厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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正体をばらされたくないならば、と脅迫されてもねえ・・・

ハイエルフの王様の脅迫

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「ルーガム王国のハーフエルフ、サラス王女が、嫁ぎ先のナルシス王国で国王を騙っているとはね・・・。とても、驚きましたよ。私はごまかせませんよ、私の精霊の力ですから。それに、私はルーガム王国訪問で、度々あなたの顔を見ていますからね。」
"恩を仇で返す、ハイエルフという連中は。"とサラスは、剣を抜いて目の前のハイエルフの王=族長の首を斬り落としたいところだったが、何とか自制した。
 二人は、家臣達と少し距離をあけた聖樹から作られたテーブルに向かい合って座っていたる今回のナルシス王国の救援に対するウルド国側の礼ということでの宴の最中のことだった。彼が、ハイエルフの国であるウルド国王、ギルドキは、巧に、いつの間にか、遮音の結界を張っていた。小声なら周囲には聞こえない。
「それで何が言いたいのですかな?ハイエルフの族長殿。」

 ナルシス王国は、魔界と、魔族が多く住む、その勢力圏と接している、その国境を。正確には、そこが国境となっているというべきだろう。同じように境を接している国は、他にもいくつもある。ナルシス王国の周辺には、そのような小国がいくつもあるが、ウルド王国はその一つだった。そのウルド王国に魔族の軍、魔王の軍が侵攻してきた。魔族との衝突は日常茶飯事ではあるが、魔王の正規軍が侵攻してくることは近年なかった。魔界を、魔族の多くを支配する強大な魔王が現れたのだ。そのことは予想されていて、魔王を倒す勇者が少し前、4人認定されたばかりだった。ただ、勇者が魔王討伐に出発するには、まだ少しかかる。ナルシス王国は、ウルド王国の救援要請に即応じることとした。ウルド王国が陥落しては、魔族との戦の最前線という立場が、誇りが揺らぐし、ウルド国を前線基地、橋頭保として侵攻されては困る。ナルシス王国としても、背に腹は代えられないことだった。

「私が先頭に立ちます。」
 サラスは、開口一番言い出した。流石に実際の戦争の時は、彼女の男装、国王代理ではなく、ガマリエルが国王として陣頭指揮を取ることで話が進んでいた。が、彼女は自分が出ると言い出して聞かなかった。彼女としても、夫を守りたいという気持ちがあったし、戦いたかったのである。ガマリエルは何度か説得しても彼女が聞き入れる様子を見せないため、ナルシス王国軍の支援に加わる夜の女王の軍の指揮をとって出陣し、全軍の先頭に彼女が国王として立つことに同意したのだった。
「それでは危険すぎます。」
と懸念する将軍達には、
「何とか彼女を守ってくれ。」
と懇願するように命令するしかないガマリエルだった。

 ハイエルフの親衛隊、領内の人間の都市からの市民軍・傭兵、他のエルフの軍は、聖弓矢、精霊魔法の攻撃で先制攻撃を行ったものの、犠牲を厭わない魔王軍の突進に圧倒、後退を余儀なくされ、首都防衛は塹壕を掘って、そこに籠る人間の軍であり、王の周囲を守るのは少数のハイエルフの護衛と人間を主体としてエルフ、ダークエルフまで含め、オーガなどもいる、傭兵隊という状況になっていた。
 そこに、銃砲と魔法の援護も受けたナルシス王国の騎兵隊が魔王軍の後方から襲いいかかった。魔王軍がナルシス王国を阻止するために配した部隊をすり抜け、慌てて追おうとした、その部隊は夜の女王の部隊、奴隷軍の銃砲、槍、大弓の歩兵部隊、エルフの魔法、弓兵部隊、オーガ等の重歩兵部隊の待ち伏せで阻止、壊滅されていた。魔王軍は総崩れで、退却を余儀なくされ、両国軍の追撃も受けて大損害を受け、大量の死体と物資の山を残した。
 ナルシス王国からは、さらに錬金術の成果である各種の回復薬、治癒薬、その他薬品などが大量に供与され、かなりのウルド国の将兵の命を救うこととなった。
 それだけの恩をこうむりながら、こいつの言いぐさはなんだ、と憤るサラスだった。
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