乙女ゲームの中の人

たま

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乙女ゲームの中の人2

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ふーーーーー、とりあえず、終わったぁぁああああ。
よっしゃ、とりあえずお茶しよう。

 「ねぇねぇ、ちょっと亜理紗大丈夫だった?」

私が聞くよりも早く友梨佳や恵梨佳が聞いた。まぁそうだよな、みんなが見ている前でのすがすがしい程の横っ飛びだった。
あれは、スローモーションでもう一度お願いした位だ。
オンラインゲーム中で無ければ。

「あー、だいじょうびー、ちょっと勢い良すぎたねぇー。
次回はもう少し、うーん捻りを加えてみようかと」

止めて、ここはフィギュアスケートの場ではない
全員あきれ顔で見るが、彼女はどこ吹く風。
そんなあほな事を言ってるくせに、腕を組んで小首を傾げるその様はまさにヒロイン。
可愛いんだよなぁ。
しっかし、こんな見た目従順、性格大人しそうに見えるくせに、マイペース。
うん、これが実社会にいたら、完全に空気を読まない迷惑な人間だな。

亜理紗は気にもせずにケロリという。

「こないださー、暇だからさー、エゴサーチしてうちらのパロディ小説よんだっけ、今の流行りって悪役令嬢もんなんだって?
ヒロインの私がザマァされる展開多くて笑えたー。
そりゃ、そうだよねぇー、実際にこんな女いたらエッライ迷惑だよね。ハーレムルート何てどんなビッチだよって感じ。
いくら何でもご免被るわー。
それにさー、ハーレムルートの私、メンタル鋼通り越して、ダイヤモンドレベルだよね?
惑星でも追突されない限り、絶対こいつのメンタル壊れなそうー。アハハー
婚約者いる男とキャッキャ、ウフフなんて、どこまで空気を読まないんだって思って」

いや、それ以前に亜理紗、あんたは、メンタル強いし、空気を読まないからその辺は大丈夫だ。あながち間違ってはいない。

「悪役令嬢だとやっぱり翡翠が一番いっぱい書かれていたよー。政宗と、最終的にはラブラブ多かったし。一番R18多かったのも、あんたらカップルだったー!ウフフ」

ウフフ、じゃないし、そんなん読むな。お前はまだ18歳じゃないだろう!
設定16歳!忘れんな。
まぁ、この情報溢れるこのご時世、あまりにも簡単に情報ゲットできるのも考えもんだよなぁ。
ちょっとゲンナリしそうな私に政宗も苦笑いだ。

「いや、でも、もし翡翠がその気なら、僕はいつでも大歓迎だよ、ハニー」

そう言って政宗は苦笑いのまま両腕を私に広げ、かつウィンクまでつけて棒読みで口説いてくれた。

「うわぁ、嬉しい。私も大好きですわ。その麗しいお顔に似合わない腹黒い笑み。
ヒロインに簡単に攻略される浅はかさ!
思わず後ろ蹴りをかましたくなりますもの、ウフフ」

お返しにとばかりに両腕を胸の前で組んで、当社比100%の力で精一杯あざといポーズを決めてみる。
パッツン前髪で無表情キャラのあざといのって可愛いとかかわいくない通り越して、ちょっと無理がある。痛々しいっつーか…ね…

「それは、設定上仕方ないだろう。一応シナリオ通り動かないとね。それ以外のデータはないんだからいくら僕らが好き勝手動けるとはいえあまり違うのは絵面と合致しないからね」

「あら、まともなことを言ってる」

あ、誰かログインした!おおおおー、youyou44004youね、あ、この子何度も恵梨佳ルートやってる子だ!イェイ雄二推しだ!
やったね、恵梨佳頑張れ!
これで、今日は雄二推しじゃない、何て言わないでねー

恵梨佳がめっちゃ嫌な顔して亜理紗を見ている。
ざまあみろー、さっき手伝ってくれなかった罰だー

「さってと、出番だー、今度はなにしよっかなー♪」

ルンルン気分で準備体操、ならぬラジオ体操を始めた亜理紗を見ながら、私達は全員ため息をつくのだった。
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