16 / 99
第四章 変化していった元カレ
女子OL彩香の、お昼事情
しおりを挟む彼の言った駅前通りの商店街は、ビジネス街とは線路を越えた反対側に位置している。
こちら側にも食事できる店は沢山あるのだけど、どこの店先にも昼の時間帯は人が並んでいる。 それは駅まで距離のあるビルの社員には不利なので、私逹はあまり利用はしない。
(順番を待っている間に昼休みは終わってしまうのだもの。 行ってみたいお店は幾つもあって、行ける距離にあるのに行けないというのは、すごく残念なのだけど……)
貴重なお昼休みなので仕方ない。
勿論、全く行かないのではなく利用するのは仕事が終った後で、となる訳でランチタイムのお得さを味わうことはそうは無い。
だからって移動に時間をとられる駅の向こうに足繁く行くことも無いけれど、午後からは急き立てられる仕事がなく食事は軽くで、ゆっくりとしたい時にはそちらに軍配が挙がっていた。 同僚逹とではなく、彼と昼食を一緒にできる時に限って、と云えるかも。
逆に、仕事を終えてからそこに行くことは無かった。
夕刻になると、そこは地元の人達の社交場となってしまい、部外者であろう私逹が立ち入るのはいけない気がして。 それに彼と前を通るのは気恥ずかしい一角も存在していたので、私に気遣って彼が敬遠していたこともある。
誰が区切ったわけでもないだろうけど、同僚逹と立ち寄る美味しくて格安な店や、彼と過ごす雰囲気の良い店などは、こちら側にだけ設定されていた。
普段の私はというと、外回りに出ることの多い彼とは違い、階下にある食堂で過ごすのが通常。
社員の殆どはそこで済ませていたし、他の部所の同期逹とも話が出来る場所を嫌いではなかった。
後には憂鬱な場所には為るまでは……。
======
――後書き――
私はお昼食べない派で、休日だとしても、ランチの順番待ちに10分以上費やして食べるってほぼ経験ないので、完全に想像で書いてます。
昼前後に、“美味しい”って評判の店先にお客さんが並んでるのを横目に見ながら通り過ぎることは、屡々あります。
イイナー羨ましいわぁ私もあの列に並びたい、って思いながら。。。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる