7 / 65
聖女は追放されて、幸せになりました・・・でも。
聖女は幸福な結婚をしました。
しおりを挟む
真の聖女ケイがリツシウン王国から不当な追放を受けてから数か月後、シュン王国中の全ての三位一体教会の鐘が一斉に、清らかな音色で響き渡った。人々は、祝いの、祝福の祈りを捧げた。
真の聖女ケイとシュン王国第三王子サラギとの結婚式が王都のシュン王国三位一体大教会で執り行われたのである。見事な金髪で、天使のように可愛らしい笑顔を浮かべる美しく、見事な容姿、やや巨乳の真の聖女ケイの夫にふさわしい見事な金髪で、男女誰もを魅惑させるような顔立ちの美男子であるサラギ王子に、それを見る誰もが似合いの夫婦であると感じた。
「聖女様の夫になる、その聖女があなたである幸福を、心から神に感謝しています。」
「あなたが夫になる幸福を感じるのは、私も同様ですわ。」
誓の言葉を述べ合った後の二人の言葉は本心からだった。二人は、彼女がシュン王国に入った二か月後に婚約したが、その仲は日増しに熱くなっていた
色々な大人の事情は脇において、彼女とともにシュン王国にやってきた人々は、心からホッとしていた。彼女とサラギ王子との結婚には、ちょっとしたトラブル、2人の間には関係ないのだが、があり、それだけに二人の仲が睦まじいことはホッとすることであったのである。
あの日から数日後には、聖女ケイは精力的に活動を、聖女の務めを果たそうと動き始めた。
まずは、シュン王国の周囲に聖結界を張ることだった。シュン王国は魔界、魔族や魔獣、魔物が跋扈している地域、とは接してはいないが、魔界との最前線であるリツシウン王国の聖結界がなくなれば、同時にシュン王国がその最前線になるわけである。聖女がいなくなれば、その結界を維持することをやめれば、聖結界はその日から日々弱くなり、ついには消滅するにいたる。聖女的な存在は、彼女らは「聖女」と自称する場合が多いが、リツシウン王国には何人か、周囲が納得する程度の能力はあるが、国を守る聖結界を張ることはおろか、維持する事も、一日たりともその崩壊、消滅を遅らせることはできない。そうなる前に、シユン王国に聖結界を張る必要がある。
そのことはシュン王国国王や三位一体教会関係者の要請を受けるまでもなく、ケイには分かっていたことだった。数日でそれは完成した。その疲れた、聖結界を張ることは、真の聖女にとっても負担は大きい、体を休ませることなく、彼女は彼女のもとに集まってきた、取り合えず、国王の別邸の一つを仮の聖女教会としていた、三位一体教会の信徒達への癒しに応じたのである。
また、入り組んだ国境線に正確に聖結界を張るのは王都にいては困難である。彼女は王都から地図で、東西南北の方向に向かって張ったが、それに入っていない地域にも聖結界で守られるように補正するために各地を訪れることを国王に願いでた。さらに、各地方で人々の救済や聖樹の再生を実施したいとも願い出た。王国側に異存があるはずはなく、ただ、聖女の健康を気遣って、特別な一隊を彼女のためにつけた。護衛から彼女の健康を保つための諸々のことをするのが、その任務だった。ただ、各地を回るのではなく、一旦は王都に戻り、報告をした上で、あらたな準備をして、別の地方に赴くということを約束させられたが、ケイにとっても、彼女の傍に常にいる三位一体教会司教たちにも異存はなかった。
彼女は王太子率いる一隊、かなりの人数となった、とともに出発した。三度目の時には王太子ではなく、第三王子サラギが彼と代わった。王太子も親切だったが、一歩ひいた態度であったのに対して、サラギ王子は親し気に振る舞い、彼女の落ち込みがちな気持ちを励ましてくれた。聖結界が一通り張り終わる頃には、2人の関係は、かなり親密なものになっていた。
サラギ王子は、
「神は二物を与えず」
ということの典型例と言われていた。他人を魅了してやまない外見と性格、人を愛する誠実な人柄、情熱。愛に飽きっぽいところのない・・・。愛され、愛する、周囲との関係はとてもよいものとなる人物だった。外見が好ましいが性格が悪い、品行が悪いということはなく、その正反対だった。愛されるために、文武にも努力をおしまず・・・という人物である。そのどこが「二物」を与えられていないというのか、いくつもの物が与えられているのではないかという疑問がでる。
彼には、国を統治するのに必要とする黒い、そこまでは言えないものもあるが、ものがないということである。誰もが彼を愛するが、彼を次代の国王にと推す者がいないのは、そのためである。
「なんという聖樹の輝き。聖樹とは、本当はこのように輝くものなのですね。」
と心から喜び、感動するサラギ王子。聖樹の前には、その聖樹の輝きを受けて輝く様にたたずむ聖女ケイの姿があった。その神々しさに、サラギ王子以下一行は、思わず膝まずき神への祈りをささげたのであった。
