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平和に向けて?あるいは新たな戦いの幕間
恩しらずが・・・
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「今、国王は魔界に女魔王とともに魔界の反乱鎮圧に陣頭指揮で軍を進めている。国内の兵力は手薄だ。今こそ、正しき信仰を守るため立ち上がる時だ。」
三位一体教会の司祭が、三位一体教会信徒の領主と並び、もう一人の三位一体教会信徒の領主とテーブルを挟んで座っていた。
「再洗礼派信徒の王族と共闘してですか?」
その言葉に2人は、かなり驚いた。彼から、熱心な正しい教えの信徒であるから、今まで交渉していた印象から、あまりにも意外だった。
「あ、あの者は正しい教えの信徒になることを約束しているではないか?」
「本当に、それを信じているのですか?」
「もし、約束を反故にするのであれば、排除・・・最悪の場合は、亡き者にすればよいではないか?」
じっと考えるそぶりの彼に、2人は戸惑った。
「教皇様の教書のことですが。」
「あれは虚偽だと申し上げたはずだが。」
「そんなデマを、まだ信じているのか?」
「私のところに教皇猊下の教書が既に届いている。」
急に彼の言葉の調子が変わった。
「それに国王陛下は、我々のことを知っている。誰が、このたくらみに加わっているかも把握しておられる。今なら間に合う。私は、加わらない、加わることはできない。国王陛下だけでなく、教皇猊下のお言葉にまで逆らうことはできない。」
「な、なにを・・・裏切る気か?この期に及んで。」
「この恩知らずが・・・。」
その二人の怒りの表情には構わず、
「教皇猊下からは、司祭様の帰国の指示も出ています。また、教会領の管理は他の司祭様の管理と、当分の間は決まったところです。教皇庁への召喚には、護衛として貴族、騎士の同行、命の保障も書いてあります。」
今、教皇庁への召喚に応じれば、何とか命は助かると含みを持たせた。
「そ、そのようなデマに・・・。」
「あとで、加わりたいといっても、許されないからな。」
二人は、逃げるようにして出ていった。一人残り大きなため息をついた男は、
「私の決断は正しかっのだろうか?彼らに組して感じるより、迷いが小さいのは確かだが。」
「教皇が国王を赦したなぞ信じられるか?シュン王国の援軍の約束もできている。ここは、我々が先に旗を揚げることで、シュン王国その他の味方が動き出す、動かすのだ。」
テーブルに拳を叩きつけ、殊更大きな音をたてて、その場を圧しようとした。再洗礼派の反国王派貴族の会合でのことだった。教皇の教書の情報はここにもあった。三位一体教会信徒の貴族やシュン王国の援軍がどうなるかわからなくなり、不安が生じたため、急遽同志の会合が行われたのである。招集に対して出席者は2/3以下だったが、首謀者は出席しなかったものが、離脱したとは考えようとしなかった。参加者も何人かは、既に寝返った者や寝返りの準備中だった。そうした面々を励ますために、結束を促すために、シユン王国国王からの援軍の約束の手紙が見せられた。既に離反した、離反しようとしている者達は、その考えに唖然としたし、離反を止めようとは思わなかった。
"もうダメだよ。"と、静かに席に座る男が小さく首を振った。
「私は、今まで多くの人間、領地を再建してきた。再建の貴族と呼ばれてきた。今度は、国を再建したのだ。しなければならないのだ。」
それには何人もの積極的な同意の声があがった。彼の心酔者達だった。
そして、急いで反乱の旗を揚げる。時間が勝利の鍵だ、それは事実なのだが、まず最初の攻撃目標を定める。まだ当主は若く、さほど領地は広くないが、その後方に王領地があり、彼を倒せば王領地も占領できる。そうすれば糧食、兵員の動員などかなり有利になる。その若い伯爵は、彼を
「再建者と称するだけだろう。」
と言って彼を全く評価していなかった。だから、彼はその若い伯爵を無能と見ていた。一気に撃破できると考えていた。
