厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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人間至上主義国から人間至上主義国へ嫁入り

人間至上主義の国、ナルシス王国②

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 一通りの挨拶が終わると、アウラングゼーブ国王は無礼講を宣言した。国王と他国の国王のもとに、当然のことに人だかりができた。その中から、アウラングゼーブは、
「サラス、こちらに来い。」
とサラス王女に声をかけた。
 会場がざわめく中、彼女はゆっくりと歩み寄り、頭を深々と下げてから、
「本日は、王命でのご招待、光栄に思っております。」
とやや跪くような形をとって言うと、
「母は違っても、兄妹ではないか、型ぐるしいことは必要ない。」
といかにも親しそうな表情で返すアウラングゼーブは、
「こちらにおられるのは、ナルシス王国国王ガマリエル陛下だ。陛下にお前から、我が国のことを説明してくれないか?わしは、色々と忙しいのでな。」
 嫌とは言えない。
「陛下の御指示であれば喜んで。」
「おお、頼むぞ。陛下、そういうことですから、申し訳ない。」
「こちらこそ、お美しい王女殿下からの講義は嬉しいかぎりです。」
"今日、呼ばれた理由はこれか。"

 二人は、会場の面々の視線が集中する中、会場を出て屋外のテラス席に座った。侍女達が持って来た酒と食事をつまみながら、サラスが話すルーガム王国の説明を、ガマリエルは微笑みながら、時々頷き、たまに話の腰を折って質問をしたりしながら聞いた。彼女の説明が終わると、
「サラス王女殿下は、お美しく、聡明だと聞いていましたが、噂以上にお美しく、聡明な方で驚きましたよ。」
"ふん。見え透いたお世辞なんか・・・。まさか、見合い?この私を他国の王妃に?"
 そう思うと、ちょっと彼を観察してみた。ちょっと中性ぽく、ひ弱というのではないが、可愛いと何となく思ってしまった。服は、軍人の礼装のようにも見えた。
「ナルシス王国とは、知識が少なくお恥ずかしいことですが、どのようなお国でしょうか?」
と社交用の特別の笑顔を浮かべて見た。
「貴国とはかなり離れています。大使館は先々代の国王陛下の在位中に開設いたしましたが、王族の訪問は私がはじめてですよ。海洋を東に数千キロ船で行きますが、北から南、東から西と自然の変化の豊かな国で、建国から2千年、神話の世界から続く国です。」
と彼の国土の説明がいったん終わると、
「貴国はどういう統治がなされているのですか?」
「そうですね・・・なかなか難しいのですが・・・まあ、人間至上主義の国と言われて・・・、思われているようですね。確かに王宮にも政府にも人間以外にはおりませんが・・・。」 
"なんだ~。最初から関係ないじゃない?なんで私を呼んだのかしらね?"
と思ったが、ちょっと悪戯心がむらむらと沸き上がってしまった。
「それでは、私のようなハーフエルフはとても訪れることすらできませんわね。とても残念ですわ。」
と言って、エルフの特色である白銀、横に細く長い耳を強調してみせた。
「なんと説明したらいいか・・・説明すると長くなるので・・・。私の国ではエルフ数は多いですよ、多分、貴国よりも。そして、多分、より幸福だと思いますよ。」
「それは本当でしょうか?ご説明が矛盾しているような気がするのですが?完璧な人間至上主義の国でエルフが幸福とは思えないのですが?」
「それでは、百聞は一見に如かずとも申しますから、私の国に来て、見てはどうですか?王妃となって。」
「はあ?私はハーフエルフですよ。そのような者、陛下は愛人としても愛せはしませんでしょう?」
「私はまだ独身で婚約者もいませんよ。正妻として、王妃としてサラス様、あなたを求めているのです。」
 気が付くとどちらからだったのかは分からないが、2人の顔が異常に近くなっていた。かー、とサラスは恥ずかしくなった。実はガマリエルもだったのだが。
「そ、それでは、剣で私に勝ってください。負けたらこの話はなかったことにしてください。わ、私は自分より剣の実力が劣っている殿方と結婚するつもりはありませんの。」
「分かりました。あなたが剣の達人ということは聞いておりますから・・・、条件を若干変更して受けて立ちましょう。」
「条件を一部変更・・・ですか?」
「あなたが私に勝てなかったら、私があなたに負けなかったら、私の妻に、王妃になってもらうということで。」
「は?それは・・・よほど自信がないということですか?分かりましたわ。その条件で受けて立ちますわ。」
"しまったー。売り言葉、買い言葉で・・・。ようするに勝てばいいのよね、勝てば・・・。""うまいこと進み過ぎた・・・が、彼女の実力はかなりらしいからな・・・。"
 会場は大騒ぎとなった。
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