬なんだよ。それを認めて彼女を返したまえ。」
とミカエラに向けて手を差し伸べた。
「勘違いなさっていませんか?あれは、ガブリエル殿下を喜ばすために、陛下を練習台にしていただけなのですのよ、失礼ながら。」
彼女の、その言葉を口にする表情は、嘲るものだった。
「そのようなことは、彼女が私を喜ばす技術を磨く練習台になってくれたことで陛下に感謝するくらいのことです。別に何も感じてはいませんよ。」
「さあ、ガブリエル殿下行きましょう。」
「ああ、早く結婚式を挙げないとな。」
と二人は背を向けて歩み始めた。ウリエルはいきり立つ家臣達を抑えたが、迷いがあったせいか、一人を飛び出させてしまった。しかし、ミカエラの侍女に簡単に押さえつけられてしまった。彼女は、そういう侍女だった。それを知らず油断した結果だった。
「この売女。」
「そのつまらない男に失望しな。」
「後悔しても知らないから。」
という女達の罵りの声を背に二人は、教皇の謁見の間を出たのだった。
「私も、心よりそれを望んでおります。」
と素早く、丁重に、静かに、落ち着いて教皇に告げる2人。"こういうことか。"彼は、選択を迫られたいる自分を感じた。そして、即断した。
「よき結婚を願っているぞ。幸せにな。」
と答えた。これで、教皇も二人の関係も、結婚も正統化した、ということになった。"さて、この後はどうしたものか?"と教皇は考えることになった。
「ありがとうございます。」
と礼を述べ深々と頭をもう一度下げてから、後ろに退き、立ち上がり、また、一礼すると背を向けて歩み去った。その直後に、正面から男の声が、背から女の声が耳に入った。
「教皇猊下。かの方は、ベゼルブブ王国王妃様です。我が国王、ウリエル陛下と深く愛し合い、正統な結婚をされた方です。ルシファ王国のガブリエルが卑劣にも、誘拐、拉致して、薬か魔法で操っているのです。すぐさま、この場でガブリエルを逮捕し、王妃様を取り戻す御許可をお与え下さい。」
立ち塞がるルシファ王国大司教を押しのけ、ウリエルの副官の女、彼の愛人である、が教皇の前に駆け寄り、膝まづいて大音声を上げた。
「ルシファ王国王子ガブリエル殿。私と愛し合う妻、王妃を解放して、私に返してもらえないかね。」
ウリエルは、数メートル先から、その間を、彼の側近、護衛とミカエラの従者達とガブリエルの護衛が対峙していた。
「今、王妃を返してくれれば、君の卑劣な誘拐、拉致の罪について、教皇陛下に寛大な措置をとるように嘆願してやるが如何かな?」
と彼は余裕のある態度で、さも教え諭すかのような口調で語りかけた。
「教皇猊下は既に聖女との会見を終わられた。猊下のお言葉を取り消せなどという無礼は許されない。そこを去るがいい。」
とルシファ王国大司教が、彼女と教皇の間に割って入り、仁王立ちして、大音声をあげた。
「あなたこそ、教皇様猊下に良からぬことを告げたのであろう。そこをどかれよ。」
ようやく我に返ったベゼルブブ王国大司教が、女の後ろから叫ぶように言った。
ルシファ王国大司教は動かなかった。一瞬沈黙が起きたが、
「私の言葉は以上である。」
と教皇は静かだが、はっきりとした言葉を口にした。ベゼルブブ王国大司教は、ヘナヘナと床に崩れるように、座り込んでしまった。
「ウリエル陛下。我が国の宰相ラファエルと結託して、私とミカエラを陥れようとしたことが卑劣な行為であり、それによる結婚こそが、不当なものです。教皇猊下がそれを責めなかったことが、猊下と我がルシファ王国の慈悲というもの。あ、結婚式はまだだったはずですね。」
「そうですよ。結婚式はまだですわ。勝手に、陛下と貴国は私を王妃呼ばわりをしていただけのこと。私達は全てを知っていて。」
「あなた方の卑劣な策略を暴くために、」
「それに操られているふりをしたのですわ。」
とハーモニーするように返した2人だった、しっかりと腕を組んで。
「あれだけ陛下に抱かれて喘ぎ声をだして、乱れたことを忘れたのかい?」
「陛下なしでいられるの?我慢できるの?」
「この女はね、陛下に、それは恥ずかしいくらいの女の手練手管をしたのよ、ベッドの上で。そんな女を受け入れられるの?」
3人の女達が前に出てきて、口々に言った。
"おいおい、こんなところにまで、愛人達まで連れて来るのかよ。それだけ強く愛している・・・ということか。まあ、それはそれで・・・。"
ウリエルは、笑って女達を制して、
「そういうことで、彼女は私ととても愛し合い、私のものとなったのだよ。君は負け犬なんだよ。それを認めて彼女を返したまえ。」
とミカエラに向けて手を差し伸べた。
「勘違いなさっていませんか?あれは、ガブリエル殿下を喜ばすために、陛下を練習台にしていただけなのですのよ、失礼ながら。」
彼女の、その言葉を口にする表情は、嘲るものだった。
「そのようなことは、彼女が私を喜ばす技術を磨く練習台になってくれたことで陛下に感謝するくらいのことです。別に何も感じてはいませんよ。」
「さあ、ガブリエル殿下行きましょう。」
「ああ、早く結婚式を挙げないとな。」
と二人は背を向けて歩み始めた。ウリエルはいきり立つ家臣達を抑えたが、迷いがあったせいか、一人を飛び出させてしまった。しかし、ミカエラの侍女に簡単に押さえつけられてしまった。彼女は、そういう侍女だった。それを知らず油断した結果だった。
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「そのつまらない男に失望しな。」
「後悔しても知らないから。」
という女達の罵りの声を背に二人は、教皇の謁見の間を出たのだった。
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