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Office13・好きな男との食事は大いに悩む
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しおりを挟む「週明けに伝えようと思っていたんだけど、まあいいか。実はナイトワン、もう製品化することが決まったよ。櫻井君が絡むと、何でも早いんだ。彼は凄いよ、本当に。経営手腕も半端じゃない。頭もキレるし、何せあの行動力だからね。流石、櫻井グループの取締役として活躍するだけの事はある」
「えっ、もう!? アレで製品化でいいんですかっ!?」
もうちょっと会議とか色々重ねて、製品化まですると思っていたのに。
「櫻井君がいいって言ったら、誰も反対しないよ。パッケージも出来上がってるんじゃないかな。来週には本番用のデザインパッケージ、出来上がったものが見れると思うよ」
驚いた・・・・。櫻井さん、仕事早すぎる・・・・。
ワクチンの開発とか、チンタラしてたらダメだわ。さっさとこっちも向こうの満足する商品を開発しないと、他社に話を持っていかれてしまうわ。
気合入れよう! ラブサプリだって、すっごいイイの考案して、三輪さんの役に立たなきゃ!!
「和歌ちゃん」
「は、はいっ!」
「今はプライベート。仕事の話はもう止めよう。昨日もナイトワンの話が中心だったし、折角のデートなんだ。今は食事とお互いの話に集中」
「あ、ごめんなさい。夢中になるとつい・・・・」
折角のデート、だって!
でも、仕事の話は楽しいから好きだし、プライベートって言っても・・・・何を話せば・・・・。緊張するっ。
ドキドキして何を話そうか迷っていると、三輪さんが優しく微笑んだ。
「和歌ちゃん、明日は何時に待ち合わせしようか。行きたい所ある? あ、日曜日は朝から一日付き合ってもらおうと思っているから、予定空けておいて。夕方まで大丈夫?」
「全然大丈夫です! ドコでもお供します!!」
プッ、と三輪さんが吹き出した。
エッ、そんな変なコト言った!?
でも、レアな三輪さんが見れて、ちょっと嬉しい。
「お供って、鬼退治にでも行くの? 和歌ちゃんは面白いね」
「行くなら鬼退治でもドコでもついて行きますっ」
真顔で答えたら、三輪さんは楽しそうに笑った。
「ありがとう。じゃあ、一緒に決めようか。んー・・・・そうだな。明日は魚でも見に行く?」
「あ、水族館ですか? だったら池袋なんかいいんじゃないでしょうか。サンシャインシティに水族館できましたし。テレビでも話題になってますよね、天空の水族館。実は私、まだ行ったこと無くて。行ってみたいな、とは思っていたんですけど。生憎相手がいなくて――・・・・」
そこまで言いかけて、慌ててごまかした。
何独り身アピールしてんのよっ。三輪さんとどうこうなるっていうのは、ナシだから。
でも、折角のデートなんだし、桃香さん――三輪さんの奥様――には悪いとは思うけど、日曜日でキッパリ三輪さんの事は諦めるから、もう少しだけ夢見させて。
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