"ああ・・・。もう既に準備万端迎え撃つ準備ができているのだけどな。それも、把握できなくなったか・・・。昔は、それなりに有能だったのに・・・あの後妻と虚名に、思考もだめになったか。"
三位一体教会の司祭が、三位一体教会信徒の領主と並び、もう一人の三位一体教会信徒の領主とテーブルを挟んで座っていた。
「再洗礼派信徒の王族と共闘してですか?」
その言葉に2人は、かなり驚いた。彼から、熱心な正しい教えの信徒であるから、今まで交渉していた印象から、あまりにも意外だった。
「あ、あの者は正しい教えの信徒になることを約束しているではないか?」
「本当に、それを信じているのですか?」
「もし、約束を反故にするのであれば、排除・・・最悪の場合は、亡き者にすればよいではないか?」
じっと考えるそぶりの彼に、2人は戸惑った。
「教皇様の教書のことですが。」
「あれは虚偽だと申し上げたはずだが。」
「そんなデマを、まだ信じているのか?」
「私のところに教皇猊下の教書が既に届いている。」
急に彼の言葉の調子が変わった。
「それに国王陛下は、我々のことを知っている。誰が、このたくらみに加わっているかも把握しておられる。今なら間に合う。私は、加わらない、加わることはできない。国王陛下だけでなく、教皇猊下のお言葉にまで逆らうことはできない。」
「な、なにを・・・裏切る気か?この期に及んで。」
「この恩知らずが・・・。」
その二人の怒りの表情には構わず、
「教皇猊下からは、司祭様の帰国の指示も出ています。また、教会領の管理は他の司祭様の管理と、当分の間は決まったところです。教皇庁への召喚には、護衛として貴族、騎士の同行、命の保障も書いてあります。」
今、教皇庁への召喚に応じれば、何とか命は助かると含みを持たせた。
「そ、そのようなデマに・・・。」
「あとで、加わりたいといっても、許されないからな。」
二人は、逃げるようにして出ていった。一人残り大きなため息をついた男は、
「私の決断は正しかっのだろうか?彼らに組して感じるより、迷いが小さいのは確かだが。」
「教皇が国王を赦したなぞ信じられるか?シュン王国の援軍の約束もできている。ここは、我々が先に旗を揚げることで、シュン王国その他の味方が動き出す、動かすのだ。」
テーブルに拳を叩きつけ、殊更大きな音をたてて、その場を圧しようとした。再洗礼派の反国王派貴族の会合でのことだった。教皇の教書の情報はここにもあった。三位一体教会信徒の貴族やシュン王国の援軍がどうなるかわからなくなり、不安が生じたため、急遽同志の会合が行われたのである。招集に対して出席者は2/3以下だったが、首謀者は出席しなかったものが、離脱したとは考えようとしなかった。参加者も何人かは、既に寝返った者や寝返りの準備中だった。そうした面々を励ますために、結束を促すために、シユン王国国王からの援軍の約束の手紙が見せられた。既に離反した、離反しようとしている者達は、その考えに唖然としたし、離反を止めようとは思わなかった。
"もうダメだよ。"と、静かに席に座る男が小さく首を振った。
「私は、今まで多くの人間、領地を再建してきた。再建の貴族と呼ばれてきた。今度は、国を再建したのだ。しなければならないのだ。」
それには何人もの積極的な同意の声があがった。彼の心酔者達だった。
そして、急いで反乱の旗を揚げる。時間が勝利の鍵だ、それは事実なのだが、まず最初の攻撃目標を定める。まだ当主は若く、さほど領地は広くないが、その後方に王領地があり、彼を倒せば王領地も占領できる。そうすれば糧食、兵員の動員などかなり有利になる。その若い伯爵は、彼を
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と言って彼を全く評価していなかった。だから、彼はその若い伯爵を無能と見ていた。一気に撃破できると考えていた。
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