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食事が終わり、おやつを食べてお茶を飲む。
一息ついた後、私はカラスからの情報を元に作成した書類を手に、
今後の対策について説明を始めた。
「これまでの調査で、鳥類は大きく3つに分けることができます」
私は指を3本出して見せた。
「1つは、傍観派。現在最も多くの種が、これに該当します。人、鳥どちらにも協力しないが、危害も加えない。文字通り傍観する立場を取っています。とりあえずここは、気にしなくても大丈夫だと思います。2つ目は、穏健派。人に身近で、共存している鳥が多いですね。比較的協力的らしいので、戦力を増やすならここから当たっていきましょう。最後に過激派ですが、ここに、今対策中の鳥達のほとんどが入っています。猛禽類が中心で・・・味方にできれば心強いですが・・・」
「難しいでしょうね」
カラスの言葉に、私も頷く。
「ゼロではない、と言える位でしょうか。理由が理由ですから」
「人のせいで数が減っている種、ですか?」
さっき言った事を、ツバメが繰り返す。
「そう。恨みを買って当然の事を、私達はしてしまっているの」
そうなんですね。ツバメは腕を組んだ。
「考えた事なかったけど・・・僕達みたいに、人に頼って生きている鳥は珍しいんですね」
「そうだね・・・民家に巣を作るのは、君達くらいかな。理由は、外敵から雛を守るのに最も安全だからと言われているけど、合ってる?」
ツバメは頷く。
「人が行き来する場所には、野生動物は余り寄って来ませんから、1番安全なんです。人が作る家がなければ、僕達の数は一気に減ってしまうと思います」
「そうだろうね」
カラスはそう言って、カップに口をつける。
一口飲むと、ツバメと視線を合わせた。
「新たな場所が見つからない限り、君達にとって、現状維持が一番望ましい。しかし誘っておいて言うのも難だが・・・力を貸す以上、他の鳥から敵視され、狙われる可能性もある。傍観するという方法もあったのに、そうしなかったのは何故だい?」
ツバメはカラスの目をみて、しっかり答えた。
「もし攻撃を受けた場合、逃げることができるからです。僕達は小柄で、素早い。捕まる事はまずありませんし、それでも危険だったら、渡りでこの土地から離れることができます」
「なるほど」
カラスは納得したようだった。
「それに・・・」
ツバメは少し口を噤んだ後、
「僕、まだ飛べない時に、巣から落ちてしまって・・・それで、人に助けてもらったことがあるんです。その人はすぐ僕を拾い上げてくれて、巣に戻してくれました。僕達ツバメの中には、そうやって人に助けてもらった仲間が、沢山いるんです。その時の、恩返しがしたくて」
だから・・・。
ツバメは言いにくそうにした後、
「僕は、その時助けてくれた人に、お礼を言いたいんです。この姿なら、感謝を直接伝えられるから・・・ただ僕1人では、なにか失礼なことをしてしまうかもしれません・・・なので、一緒に来てくれませんか?・・・そんな暇がないのはわかっています。でも、僕は・・・」
俯くツバメ。
私はカラスを見ると、彼は頷いて見せた。
「大丈夫よ。一緒に行きましょう」
ツバメは顔を上げ嬉しそうにしたが、すぐに窺うようにカラスを見る。
「問題はないよ。邪魔が入らぬよう、見張っておこう」
その言葉に、ツバメは心底意外そうな顔をしたので、カラスは片眉を上げた。
「君は私を何だと思っているんだ?」
「あ、すみません!えっと、びっくりして・・・、あなたも、助けてもらったことがあるんですか?」
ツバメの問いに、カラスは胸に手を当てて頷く。
「ああ・・・。だから、君の気持ちはわかるよ」
「ありがとうございます!」
お礼を言って、今度こそツバメは笑顔を浮かべた。
一息ついた後、私はカラスからの情報を元に作成した書類を手に、
今後の対策について説明を始めた。
「これまでの調査で、鳥類は大きく3つに分けることができます」
私は指を3本出して見せた。
「1つは、傍観派。現在最も多くの種が、これに該当します。人、鳥どちらにも協力しないが、危害も加えない。文字通り傍観する立場を取っています。とりあえずここは、気にしなくても大丈夫だと思います。2つ目は、穏健派。人に身近で、共存している鳥が多いですね。比較的協力的らしいので、戦力を増やすならここから当たっていきましょう。最後に過激派ですが、ここに、今対策中の鳥達のほとんどが入っています。猛禽類が中心で・・・味方にできれば心強いですが・・・」
「難しいでしょうね」
カラスの言葉に、私も頷く。
「ゼロではない、と言える位でしょうか。理由が理由ですから」
「人のせいで数が減っている種、ですか?」
さっき言った事を、ツバメが繰り返す。
「そう。恨みを買って当然の事を、私達はしてしまっているの」
そうなんですね。ツバメは腕を組んだ。
「考えた事なかったけど・・・僕達みたいに、人に頼って生きている鳥は珍しいんですね」
「そうだね・・・民家に巣を作るのは、君達くらいかな。理由は、外敵から雛を守るのに最も安全だからと言われているけど、合ってる?」
ツバメは頷く。
「人が行き来する場所には、野生動物は余り寄って来ませんから、1番安全なんです。人が作る家がなければ、僕達の数は一気に減ってしまうと思います」
「そうだろうね」
カラスはそう言って、カップに口をつける。
一口飲むと、ツバメと視線を合わせた。
「新たな場所が見つからない限り、君達にとって、現状維持が一番望ましい。しかし誘っておいて言うのも難だが・・・力を貸す以上、他の鳥から敵視され、狙われる可能性もある。傍観するという方法もあったのに、そうしなかったのは何故だい?」
ツバメはカラスの目をみて、しっかり答えた。
「もし攻撃を受けた場合、逃げることができるからです。僕達は小柄で、素早い。捕まる事はまずありませんし、それでも危険だったら、渡りでこの土地から離れることができます」
「なるほど」
カラスは納得したようだった。
「それに・・・」
ツバメは少し口を噤んだ後、
「僕、まだ飛べない時に、巣から落ちてしまって・・・それで、人に助けてもらったことがあるんです。その人はすぐ僕を拾い上げてくれて、巣に戻してくれました。僕達ツバメの中には、そうやって人に助けてもらった仲間が、沢山いるんです。その時の、恩返しがしたくて」
だから・・・。
ツバメは言いにくそうにした後、
「僕は、その時助けてくれた人に、お礼を言いたいんです。この姿なら、感謝を直接伝えられるから・・・ただ僕1人では、なにか失礼なことをしてしまうかもしれません・・・なので、一緒に来てくれませんか?・・・そんな暇がないのはわかっています。でも、僕は・・・」
俯くツバメ。
私はカラスを見ると、彼は頷いて見せた。
「大丈夫よ。一緒に行きましょう」
ツバメは顔を上げ嬉しそうにしたが、すぐに窺うようにカラスを見る。
「問題はないよ。邪魔が入らぬよう、見張っておこう」
その言葉に、ツバメは心底意外そうな顔をしたので、カラスは片眉を上げた。
「君は私を何だと思っているんだ?」
「あ、すみません!えっと、びっくりして・・・、あなたも、助けてもらったことがあるんですか?」
ツバメの問いに、カラスは胸に手を当てて頷く。
「ああ・・・。だから、君の気持ちはわかるよ」
「ありがとうございます!」
お礼を言って、今度こそツバメは笑顔を浮かべた。
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