Birds

遠野

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カラスとツバメが洞窟に突入した直後に、あの日出会った2人が現れた。
2人はタカとハトと名乗り、自分達は人間に飼われている為種の中でははぐれ者で、今回の騒動には無関係。
世話になっている飼い主の為に、協力したいという。
それだけ言うと、その真偽を確かめる間もなく、2人は任せろと言って洞窟に飛び込んで行ってしまった。
引き止めようにも、敵の全滅が確認できてない上、死骸が散乱している状態で入るのは危険だ。

「どう思いますか?」
私は側にいた警官の新庄さんに聞いた。
先日カラス達と話していたこの男性は、今回の作戦に強い思い入れがあるらしく、積極的に動き回っていた。
「勘でしかねえが・・・大丈夫なんじゃねえか?」
「はい・・・私もそう思います」
まだ情報が少ないので確信はできないが、あの様子を見る限り、彼女達は敵ではない。
そう信じたい。
通信が繋がらないので、彼女達が上手く中の2人に説明し、協力して倒してくれるといいが。
不安に思いながら待機していると、洞窟内に反響していた戦闘の音が止み、シンと静まり返った。
そしてこちらに向かって駆けてくる音が響いたかと思うと、カラスが私の名前を叫んで飛び出してきた。
大声で名前を呼ばれて、思わず大きな声で返事をしてしまう。
彼は私が目の前にいるのを認めると、目を見開いた後、力が抜けた様に息を吐いた。
「・・・大丈夫ですか?」
青ざめた顔のカラスに駆け寄ると、抱きしめられる。
「・・・何か、あったのかと・・・」
どうやら事情は上手く伝わらなかったらしい。
あの2人が現れたことによって、こちらに何かあったと誤解したようだ。
「すいません。連絡ができず、入るのも危険だったので・・・」
「いえ・・・無事で良かった」
そう呟いて、肩に額を擦り付けてきたカラスの背中を安心させるようにさすっていると、周囲から生暖かい視線を送られていることに気付く。
新庄さんはこちらを見てニヤニヤしているし、遅れて出てきたツバメは顔を赤くしてオロオロとしている。
その隣にはあの眼帯の少女もいて、真顔で私達を見つめていた。

不意に風が吹いた。
と思ったら、カラスは数メートル横に吹っ飛んでいた。
「私らをほっといてイチャついてんじゃないわよ」
眉間に皺を寄せたタカが吐き捨てる。
どうやら彼女が蹴り飛ばしたらしい。
慌てて駆け寄ろうとすると、手加減してやったから大丈夫だと止められた。
加減して人があんなに吹っ飛ぶのか。
タカの身体能力の高さを実感していると、カラスが起き上がる。
「そもそもが、君の説明不足のせいでこうなったと思うんだがね」
埃をはたきながら戻ってきたカラスは、いつもの調子でタカに言い返す。
「そんな事しなくても、助けたんだから味方に決まってるでしょ?」
「それは失礼。こちらは君のように単純にできていないものでね」
「はあ?」
一戦交えそうな2人の間に慌てて入ろうとするが、
「・・・タカ子さん」
今まで黙っていたハトがタカを諌める。
するとタカは動きを止め、舌打ちをしてカラスから離れた。
どうやらハトは彼女のストッパーらしい。
気の荒いタカを一言で大人しくさせた少女を、カラスは驚きながら見る。
「・・・君は?」
「私はハト。よろしく」
「この前教授達が言っていたもう1人か・・・さっきはいなかったように見えたが」
「あなたが洞窟から出ようと走って来た時に、一応すれ違ったんだけど・・・」
首を傾げたハトに、カラスは言葉を詰まらせる。
どうやら気付かなかったらしい。
周りが見えなくなるほど自分達を心配してくれていたのだと思うと、不謹慎だが嬉しく思ってしまった。
「それだけ先生が心配だったのよね?わかるわ」
1人納得するハトにカラスは何か言おうと口を開くが、上手い言葉が見つからないのか、吐いたのは溜息だけだった。

そんなカラスからすぐに視線を外して、ハトは私を見る。
「先生、敵は全員倒したから、もう中に入っても大丈夫。色々と、確認した方が良いと思う」
その言葉にツバメはハッとして声を上げる。
「そうです先生!大変な事が起こったんです!少しの間だけでしたが、あれは・・・」
ツバメは恐怖と興奮が混ざり合った様子で叫んだ。
「恐竜です!鳥が、恐竜になったんです!」
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