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結婚式だー
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「ガブリエル様~。」
「ミカエラ・・・。」
とガブリエルとミカエラは、発情したバカップルのごとく、抱き合いを重ねあい、臭いを嗅ぎ合っていた、ルシファ王国へ向かう馬車の中で。一目散に逃げろとばかりに、事前に準備していた、ガブリエル達は教皇に謁見した後、待たせてあった馬車に乗り、ルシファ王国に向かって出発した。ベゼルブブ王国が、流石に教皇の権力が絶対である聖都とその周辺でことを起こすとは考えにくかったが、万一のこともあると考え、ルシファ王国三位一体教会大司教とも事前に話を通し、全ては手配済、彼から教皇には報告済だった。強行軍で、ルシファ王国に帰国する予定であり、その道も、通過する国々にも手を打っていたし、ルシファ王国の人間達も各地で待機していた。
その緊張すべき馬車の中で、教皇との謁見での緊張感が解けたことと久しぶりに会った安心感で、ガブリエルとミカエラは我慢ができなくなったのだ。ただ、流石に二人のバカップルぶりもそこまでで、それ以上進めもうとはしなかった、そこまでは自制する理性が残っていた。
「国に帰ったら、直ぐに結婚しよう。」
「はい。国境を越えたら一番近い再洗礼派教会で。」
「王都の大聖堂で・・・そっちはもう一度あらためてでいいな。それで、そこに近い別邸かね・・いや近くの領主の館でもいいから、その夜は・・・。」
「もう、ガブリエル様ったら、いやですわ・・・。私・・・近ければ旅の宿でもいいです。」
とにかく早く初夜をすませることのできる場所まで相談し始める二人に、馬車の中の家臣達が、笑って窘めようとした時、
「今直ぐ王都に行けたら・・・。」
「ああ、このまま転移でもできたら・・・。」
と言っていた二人の姿が光り輝いたと思ったら、気が付くと消えていた。
「殿下ー。」
「せ、聖女様?」
馬車の中男女は唖然として、言葉すら出てこなかった。
「すまん。王宮の謁見の間に転移してしまいました。殿下も一緒でご無事です。心配しないで。気を付けて、帰国してください。」
「本当にすまない。私がいるようにして、行動してくれ。くれぐれも気を付けてくれ。」
と王太子と聖女の声が頭に響くまで、彼らは事実上思考が停止していた。
「誰か!」
「で、殿下?」
「聖女様の力で思いがけなく、聖都から転移してしまったのだ。」
「は、はい・・・。」
「急いで、今直ぐ結婚式・・・私と聖女様の結婚式を挙げる。準備をしろ。再洗礼教会に連絡しろ。今日中に結婚式を挙げる。」
「は、はい。」
「あの~、殿下。わ、私・・・体を洗いたいのですが・・・。」
「あ、そうだった。風呂の準備をしろ。結婚式の衣裳は風呂から出て着るから、準備しろ。」
「は、はい。」
「と、とにかく浴室に行こう。」
「は、はい。そこで待ちましょう。あ、聖女教会の私の使用人達に連絡して頂戴、だれか?」
「殿下ー。」
「聖女様。お待ちくださいー。」
「あ、あっちの連中に連絡しないと・・・心配しているかもしれない・・・。」
「え?そうですね・・でもどうやって・・・?2人で心を一つにすれば・・・。」
「やってみよう。え~と手を握って・・・。」
「王太子様と聖女様が来たぞ。」
「大聖堂でどよめきが・・・。もう・・・急げ―。」
と大慌てで、ガブリエルとミカエラが浴室で体を洗いっこ?して、結婚衣装を、2人が風呂からでるのを待ち構えていた侍女達に囲まれて、着せられる。それが終わると駆けだし、待っている馬車に乗る。教会側の準備が間に合わないなら、現地に行って待っていればいいということにして出発。それにも関わらず、どこでどう知ったのか分からないが、2人の結婚式を見ようと群衆が待ち構えていた。
「殿下。聖女様。副大司教様も準備は出来ております。」
