【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明

文字の大きさ
174 / 195
教団騒動から20年後の世界

第174話 20年後の首都ヴォーネス リコリス

しおりを挟む
 オスカーと共に元王城跡地に行くことになった。

 王城跡地まで来ると、城というよりは神殿みたいな外見の建物があった。

「もしかして、リコリスと半蔵はここに?」
「お?二人が結婚してるの知ってるのか?」
「ヴォーネスまでの道中でその話を聞きました」
「ほぉ~半蔵は今や暗部のエースだよ」

 まさかの暗部所属!?

「もしかしてオスカーの部下になってるので?」
「あぁ、リースから狼衆全員預かってる。殆どはリンクル族と結婚してるぞ」

 まさかの半蔵だけじゃなかった。皆それぞれ自分との約束を守ってくれていた。

「そっか……」
「あぁ、それからだな、お前さんの下についていた狼達だが殆どの者が寿命を迎え亡くなってる。今やオーレリア女王の元に1匹だけ残ってる位だな」

 絶対健康は永遠の命ってわけじゃないのか、最期まで元気に生きることが出来たかな?
 自分とかかわりスキルを授けてもらった事を後悔はしてなかったかな?
 せめて、みんなの最期を看取る事位はしたかった。

「そうですか……」
「暗くなんなよ、お前との約束は奴らの子ども達が引きついでリンクル族と共に生活してるよ」
「いや、そういう事じゃなく、せめて皆の最期を看取りたかったなとね」
「そういうことか、ヴォーネスの後、ヴェンダルに行ってみろ、オーレリア女王の所にまだ残っているからな」
「そうします」

 リコリスと半蔵に会ったら急ぎヴェンダルに向かうかそう思いながら、オスカーと共に神殿の様な物の建物の中に入ると。そこには大学の講義場の様な部屋があった。

「ここは……?」
「ここは会議室だな、何かあれば、国中の村や町の代表がここに集まって、色々な決め事をしてんだよ」
「なんというか、近代的ですね」
「まぁな、教団との戦争後にリコリスから聞かれたんだよ」
「国のシステムとかですか?」
「あぁ、それでこの奥が国の代表を務めているリコリスの自宅だな」

 会議場を後にして敷地の奥に進むとなんというか、武家屋敷みたいな屋敷が姿を現した。

「なんかこれって……」
「ジャパニーズサムライ」
「それは偏見でしょ」
「いや~俺が好きな時代劇に出てくる屋敷そのままだ」
「この国には全然合ってなくないです?」
「まぁな、だがなこいつはリースから2人にプレゼントされたもんなんだよ」
「んじゃ秋津の?」
「あぁ、秋津の良い所の建物だそうだ」

 なんとまぁ、西洋風の町の奥にポツンとたたずむ武家屋敷違和感しかなかった。

「なるほど」
「半蔵もリコリスも喜んでいたからいいんじゃないのか?」
「まぁ本人たちが喜んでいるならいいですが……」

 武家屋敷の門をくぐると、塀の内側には木の棚の上に松等の盆栽が並び、庭には白い石で水の流れのようなものを表現したものが目に入った。

「まさかの、枯山水……、なんというか本当に凝ってますね……」
「あぁ、俺も日本好きだからな、この風景は好きだ、半蔵が庭を手入れしてるんだぞ」

 きっと、手入れの仕方をリースから色々教わったんだろう。ここまで和を感じたのはこの世界に来て初めてだった。

「ハンゾー直人を連れてきたぞ~」

 オスカーの呼びかけからしばらくすると、玄関からリコリスが姿を現した。

「あ、あ、お久しぶりです!」

 リコリスを最後に見たのはいつだろうか?ヴォーネス制圧してしばらく後にヴィンサーと話をしていた時にちらりと見た位だ、印象に残っているのは、エスティアで初対面時だ、あの頃と比べると、ボロボロの貧乏人っぽい感じから良い所のお嬢さんと言った感じになっていた。

「元気そうで何より、ヴィンザーさんの事は……」
「いえ……、父は最期に秋津様に礼を言いたかったと言っていました。私達リンクル族の為に最後まで本当にありがとうございました」

 リコリスが目に涙を浮かべながら深々と頭を下げた。
 ユーロンスの事が終わった瞬間にエルメダに拉致されたからな、お礼を言う間もなかっただろう……。

「いや……」

 こういう時はなんて答えるべきなのだろうか?

 正直分からない。

「頭を上げてください、自分はあなたに願われ、リンクル族を見て何とかしないと思ったから手伝っただけ」
「それでも、本当にありがとうございました」

 一度頭を上げたのにもかかわらず、また頭を下げてしまった。

 話題を変えるかな?

「えっと半蔵は?」
「あの人は、子どもたちと一緒に町に買い物に行ってます」
「そっか」

 待つべきか、ヴェンダルにいる最後の子に会いに行くべきか悩んでいると。

『ノンちゃんはもう長くないよ』

 と、ヒスイが教えてくれた。
 
 カスミ、ヒナ、ノンの3匹のシャドーウルフは、オーレリア姫の護衛に付けてから一度も会っていない。

 最後まで残っていたのは戦に不向きと感じたのんびりやのノンか、生きている半蔵とならまた会えるだろう。

「リコリスさん、自分はヴェンダルに向かいます。ノンの命が長くないそうなので」

 リコリスにそう伝えると少し悲しそうな表情になったが直ぐに戻った。

「そうですか……、またここに遊びに来てください、あの人もあなたと会える日を楽しみにしていると思うので」
「えぇ、そうさせてもらいます、オスカー自分は行くよ」
「あぁ、気を付けてな、また遊びに来いよ」
「えぇ」

 さて、オーレリア姫様とノンの元に行くか。

『ヒスイ、ノンは今どこに?』
『かつての第6騎士団兵舎前、今女王もそこにいるよ』

 女王か、オーレリアがちゃんと王位継承したってことだろう。

 ノンとの最期の時間を少しでも持つために初めて空間魔法を使おうと思い、静かに目を閉じ、短い期間だったが世話になったあの場所をイメージした。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい

木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。 下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。 キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。 家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。 隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。 一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。 ハッピーエンドです。 最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

処理中です...