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いわくつきのチームに加入しちゃった
彼以外にけんかっ早いのよ(ミストグリーン)
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「おい、勝手に自分達だけでの仕事をしてるんじゃないぞ。」
「そんなこと普通だろう。」
「俺が、リーダーの俺が許さないと言っているんだよ。それが分からないのか、このどん百姓やろうが。」
「だ、たれが・・・まあ、身分とかはいいさ。それを言うなら、払うものを払ってからいえ。仕事の報酬をな。約束通りのな。」
「新入りのくせに。まずは、見習い期間だろう?」
「この俺達にそんなこと言うのか?最初は勘弁したが、2回目以降は我慢できない。前にも言ったはずだ。」
「金、金、金かよ。冒険者だろう?金の前にいうことがあるだろうよ、この守銭奴野郎が。」
「ちゃんとした報酬を払わん奴にそんなこと言われる筋合いはない。」
「分かったよ。もってけばいいだろう。さあ、好きなだけ持っていけ。」
「おい、これで足りるつもりか?」
「文盲やろうのくせに。わかった。明日、足りない分は払ってやる。」
チームのリーダーとアサの口論は、チーム加入から1か月ほどたってからだった。完全に切れたアサは、爆発寸前。殺し合いになっても構わない、女達も容赦しないという勢いだったわ。彼、お金には本当は大楊なのよね。支払いが遅くなったり、少なかったとしても、あまりこだわらないのよね。文句を言うよりは、自分の生活を節約して、或いは半端仕事でもなんでもやって、その分を稼ぐ方だ。相手が努力していれば、まあ、仕方がないかというほうだし、貸した金が半分しか返ってこなくても、そうなのである。
だが、それも限界がある。金の額にはシビアでもある。自分の生活、装備の整備や充足、魔法書や歴史書などの知識、将来の資金、そして実家への送金、今では私のための色々、それらを全て余裕を持ってやっていなければ我慢できないのである。ぎりぎりで切り盛りする、まして、借金でやりくりするのは絶対できないというより、命令されても拒否する、そういう人である。
だから、チームリーダーのような、払うべき報酬を故意に渡さないような奴は絶対に許せないということである。
最初の仕事は、私達二人でやってしまった。後の四人は足手まといにはならなかった、それなりの実力、外部からの評価どおりの実力通り・・・かな?、まあ止めはきちっとさす手伝いはしてくれた。後、三回の仕事では、しゃしゃり出てきた女達をサポートに苦労したし・・・助けられた?こともある?楽になった程度ではあるけれどね。それを自慢されても困るんだけどね。
アサとリーダーは、かなり会話が上手くいかなくなった、それから。アサは一応前通りなのだが、リーダーは攻撃的で、必ず彼を侮辱する言葉を口にし、それでいて最小限のことしか言わなくなった。
私には、アサにひけらかすように、しきりに話をするようになった。彼は無視する、私のみを相手にしているとしめしたいらしい。
女達はというと、最初こそ愛想がなく、敵意すらあったが、私がリーダーに無反応なので、少し安心したのか、次第に私に打ち解けるようになった。なぜか、リーダーの女のくせに、旦那様にリーダーよりは打ち解けているのが、と~ても、面白くないんだけどね。
「冒険者としての誇りとか、理想はないのかよ。糞貴族は欲の面が突っ張りやがっているな。」
こいつ~。あ、旦那が完全に切れる寸前。斬り殺しかねない、いや、その前に徹底的に罵りまくりそうだわ、こいつは先に手をださせようと。剣に手をかけたら、その直後に殺すつもりだわ。こいつ気が付いていないけど、アサはもう魔法を、罠のようなのを発動しているわ。その瞬間に・・・。
「冒険者は、まず金でしょう?理想とか、誇りとか高尚なもんじゃないでしょう?だから、報酬はきちんとはらってちょうだい。」
私は、厳しい調子で言ってやったわ。流石にアサもそれで、気持ちを落ち着けたし、リーダーも黙ったわ。
それから、私はアサとともにここの祭りも堪能したわ。
この都市の聖人の活動を記念する祭りだ。出店がいっぱい出ているし、聖人や神々の像や神輿や見世物小屋などで大賑わいだ。一神教のはずだが、以前の神々の伝承もおおらかに残して、祝うこともお構いなしなのだ。そこのところは、宗教の教義と矛盾しているけど信徒を維持する方が優先らしい。人間というのは、頭が堅いのか、柔らかいのか、わからないわね。でも、今まであまり関心もなかったし、ふん、というところもあったから、分からなかったけど、誘われて嫌々ついてきたことはあったけど、その時も分からなかったけど、何か熱気が感染したのか、とっても楽しく感じられるようになっていたわ。エルフにも祭りはある。でも、精霊を感じる厳かなもので、季節ごとや年末・年初、夏至、冬至など年に数回あるけど、楽しいというような、熱気をはらむことはない。人間達の祭りは、聖俗混合、祈りの場だってあるし、羽目を外す欲望まみれの場所もあるし、全てが混在している。そして、その熱が全体に広がっている。人間は、その短い人生を本当に懸命に、楽しみ、泣き、笑い、聖も俗も全てやりつくそうと駆けている、それが凝縮しているのが祭りなんだ、と思っちゃったわ。私も、思いっきり楽しんでいた、旦那様と。長い寿命を生きるハイエルフでなくなってよくわかったわ。