国内の聖女の巡行が3度目、この時はリツシウン王国との国境近くの地域にやってきていた。
真の聖女ケイとシュン王国第三王子サラギとの結婚式が王都のシュン王国三位一体大教会で執り行われたのである。見事な金髪で、天使のように可愛らしい笑顔を浮かべる美しく、見事な容姿、やや巨乳の真の聖女ケイの夫にふさわしい見事な金髪で、男女誰もを魅惑させるような顔立ちの美男子であるサラギ王子に、それを見る誰もが似合いの夫婦であると感じた。
「聖女様の夫になる、その聖女があなたである幸福を、心から神に感謝しています。」
「あなたが夫になる幸福を感じるのは、私も同様ですわ。」
誓の言葉を述べ合った後の二人の言葉は本心からだった。二人は、彼女がシュン王国に入った二か月後に婚約したが、その仲は日増しに熱くなっていた
色々な大人の事情は脇において、彼女とともにシュン王国にやってきた人々は、心からホッとしていた。彼女とサラギ王子との結婚には、ちょっとしたトラブル、2人の間には関係ないのだが、があり、それだけに二人の仲が睦まじいことはホッとすることであったのである。
あの日から数日後には、聖女ケイは精力的に活動を、聖女の務めを果たそうと動き始めた。
まずは、シュン王国の周囲に聖結界を張ることだった。シュン王国は魔界、魔族や魔獣、魔物が跋扈している地域、とは接してはいないが、魔界との最前線であるリツシウン王国の聖結界がなくなれば、同時にシュン王国がその最前線になるわけである。聖女がいなくなれば、その結界を維持することをやめれば、聖結界はその日から日々弱くなり、ついには消滅するにいたる。聖女的な存在は、彼女らは「聖女」と自称する場合が多いが、リツシウン王国には何人か、周囲が納得する程度の能力はあるが、国を守る聖結界を張ることはおろか、維持する事も、一日たりともその崩壊、消滅を遅らせることはできない。そうなる前に、シユン王国に聖結界を張る必要がある。
そのことはシュン王国国王や三位一体教会関係者の要請を受けるまでもなく、ケイには分かっていたことだった。数日でそれは完成した。その疲れた、聖結界を張ることは、真の聖女にとっても負担は大きい、体を休ませることなく、彼女は彼女のもとに集まってきた、取り合えず、国王の別邸の一つを仮の聖女教会としていた、三位一体教会の信徒達への癒しに応じたのである。
また、入り組んだ国境線に正確に聖結界を張るのは王都にいては困難である。彼女は王都から地図で、東西南北の方向に向かって張ったが、それに入っていない地域にも聖結界で守られるように補正するために各地を訪れることを国王に願いでた。さらに、各地方で人々の救済や聖樹の再生を実施したいとも願い出た。王国側に異存があるはずはなく、ただ、聖女の健康を気遣って、特別な一隊を彼女のためにつけた。護衛から彼女の健康を保つための諸々のことをするのが、その任務だった。ただ、各地を回るのではなく、一旦は王都に戻り、報告をした上で、あらたな準備をして、別の地方に赴くということを約束させられたが、ケイにとっても、彼女の傍に常にいる三位一体教会司教たちにも異存はなかった。
彼女は王太子率いる一隊、かなりの人数となった、とともに出発した。三度目の時には王太子ではなく、第三王子サラギが彼と代わった。王太子も親切だったが、一歩ひいた態度であったのに対して、サラギ王子は親し気に振る舞い、彼女の落ち込みがちな気持ちを励ましてくれた。聖結界が一通り張り終わる頃には、2人の関係は、かなり親密なものになっていた。
サラギ王子は、
「神は二物を与えず」
ということの典型例と言われていた。他人を魅了してやまない外見と性格、人を愛する誠実な人柄、情熱。愛に飽きっぽいところのない・・・。愛され、愛する、周囲との関係はとてもよいものとなる人物だった。外見が好ましいが性格が悪い、品行が悪いということはなく、その正反対だった。愛されるために、文武にも努力をおしまず・・・という人物である。そのどこが「二物」を与えられていないというのか、いくつもの物が与えられているのではないかという疑問がでる。
彼には、国を統治するのに必要とする黒い、そこまでは言えないものもあるが、ものがないということである。誰もが彼を愛するが、彼を次代の国王にと推す者がいないのは、そのためである。
「なんという聖樹の輝き。聖樹とは、本当はこのように輝くものなのですね。」
と心から喜び、感動するサラギ王子。聖樹の前には、その聖樹の輝きを受けて輝く様にたたずむ聖女ケイの姿があった。その神々しさに、サラギ王子以下一行は、思わず膝まずき神への祈りをささげたのであった。
国内の聖女の巡行が3度目、この時はリツシウン王国との国境近くの地域にやってきていた。
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる