厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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人間至上主義国から人間至上主義国へ嫁入り

結婚初夜、エルフの美貌と愛技でメロメロにして差し上げますわ

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 サラス達を乗せた3本マストの大型船は、ヴァレール港に到着した。下船ということで、もちろん迎えが来ている、正式な王国の使節が来ているはずであるからと、正装をして甲板上に出ると、岸壁には予想以上の人、人の波であった。その先頭国王ガマリエルがいた、周囲の人間達が跪いており、そこに目を凝らして見ると、まさに彼だということがわかったのだ。
「陛下御自らのお出迎えですよ。よほど待ちかねていたのね。とても幸福なことよ。」
と母は大喜び、それは彼女の家臣達も同様だった。船内のナルシス王国人達は、かえって緊張した面持ちで、最後の最後で少しの不祥事も起こしてはならないと動いていた。
 幸い天気は晴天。彼女の姿も映えた。彼女の姿が、岸壁につけた船の上で群衆の目に入ると、一斉に歓声が上がった。

「ああ、待ちかねたよ。久しぶりだね。」
とガマリエルは下船したサラスに駆け寄り、抱きしめた。それは、本当に待ちかねていた、という気持ちが分かるものだった。
「あの陛下。船では水を大切にするため、体を十分に洗えなかったので・・・。」
 何とか彼を引き離そうと、言ってみたサラスに対して、
「いいよ。強行軍で王都リュサンドリアから来て、汗と誇りで汚れているから問題ないよ。」
と返された。でも、いやいやと体を震わせたが、それを無視して彼は唇を重ね、舌を差し入れてきた。”こうなったら、こうしてやる。”と目いっぱい舌を絡ませ、唇を押し付けた。二人の熱い抱擁、口付け、に見えたので、周囲からは歓声があがった。
 長い口付けは、また引き分けに終わり、唾液が一瞬橋ができ、光り輝いたが、2人は荒い息となっていた。この後は、と彼女が考えているうちに、彼に先手を取られた。
「さあ、早く王都に行って、結婚式をして、初夜だ。」
というと、手際よく彼女を抱きかかえ、お姫様抱っこして、
「い、いや・・・やめて・・・恥ずかしいですから、皆も見ていますから。」
と言って、手足をバタバタしたが、かえってそれで彼がよろめくと、
「きゃー!」
と叫んで、彼の首に手をまわしてしまった。花嫁は、いやよいやよと言いながらも、すっかり甘え切って・・・と見えてしまった。歓声がまた上がる。”もう~。”

 この後は馬車に乗り、少し移動。そこから、河川航行用の船、それでも結構大きいに乗り換え、それに乗り込み、一路首都に。結婚式までの手順などの説明が船内でされ、花嫁衣裳の最後の調整が行われたりと、色々と忙しかった、気が付くと首都の河川港に到着してしまった。

 もうその後は、そのまま結婚式に直行。ただ、ナルシス王国では多くの宗教が共存しているため、それぞれの教会により結婚式を行うことから、王家もまた同様であるが王家という立場上、結婚式は極力完結にして、その後の結婚披露宴が重要視される。王家がそうであるから、庶民にいたるまで同様な形を取るようになっている。ガマリエルは、女神の一神教で、女神の神の意志と一体になろうとする修行者が尊重され、基本的には組織は弱く、共同礼拝所が各地に多数あるというものであった。ガマリエルの尊敬する女性修行者、中年の穏やかな、優しそうな女性だった、の前で結婚の祝福を、幾人かの、たまたまそこにいた、というのは建前で高名な修行者がこの日のためにあつまっていたのであるが、を証人、立会人として、受けて終わりである。
 その後、花嫁、花婿に別れての宴会、披露宴となる。王宮の大広間で、それは盛大に行われた。
 彼女の前に、次々男女の有力者達が挨拶に来るは来るわで、勧められるので飲み、食べはある程度できたものの、忙しくて仕方がなかった。ほとんど彼女には記憶は残らないというものだった。だが一つだけ、鮮明に記憶に残ったことがある。場が一瞬静かになり、大きく彼女の前に道ができた。
 その先に、黒一色の簡素なドレス、頭から黒いベールをつけた黒髪の女性が立っていた。その両脇には、エルフの女騎士とオーガの女騎士が、さらにその後ろには何人かの男女が続いていた。彼女が夜の女王だとサラスは直観した。彼女はしずしずと歩み寄り、サラスの近くで跪いた。
「今宵つつがなく王妃様となられましたら、陛下と一体である私が、お守りいたします。よき初夜をお迎えできるように願っております。では。」
 一方的に言うと、一礼して立ち上がり背を向けて歩み始めた。エルフ達もそれに従う。
 サラスは、声をかけようとした。すると、そば近くに控える女騎士が、
「この場では、人間は声をかけないのが慣習なのです。」
と諫めるように言ったのでやめざるをえなかった。改めて考えると、広間の人間達は夜の女王の一行から目を背けて見ようとしていなかったように思えた。
"夜の女王と亜人達の存在を無視しているというわけね?"と彼女は思った。

 深夜まで続いた宴は終わり、サラスは浴室で侍女達、彼女の母の侍女達により、体を洗った後、王宮の侍女達により寝室に案内された。そこには、柔らかい光で淡く照らされたベッドの端に夫であるナルシス王国ガマリエルがガウンを羽織って、その下は真っ裸だった、座って待っていた。流石にサラスは緊張して震えた、不覚にも、と彼女は思った、思おうとした。そして、何か言おうとした挙句、
「初夜では、エルフの体と愛技と私の魅力で、私にメロメロにして、骨抜きにして、私なしではいられないように、他の女を抱く気がしなくなるようにして差し上げますわ。」
と胸を、わりと大振りな、張って言い放った。言ってから、かーっと恥ずかしくなって真っ赤になった。
「それは・・・楽しみだね、期待しているよ。僕も色々教わっているから、君を楽しませてあげたいと思っているんだけどね。」
と言って笑った。しかし、彼も緊張しているのを彼女にはわかった。
「さあ、初夜を始めようか?」
と立ち上がって、ガウンを脱いで裸になった。
「はい。」
と言ってサラスもガウンを脱いで、全裸になった。その姿をしげしげと見たガマリエルは、
「素晴らしい体だよ。僕は幸せだよ。」
と言って彼女の所に歩み寄り、抱きしめた。彼女も抱きしめ返して・・・。唇を重ねたまま、ベッドの上に倒れ込んだ。その後は、互いの性技術を相手の体の上で使いまくったものの、結局互いに貪り合うように求めあい、愛し合った。3回、彼は性を放ち、十数回彼女はのけ反り、体を痙攣させた。肩で荒い息をして、並んで仰向けになっていた。彼は、彼女の息遣いが穏やかになると、彼女の体を自分の体の上に乗せて、あらためて抱きしめて口付けをした。彼女もそれに応じた。
「僕の負けかな?」
「私にメロメロになりました。」
「ああ、メロメロになったよ。」
「それなら、引き分けかもしれませんわ。」
 2人は吹き出して、あらためて抱きしめ合った。
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