と悲鳴のように叫ぶ修道女に導かれ、近衛兵が群衆を抑える中を二人は手に手を取って教会に入った。全ては急ぎで、用意もなにも、飾りも適当で、副大司教の女性が二人に結婚の祝福をして、2人の結婚の口付け、教会内外というより王都中からの悦びの歓声があがった。急ぎのそれは、気持ちだけは異常に盛り上がったのだった。
そして、大聖堂を出ると待ち構えているように取り囲んでいる群衆たちに向かって、ガブリエルは、大宰相ラファエルとベゼルブブ王国が結託して、聖女の追放劇を図り、ベゼルブブ王国に聖女の加護をもたらし、ルシファ王国への加護を消滅させ(ここを特に強調した)、不安を煽り、ベゼルブブ王国がルシファ王国を併合させようとしていたこと、それを事前に知り、その証拠を集めるため、その策を知って上で引っかかった不利をしていたこと、そして、三位一体教会教皇の前で、その陰謀を各国の使節がいる場で暴露したこと、急いで帰り、結婚式をと思っていたら、馬車の中から王都に転移し、待ちきれない二人は、無理を承知で、今結婚式を挙げたことを(ミカエラが短期間とは言えウリエルの妻同様になっていたことは言及せず)説明したのである。
この時、群衆の中から、
「今日は初夜ですか?」
とトンデモナイ声があがった。流石に、大多数は声が出なくなって、静けさが支配した。
「当たり前だ。王太子妃とこれから、王宮に帰ったら、直ぐ寝室に直行だ。」
と叫んで、ミカエラをガブリエルは強く抱きしめた。ミカエラはというと、恥ずかしそうに、嬉しそうに、幸せそうにうっとりとしていた。
次の瞬間、大歓声が上がった。ウリエルの事実上の妻となっていたことを気にすることなく、聖女が戻ってきた、ガブリエルとミカエルが結婚したんだ、もう加護は大丈夫だという確信が持てた気がしたからだった。
それでも、
「あれから馬車にのっている間中、抱き合っていたそうだ。」
「馬車を降りられると、手をつないで駆けて行かれたそうよ、寝室に向かって。」
「寝室の前で、殿下と聖女様をお姫様抱っこして、寝室に飛び込んだそうよ。」
「すぐに聖女様の艶めかしい声が聞こえてきたそうだぞ。」
という会話がその晩王都内では伝えられていた。半ば故意に流された情報だったが、実際そのとおりだったし、演技する余裕は二人にはなかった。
「ミカエラ・・・。」
とガブリエルとミカエラは、発情したバカップルのごとく、抱き合いを重ねあい、臭いを嗅ぎ合っていた、ルシファ王国へ向かう馬車の中で。一目散に逃げろとばかりに、事前に準備していた、ガブリエル達は教皇に謁見した後、待たせてあった馬車に乗り、ルシファ王国に向かって出発した。ベゼルブブ王国が、流石に教皇の権力が絶対である聖都とその周辺でことを起こすとは考えにくかったが、万一のこともあると考え、ルシファ王国三位一体教会大司教とも事前に話を通し、全ては手配済、彼から教皇には報告済だった。強行軍で、ルシファ王国に帰国する予定であり、その道も、通過する国々にも手を打っていたし、ルシファ王国の人間達も各地で待機していた。
その緊張すべき馬車の中で、教皇との謁見での緊張感が解けたことと久しぶりに会った安心感で、ガブリエルとミカエラは我慢ができなくなったのだ。ただ、流石に二人のバカップルぶりもそこまでで、それ以上進めもうとはしなかった、そこまでは自制する理性が残っていた。
「国に帰ったら、直ぐに結婚しよう。」
「はい。国境を越えたら一番近い再洗礼派教会で。」
「王都の大聖堂で・・・そっちはもう一度あらためてでいいな。それで、そこに近い別邸かね・・いや近くの領主の館でもいいから、その夜は・・・。」
「もう、ガブリエル様ったら、いやですわ・・・。私・・・近ければ旅の宿でもいいです。」
とにかく早く初夜をすませることのできる場所まで相談し始める二人に、馬車の中の家臣達が、笑って窘めようとした時、
「今直ぐ王都に行けたら・・・。」
「ああ、このまま転移でもできたら・・・。」
と言っていた二人の姿が光り輝いたと思ったら、気が付くと消えていた。
「殿下ー。」
「せ、聖女様?」
馬車の中男女は唖然として、言葉すら出てこなかった。
