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6.旦那様(ニセ)に忠実な執事が、実はとんでもない羊被りだった件。
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中松は怪我だらけだったし、ボロボロでなんか雰囲気怖いし真っ黒なスーツ着ていたし、今思い出しても、水をくれ、という枯れた彼の声に怖気づかず反応できた自分を褒めてあげたい。
一矢、この人死んじゃう、助けてあげて、と泣きそうになりながら頼んだっけ。
それから使用人に頼んで三成家に運んでもらい、中松を手厚く介抱したんだ。見る間に回復する驚異の体力の持ち主であったから、一矢が専属ボディーガードに雇いたいと言い出した。中松も一矢に助けられた恩を返すべく、彼に忠実な部下となった――これが概要。
なんかこれって、シチュエーション的に執事(中松)×御曹司(一矢)みたいなボーイズラブ漫画になりそう。
御曹司の気まぐれ・高慢な我儘にきちんと応える優良執事。しかしその実態は、胸に秘めたる思いを馳せ――
「伊織、何時までそこへ立っているつもりだ。早く席に着け」
自分の恐ろしい想像に身震いしそうになった時、一矢が声をかけてくれたので慌てて誤魔化して着席した。
この考えに至ったのには、訳がある。中松には全然・・・・女性の影が無いのよ・・・・。三十四歳にもなるのに、結婚を前提としたお付き合いをしているような女性の一人もいやしない。
もしや一矢をずっと思って・・・・?
チラリと中松を見ると、一矢と会話をしながら嬉しそうにハンバーガーの取り皿を並べている。一矢も嬉しそうだ。中松が甲斐甲斐しく一矢の為に働くその姿・・・・そして私には必要に鬼の修業をさせる・・・・!
ピシャーン、と自分の中で雷が鳴った音がした。
中松が私に異常に厳しいのは・・・・恋敵だから・・・・!?
・・・・・・・・そんなワケ、ないか。
まあでも、そんなワケが・・・・あるかもしれない。気を付けよう。
想像が本当だったらニセ嫁の立場を大いに利用して、中松にうんと意地悪してやろうっと。
しごかれているお返しよっ。
でも、不毛な恋をしているのね。ああー、中松が女性と付き合わないのは、一矢が好きだからなんだぁー。この考えって、結構濃厚なイイセンいってるかも。
――実らぬ恋ならば、この中松の人生、一矢様に身を捧げる覚悟です!
固く心に決めたりして!
・・・・なーんてね。そんなワケないかぁ?
一矢、この人死んじゃう、助けてあげて、と泣きそうになりながら頼んだっけ。
それから使用人に頼んで三成家に運んでもらい、中松を手厚く介抱したんだ。見る間に回復する驚異の体力の持ち主であったから、一矢が専属ボディーガードに雇いたいと言い出した。中松も一矢に助けられた恩を返すべく、彼に忠実な部下となった――これが概要。
なんかこれって、シチュエーション的に執事(中松)×御曹司(一矢)みたいなボーイズラブ漫画になりそう。
御曹司の気まぐれ・高慢な我儘にきちんと応える優良執事。しかしその実態は、胸に秘めたる思いを馳せ――
「伊織、何時までそこへ立っているつもりだ。早く席に着け」
自分の恐ろしい想像に身震いしそうになった時、一矢が声をかけてくれたので慌てて誤魔化して着席した。
この考えに至ったのには、訳がある。中松には全然・・・・女性の影が無いのよ・・・・。三十四歳にもなるのに、結婚を前提としたお付き合いをしているような女性の一人もいやしない。
もしや一矢をずっと思って・・・・?
チラリと中松を見ると、一矢と会話をしながら嬉しそうにハンバーガーの取り皿を並べている。一矢も嬉しそうだ。中松が甲斐甲斐しく一矢の為に働くその姿・・・・そして私には必要に鬼の修業をさせる・・・・!
ピシャーン、と自分の中で雷が鳴った音がした。
中松が私に異常に厳しいのは・・・・恋敵だから・・・・!?
・・・・・・・・そんなワケ、ないか。
まあでも、そんなワケが・・・・あるかもしれない。気を付けよう。
想像が本当だったらニセ嫁の立場を大いに利用して、中松にうんと意地悪してやろうっと。
しごかれているお返しよっ。
でも、不毛な恋をしているのね。ああー、中松が女性と付き合わないのは、一矢が好きだからなんだぁー。この考えって、結構濃厚なイイセンいってるかも。
――実らぬ恋ならば、この中松の人生、一矢様に身を捧げる覚悟です!
固く心に決めたりして!
・・・・なーんてね。そんなワケないかぁ?
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