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平和に向けて?あるいは新たな戦いの幕間
内憂外患➁
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聖女ケイのような宗教上の苦悩は無縁と思い込んでいたツチイだったが、そうではない事情が出てきたのを知って、驚愕していた。
「そんなことに拘る魔族がいるとは・・・。」
と絶句した。
神官や巫女の一部が、本来の神々を守れ、本来の教えに戻れと声をあげ、少なからず支持する魔族が増えているという情報がはいったからだ。やっかいなことにそれが、人間を嫌う勢力やツチイと対立する貴族達、さらには対立している部族とも結びついているということがわかったからである。
「まあ、それが宗教というものさ。」
ウスイは、慰めるように言った。
二人は、報告書が山となっているテーブルを挟んで座っていた。山になっている報告書は、周辺諸国や国内の反抗勢力についての報告だった。
「とはいえ、俺も君のことは言えないからな。三位一体教会信徒になることを条件に和平、自分が国王になることを支援して貰おうと交渉しているなんて・・・。まあ、棚上げにするがということにしているが、信徒達の気持ちがわからないのかな。同じ信徒として気持ちがわからない。」
「だがな、こいつ、再洗礼教会信徒の中では、一番強硬派ではなかったか?確か・・・。」
「さすがだね、その通りさ。敬虔さを誇りにというか売りにしていたんだが・・・。頭のいい奴だったのに、そんな都合のいい話で相手が了承してくれるはずないというのが分からないのは、不思議だよ。」
「全くどいつもこいつも、訳の分からない奴ね。しかし、あなたも、かなり悪党よね。」
ツチイは、うって変わって面白そうに、揶揄うように、誇るように、微笑みながら、ウスイの方を見つめた。彼は、既に魔族から三位一体教会やシュン王国内、その他の国々、新教と呼ばれる宗派を報じる諸国にまで外交の手を伸ばしていたし、リツシウン王国・タイカーン国二重王国内の内乱分子の中にも楔わ撃ち込んだいた。既に、特定し、内部に協力者を飴と鞭でもって作り出していた。彼らも、国王であるウスイを裏切るのには躊躇するところがあった。それも突いた。
ツチイはウスイを、仰ぎ見るように思っていたが、ウスイも同様だった。彼女がいなければ、彼女の助言がなければ、魔界、魔族への交渉を助けてくれなければ、彼女がタイカーン国とその同盟部族をしっかりまとめていなければ、狼狽えるしかなかったと感じていた。彼女のバックアップがなければ、自分だけではだめだった。どんな事態にも動じない彼女を頼もしく感じていた。
そのツチイが、
「聖女との思い出は楽しいものだった?随分親し気に思い出を語り合っていたように見えたけど?まだ、未練があるようだけど?」
と嫉妬して、拗ねる態度が妙に可愛らしく思えてしかたがなかった。
そういうウスイが、彼女の婚約者のことで、あるいは幼馴染のことで、
「仲が良かったそうじゃないか?」
と心配する姿がツチイには嬉しく感じられてならなかった。
その夜は、全裸で、相手に文句を言いながら、くんずほぐれつをベッドの上で演じて、荒い息をしながら、彼は彼女を上にして、
「ツチイが一番なんだよ。」
と叫ぶように言い、
「私もよ。」
とツチイが応じていた。
翌日、2人は動き出した。そして、世界は動き出した。
「そんなことに拘る魔族がいるとは・・・。」
と絶句した。
神官や巫女の一部が、本来の神々を守れ、本来の教えに戻れと声をあげ、少なからず支持する魔族が増えているという情報がはいったからだ。やっかいなことにそれが、人間を嫌う勢力やツチイと対立する貴族達、さらには対立している部族とも結びついているということがわかったからである。
「まあ、それが宗教というものさ。」
ウスイは、慰めるように言った。
二人は、報告書が山となっているテーブルを挟んで座っていた。山になっている報告書は、周辺諸国や国内の反抗勢力についての報告だった。
「とはいえ、俺も君のことは言えないからな。三位一体教会信徒になることを条件に和平、自分が国王になることを支援して貰おうと交渉しているなんて・・・。まあ、棚上げにするがということにしているが、信徒達の気持ちがわからないのかな。同じ信徒として気持ちがわからない。」
「だがな、こいつ、再洗礼教会信徒の中では、一番強硬派ではなかったか?確か・・・。」
「さすがだね、その通りさ。敬虔さを誇りにというか売りにしていたんだが・・・。頭のいい奴だったのに、そんな都合のいい話で相手が了承してくれるはずないというのが分からないのは、不思議だよ。」
「全くどいつもこいつも、訳の分からない奴ね。しかし、あなたも、かなり悪党よね。」
ツチイは、うって変わって面白そうに、揶揄うように、誇るように、微笑みながら、ウスイの方を見つめた。彼は、既に魔族から三位一体教会やシュン王国内、その他の国々、新教と呼ばれる宗派を報じる諸国にまで外交の手を伸ばしていたし、リツシウン王国・タイカーン国二重王国内の内乱分子の中にも楔わ撃ち込んだいた。既に、特定し、内部に協力者を飴と鞭でもって作り出していた。彼らも、国王であるウスイを裏切るのには躊躇するところがあった。それも突いた。
ツチイはウスイを、仰ぎ見るように思っていたが、ウスイも同様だった。彼女がいなければ、彼女の助言がなければ、魔界、魔族への交渉を助けてくれなければ、彼女がタイカーン国とその同盟部族をしっかりまとめていなければ、狼狽えるしかなかったと感じていた。彼女のバックアップがなければ、自分だけではだめだった。どんな事態にも動じない彼女を頼もしく感じていた。
そのツチイが、
「聖女との思い出は楽しいものだった?随分親し気に思い出を語り合っていたように見えたけど?まだ、未練があるようだけど?」
と嫉妬して、拗ねる態度が妙に可愛らしく思えてしかたがなかった。
そういうウスイが、彼女の婚約者のことで、あるいは幼馴染のことで、
「仲が良かったそうじゃないか?」
と心配する姿がツチイには嬉しく感じられてならなかった。
その夜は、全裸で、相手に文句を言いながら、くんずほぐれつをベッドの上で演じて、荒い息をしながら、彼は彼女を上にして、
「ツチイが一番なんだよ。」
と叫ぶように言い、
「私もよ。」
とツチイが応じていた。
翌日、2人は動き出した。そして、世界は動き出した。
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