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国王は女魔王と相思相愛になりました。
平和を望んでいたのに
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魔界では敵対する勢力、ミーナ国に対する徹底抗戦、相手の壊滅を目指す方針だった、ミナ国の魔王を打倒が完了、タイカーン国の独立が確保されてから多少状況は変わってきているが、人間界では、リツシユン国の方針は、平和路線だった。
「それは、いつまで続くかしら?」
ツチイは、心配そうにベッドの上で下からウスイを見上げながら、質問した。
彼女には、彼の心はわかっていた。
ウスイは、まず、信教の自由に関する、数代前の国王が出した、国書の再確認を大々的に告げた。さらに、再洗礼派教会の信徒向けに、他の宗派、特に三位一体教会信徒への迫害、圧力、抑圧を与えないように求めた。数代前に出された国書の目的が、再洗礼派教会の信徒の保護を目的にしたものだったが、その時は国王が三位一体教会信徒となり、それを第一にしなければならないことを緩和しようとしたものだった。
ウスイは、三位一体教会教皇へは再三にわたって、三位一体教会信徒への抑圧はしないということを、使者を送って確約の書状を送っていた。
近隣国との関係も、紛争が起きないように注意していた。国境付近の三位一体教会信徒の領主との関係は特に注意し配慮していた。ツチイは、それをよく知っていた。三位一体教会の老修道士は、頻繁にウスイの元に訪れて、彼への信愛の情は示していたが、現状への不満、ツチイへの不信感は彼女にははっきり分かっていた。
三位一体教会を敵にまわせば、近隣国はこれ幸いに侵攻してくるだろうる。だからこそ、三位一体教会信徒の扱いには気を使い、教皇に配慮している。国境付近の三位一体教会信徒の貴族、領主の取り扱いを誤れば、悪意の情報が発信され、全ての努力がぶち壊しになる。
ツチイの目からみれば、いつまでも彼が望む平和は維持は困難であった。聡明だと思える彼には、聖女ケイ、老修道士達、リツシユン王国内の、かつていて者も含めた、三位一体教会聖職者、さらに教皇への恩義が、彼自身大したものではないと言っている、実際に大したものではなかったが、目を曇らせているように思えてならなかった。
その心配が口にでたが、それは思ってもいない言葉になってしまった。
「あの聖女のことが忘れられないの?」
と。言ってしまった、行ってから直ぐに、しまったと思った。
「ああ・・・そうか・・・。最悪のことを考えないと・・・。同情していて、君を失うことになっては元も子もない・・・。」
もし、国民がツチイを受け入れなかったら、王位を捨て、彼女を連れて逃げ、冒険者にでも身をやつして逃亡生活をしようか、とさえ思っていた自分を、ウスイは思い出した。
しかし、自分の臣民、国民はそうした自分とツチイを受け入れてくれた。ツチイも同様だった。二人は、自分達の行動により、行きついた国、国民の責任に背負ってしまって、逃れられないと感じていた。
人間と魔族が同盟することで魔族の脅威を排除する。ターイカン国を回復できる、聖女が不必要になることでリツシユン王国国民の多数が信仰する再洗礼派教会に戻すことができる。その同盟を維持するために、両国を繁栄させなければならない。その順というだけではなかった、その逆もあった。国の大多数が信じる再洗礼派教会が抑えられている現状、聖女達は教皇への奉仕に対する不満は大きくなっていた、近いうちに抑えきれなくなることが予想されていた。ミーナ国の圧制、収奪は、それ以上に下に置かれているという不満は我慢できないところまで来ていた。利用したのかもしれない、という後ろめたさも二人は感じていた。
本当は誰もが望んでいたことを実現してしまった後に来るだろうこと、より大きな困難を招くことを予想し、怯えて躊躇していたことを、2人は自分達がともにいることを望んで飛び越えたのだ、躊躇なく。
「それは、いつまで続くかしら?」
ツチイは、心配そうにベッドの上で下からウスイを見上げながら、質問した。
彼女には、彼の心はわかっていた。
ウスイは、まず、信教の自由に関する、数代前の国王が出した、国書の再確認を大々的に告げた。さらに、再洗礼派教会の信徒向けに、他の宗派、特に三位一体教会信徒への迫害、圧力、抑圧を与えないように求めた。数代前に出された国書の目的が、再洗礼派教会の信徒の保護を目的にしたものだったが、その時は国王が三位一体教会信徒となり、それを第一にしなければならないことを緩和しようとしたものだった。
ウスイは、三位一体教会教皇へは再三にわたって、三位一体教会信徒への抑圧はしないということを、使者を送って確約の書状を送っていた。
近隣国との関係も、紛争が起きないように注意していた。国境付近の三位一体教会信徒の領主との関係は特に注意し配慮していた。ツチイは、それをよく知っていた。三位一体教会の老修道士は、頻繁にウスイの元に訪れて、彼への信愛の情は示していたが、現状への不満、ツチイへの不信感は彼女にははっきり分かっていた。
三位一体教会を敵にまわせば、近隣国はこれ幸いに侵攻してくるだろうる。だからこそ、三位一体教会信徒の扱いには気を使い、教皇に配慮している。国境付近の三位一体教会信徒の貴族、領主の取り扱いを誤れば、悪意の情報が発信され、全ての努力がぶち壊しになる。
ツチイの目からみれば、いつまでも彼が望む平和は維持は困難であった。聡明だと思える彼には、聖女ケイ、老修道士達、リツシユン王国内の、かつていて者も含めた、三位一体教会聖職者、さらに教皇への恩義が、彼自身大したものではないと言っている、実際に大したものではなかったが、目を曇らせているように思えてならなかった。
その心配が口にでたが、それは思ってもいない言葉になってしまった。
「あの聖女のことが忘れられないの?」
と。言ってしまった、行ってから直ぐに、しまったと思った。
「ああ・・・そうか・・・。最悪のことを考えないと・・・。同情していて、君を失うことになっては元も子もない・・・。」
もし、国民がツチイを受け入れなかったら、王位を捨て、彼女を連れて逃げ、冒険者にでも身をやつして逃亡生活をしようか、とさえ思っていた自分を、ウスイは思い出した。
しかし、自分の臣民、国民はそうした自分とツチイを受け入れてくれた。ツチイも同様だった。二人は、自分達の行動により、行きついた国、国民の責任に背負ってしまって、逃れられないと感じていた。
人間と魔族が同盟することで魔族の脅威を排除する。ターイカン国を回復できる、聖女が不必要になることでリツシユン王国国民の多数が信仰する再洗礼派教会に戻すことができる。その同盟を維持するために、両国を繁栄させなければならない。その順というだけではなかった、その逆もあった。国の大多数が信じる再洗礼派教会が抑えられている現状、聖女達は教皇への奉仕に対する不満は大きくなっていた、近いうちに抑えきれなくなることが予想されていた。ミーナ国の圧制、収奪は、それ以上に下に置かれているという不満は我慢できないところまで来ていた。利用したのかもしれない、という後ろめたさも二人は感じていた。
本当は誰もが望んでいたことを実現してしまった後に来るだろうこと、より大きな困難を招くことを予想し、怯えて躊躇していたことを、2人は自分達がともにいることを望んで飛び越えたのだ、躊躇なく。
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