「すまん。王宮の謁見の間に転移してしまいました。殿下も一緒でご無事です。心配しないで。気を付けて、帰国してください。」
「本当にすまない。私がいるようにして、行動してくれ。くれぐれも気を付けてくれ。」
と王太子と聖女の声が頭に響くまで、彼らは事実上思考が停止していた。
「誰か!」
「で、殿下?」
「聖女様の力で思いがけなく、聖都から転移してしまったのだ。」
「は、はい・・・。」
「急いで、今直ぐ結婚式・・・私と聖女様の結婚式を挙げる。準備をしろ。再洗礼教会に連絡しろ。今日中に結婚式を挙げる。」
「は、はい。」
「あの~、殿下。わ、私・・・体を洗いたいのですが・・・。」
「あ、そうだった。風呂の準備をしろ。結婚式の衣裳は風呂から出て着るから、準備しろ。」
「は、はい。」
「と、とにかく浴室に行こう。」
「は、はい。そこで待ちましょう。あ、聖女教会の私の使用人達に連絡して頂戴、だれか?」
「殿下ー。」
「聖女様。お待ちくださいー。」
「あ、あっちの連中に連絡しないと・・・心配しているかもしれない・・・。」
「え?そうですね・・でもどうやって・・・?2人で心を一つにすれば・・・。」
「やってみよう。え~と手を握って・・・。」
「王太子様と聖女様が来たぞ。」
「大聖堂でどよめきが・・・。もう・・・急げ―。」
と大慌てで、ガブリエルとミカエラが浴室で体を洗いっこ?して、結婚衣装を、2人が風呂からでるのを待ち構えていた侍女達に囲まれて、着せられる。それが終わると駆けだし、待っている馬車に乗る。教会側の準備が間に合わないなら、現地に行って待っていればいいということにして出発。それにも関わらず、どこでどう知ったのか分からないが、2人の結婚式を見ようと群衆が待ち構えていた。
「殿下。聖女様。副大司教様も準備は出来ております。」
と悲鳴のように叫ぶ修道女に導かれ、近衛兵が群衆を抑える中を二人は手に手を取って教会に入った。全ては急ぎで、用意もなにも、飾りも適当で、副大司教の女性が二人に結婚の祝福をして、2人の結婚の口付け、教会内外というより王都中からの悦びの歓声があがった。急ぎのそれは、気持ちだけは異常に盛り上がったのだった。
そして、大聖堂を出ると待ち構えているように取り囲んでいる群衆たちに向かって、ガブリエルは、大宰相ラファエルとベゼルブブ王国が結託して、聖女の追放劇を図り、ベゼルブブ王国に聖女の加護をもたらし、ルシファ王国への加護を消滅させ(ここを特に強調した)、不安を煽り、ベゼルブブ王国がルシファ王国を併合させようとしていたこと、それを事前に知り、その証拠を集めるため、その策を知って上で引っかかった不利をしていたこと、そして、三位一体教会教皇の前で、その陰謀を各国の使節がいる場で暴露したこと、急いで帰り、結婚式をと思っていたら、馬車の中から王都に転移し、待ちきれない二人は、無理を承知で、今結婚式を挙げたことを(ミカエラが短期間とは言えウリエルの妻同様になっていたことは言及せず)説明したのである。
この時、群衆の中から、
「今日は初夜ですか?」
とトンデモナイ声があがった。流石に、大多数は声が出なくなって、静けさが支配した。
「当たり前だ。王太子妃とこれから、王宮に帰ったら、直ぐ寝室に直行だ。」
と叫んで、ミカエラをガブリエルは強く抱きしめた。ミカエラはというと、恥ずかしそうに、嬉しそうに、幸せそうにうっとりとしていた。
次の瞬間、大歓声が上がった。ウリエルの事実上の妻となっていたことを気にすることなく、聖女が戻ってきた、ガブリエルとミカエルが結婚したんだ、もう加護は大丈夫だという確信が持てた気がしたからだった。
それでも、
「あれから馬車にのっている間中、抱き合っていたそうだ。」
「馬車を降りられると、手をつないで駆けて行かれたそうよ、寝室に向かって。」
「寝室の前で、殿下と聖女様をお姫様抱っこして、寝室に飛び込んだそうよ。」
「すぐに聖女様の艶めかしい声が聞こえてきたそうだぞ。」
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