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12.旦那様(ニセ)が、嫁(ニセ)の為に愛の大告白(ニセ)をしちゃいます!
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美緒と中松に手伝ってもらって大急ぎで支度を整え、何とか控室で待機していた一矢の傍に向かう事が出来た。
予備のドレスも、先ほどのものと遜色ないものを選んで持ってきている用意の良さに、美緒と感動したほどだ。中松は本当にキングオブ執事だと思う。
現在、六時の開場時間を回った所だから、問題のない時間だ。
既に中松から事情を聞いているようで、控室に入って初見の一矢は本気で怒り、険しい顔をしていた。しかし私の姿を見るなりこちらへ飛んできて、中松や美緒もいるのに人目もはばからず、ぎゅうっと抱きしめてくれた。
「伊織! 無事で良かった! これだけのパーティーにしてしまったものだから、客人の相手を断れず、中松に任せきりで、伊織が大変な目に遭っているのに私がすぐに駆けつけてやれなくて、本当に悪かった!」
一矢が私を本気で心配してくれていて、強い力で抱きしめてくれた。実は、一夜に抱きしめられて怖いと思うかもしれないって思ったけれど、大丈夫で良かった。一矢と中松は、信頼しているから大丈夫なんだと再認識した。
「心配をかけてごめんなさい。黙って勝手に席を離れてしまったのは、杏香さんにお祝いを渡して下さるから、部屋まで来てほしいって言われて・・・・。中松に一言声を掛けて行くって言ったのだけれど、すぐだからって、そのままノコノコとついて行ってしまったの。これから、もっと気を付けるわ」
経緯を説明した。
「伊織は何も悪くない。義理の姉になる人間にそんな事を言われたら、伊織の立場なら私の事を考え、断れなくて当然だ。伊織とずっと一緒に行動するべきだったのに、人目も多いから何もできないと思って、中松に任せきりだった私の配慮不足が原因だ。危険な目に遭わせてしまい、本当にすまなかった」
「いいの。大丈夫。もう謝らないで」
「何処も怪我は無いか?」
「平気よ。中松が助けてくれたから」
男に無遠慮に肌に触れられ、怖がった事は一矢に知らせちゃいけない。言うと、きっと悲しませる。
野良犬に噛まれたとでも思って、忘れてしまおう。
「今後、伊織が危険に巻き込まれたりしないよう、今日はきちんとけじめをつける。挨拶のスピーチを、私の傍で聞いていてくれるか」
「ええ。聞いておくわ」
「それから今日、屋敷に帰ったら二人きりで話がしたい。これからの事、色々考えよう。大切な話だ」
「はい」
「よし。そうと決まれば、先ずはパーティーで伊織をきちんと紹介しなくてはな。ついてきてくれ」
「はい!」
ぐっとお腹に力を入れて、控室からパーティー会場へ一矢にエスコートされながら歩んだ。
予備のドレスも、先ほどのものと遜色ないものを選んで持ってきている用意の良さに、美緒と感動したほどだ。中松は本当にキングオブ執事だと思う。
現在、六時の開場時間を回った所だから、問題のない時間だ。
既に中松から事情を聞いているようで、控室に入って初見の一矢は本気で怒り、険しい顔をしていた。しかし私の姿を見るなりこちらへ飛んできて、中松や美緒もいるのに人目もはばからず、ぎゅうっと抱きしめてくれた。
「伊織! 無事で良かった! これだけのパーティーにしてしまったものだから、客人の相手を断れず、中松に任せきりで、伊織が大変な目に遭っているのに私がすぐに駆けつけてやれなくて、本当に悪かった!」
一矢が私を本気で心配してくれていて、強い力で抱きしめてくれた。実は、一夜に抱きしめられて怖いと思うかもしれないって思ったけれど、大丈夫で良かった。一矢と中松は、信頼しているから大丈夫なんだと再認識した。
「心配をかけてごめんなさい。黙って勝手に席を離れてしまったのは、杏香さんにお祝いを渡して下さるから、部屋まで来てほしいって言われて・・・・。中松に一言声を掛けて行くって言ったのだけれど、すぐだからって、そのままノコノコとついて行ってしまったの。これから、もっと気を付けるわ」
経緯を説明した。
「伊織は何も悪くない。義理の姉になる人間にそんな事を言われたら、伊織の立場なら私の事を考え、断れなくて当然だ。伊織とずっと一緒に行動するべきだったのに、人目も多いから何もできないと思って、中松に任せきりだった私の配慮不足が原因だ。危険な目に遭わせてしまい、本当にすまなかった」
「いいの。大丈夫。もう謝らないで」
「何処も怪我は無いか?」
「平気よ。中松が助けてくれたから」
男に無遠慮に肌に触れられ、怖がった事は一矢に知らせちゃいけない。言うと、きっと悲しませる。
野良犬に噛まれたとでも思って、忘れてしまおう。
「今後、伊織が危険に巻き込まれたりしないよう、今日はきちんとけじめをつける。挨拶のスピーチを、私の傍で聞いていてくれるか」
「ええ。聞いておくわ」
「それから今日、屋敷に帰ったら二人きりで話がしたい。これからの事、色々考えよう。大切な話だ」
「はい」
「よし。そうと決まれば、先ずはパーティーで伊織をきちんと紹介しなくてはな。ついてきてくれ」
「はい!」
ぐっとお腹に力を入れて、控室からパーティー会場へ一矢にエスコートされながら歩んだ。
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