「そんなこと普通だろう。」
「俺が、リーダーの俺が許さないと言っているんだよ。それが分からないのか、このどん百姓やろうが。」
「だ、たれが・・・まあ、身分とかはいいさ。それを言うなら、払うものを払ってからいえ。仕事の報酬をな。約束通りのな。」
「新入りのくせに。まずは、見習い期間だろう?」
「この俺達にそんなこと言うのか?最初は勘弁したが、2回目以降は我慢できない。前にも言ったはずだ。」
「金、金、金かよ。冒険者だろう?金の前にいうことがあるだろうよ、この守銭奴野郎が。」
「ちゃんとした報酬を払わん奴にそんなこと言われる筋合いはない。」
「分かったよ。もってけばいいだろう。さあ、好きなだけ持っていけ。」
「おい、これで足りるつもりか?」
「文盲やろうのくせに。わかった。明日、足りない分は払ってやる。」
チームのリーダーとアサの口論は、チーム加入から1か月ほどたってからだった。完全に切れたアサは、爆発寸前。殺し合いになっても構わない、女達も容赦しないという勢いだったわ。彼、お金には本当は大楊なのよね。支払いが遅くなったり、少なかったとしても、あまりこだわらないのよね。文句を言うよりは、自分の生活を節約して、或いは半端仕事でもなんでもやって、その分を稼ぐ方だ。相手が努力していれば、まあ、仕方がないかというほうだし、貸した金が半分しか返ってこなくても、そうなのである。
だが、それも限界がある。金の額にはシビアでもある。自分の生活、装備の整備や充足、魔法書や歴史書などの知識、将来の資金、そして実家への送金、今では私のための色々、それらを全て余裕を持ってやっていなければ我慢できないのである。ぎりぎりで切り盛りする、まして、借金でやりくりするのは絶対できないというより、命令されても拒否する、そういう人である。
だから、チームリーダーのような、払うべき報酬を故意に渡さないような奴は絶対に許せないということである。
最初の仕事は、私達二人でやってしまった。後の四人は足手まといにはならなかった、それなりの実力、外部からの評価どおりの実力通り・・・かな?、まあ止めはきちっとさす手伝いはしてくれた。後、三回の仕事では、しゃしゃり出てきた女達をサポートに苦労したし・・・助けられた?こともある?楽になった程度ではあるけれどね。それを自慢されても困るんだけどね。
アサとリーダーは、かなり会話が上手くいかなくなった、それから。アサは一応前通りなのだが、リーダーは攻撃的で、必ず彼を侮辱する言葉を口にし、それでいて最小限のことしか言わなくなった。
私には、アサにひけらかすように、しきりに話をするようになった。彼は無視する、私のみを相手にしているとしめしたいらしい。
女達はというと、最初こそ愛想がなく、敵意すらあったが、私がリーダーに無反応なので、少し安心したのか、次第に私に打ち解けるようになった。なぜか、リーダーの女のくせに、旦那様にリーダーよりは打ち解けているのが、と~ても、面白くないんだけどね。
「冒険者としての誇りとか、理想はないのかよ。糞貴族は欲の面が突っ張りやがっているな。」
こいつ~。あ、旦那が完全に切れる寸前。斬り殺しかねない、いや、その前に徹底的に罵りまくりそうだわ、こいつは先に手をださせようと。剣に手をかけたら、その直後に殺すつもりだわ。こいつ気が付いていないけど、アサはもう魔法を、罠のようなのを発動しているわ。その瞬間に・・・。
「冒険者は、まず金でしょう?理想とか、誇りとか高尚なもんじゃないでしょう?だから、報酬はきちんとはらってちょうだい。」
私は、厳しい調子で言ってやったわ。流石にアサもそれで、気持ちを落ち着けたし、リーダーも黙ったわ。
それから、私はアサとともにここの祭りも堪能したわ。
この都市の聖人の活動を記念する祭りだ。出店がいっぱい出ているし、聖人や神々の像や神輿や見世物小屋などで大賑わいだ。一神教のはずだが、以前の神々の伝承もおおらかに残して、祝うこともお構いなしなのだ。そこのところは、宗教の教義と矛盾しているけど信徒を維持する方が優先らしい。人間というのは、頭が堅いのか、柔らかいのか、わからないわね。でも、今まであまり関心もなかったし、ふん、というところもあったから、分からなかったけど、誘われて嫌々ついてきたことはあったけど、その時も分からなかったけど、何か熱気が感染したのか、とっても楽しく感じられるようになっていたわ。エルフにも祭りはある。でも、精霊を感じる厳かなもので、季節ごとや年末・年初、夏至、冬至など年に数回あるけど、楽しいというような、熱気をはらむことはない。人間達の祭りは、聖俗混合、祈りの場だってあるし、羽目を外す欲望まみれの場所もあるし、全てが混在している。そして、その熱が全体に広がっている。人間は、その短い人生を本当に懸命に、楽しみ、泣き、笑い、聖も俗も全てやりつくそうと駆けている、それが凝縮しているのが祭りなんだ、と思っちゃったわ。私も、思いっきり楽しんでいた、旦那様と。長い寿命を生きるハイエルフでなくなってよくわかったわ。
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