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第2章 ジャイアントツリーの闇 男爵制裁編

第23話 予定が狂った!とこれだからガキは嫌いだ

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船乗りたちと別れ、サラとクレアの家に戻ることに

「茜ちゃんは、夕飯何か食べたいものはある?」
「ん~?夕飯もお世話になっていいの?」
「もちろん、むしろ泊ってって」

ん~どうするかなぁ今夜襲撃できる準備は整ってるけども…
あとはスラム地下を通る穴から侵入するだけだけども…
まぁいいか、今夜大まかな作戦?を練るか…

「ありがとう、お言葉に甘えて一泊させてください」
「うんうん~泊っていきな、で夕飯はどうする?」
「ん~お刺身がいい!」
「お昼も刺身だったけどいいの?」
「もちろん!」

刺身は何度食べても飽きないし!ただまぁ塩で食べるのがなぁ…
醤油を提供しよう…

サラが魚をさばいてるのを見てると、
無性にさばきたくなってきた
日本に居たころは、父親と釣りもやってたし、親からさばき方は教わってたからなぁ
出来るはず!

「サラ、手伝いたい!」
「え?あぶないよ?」
「大丈夫~大丈夫~多分!」
「多分って…まぁいいか…いいよ見ててあげるからやってみなよ」
「うんうん~ありがとう!」

とりあえず、椅子をもって台所へ…
椅子の上に立ってやり始める…
へぇ~ちゃんと尾の付け根とエラ付近に切り込みが入ってる
血抜きされてるじゃん~

まずは~鱗はがす~鱗はがしなんて便利なもんは無いな…
仕方ない
包丁を使って尾から頭に向かって~滑らせて~取り残しの無いように~
腹びれの近くで切れ込みを入れて~
肛門から~腹びれの切れ込みまで~切先できって~臓器を出す!
頭を落として~血合いが残らないように掃除~
最後に3枚におろして!
最後に皮をはいでおしまい!

多分こんなんでよかった気がする…
あとは、包丁を引きながら~スライス!

…出来上がり!

「サラ、どうかな?」
「上手いね~3枚卸もきっちりやれるじゃん!」
「うち天才だからね!」
「そうだね~天才天才!」

こういうのって、そのまま乗られると何とも言えなくなる…ドヤッって顔すればいい?
個人的には、「はいはい」とかなんか適当に流してほしい

「んじゃもう1匹クレアの分もお願い」
「OKOK!」

同じように処理していく、

………思ったけどこの世界に冷蔵庫みたいなのってあるのかな?

「ねねサラ」
「うん?」
「冷蔵庫みたいなのってあるの?」
「何その冷蔵庫って」
「魚とか冷たい所に置いてないと腐らない?」
「あぁそういうことか、ここに氷が入ってるんだよ」

そういって見せてくれたのは床下収納ボックス…
結構大きいなぁ一人暮らし用の冷蔵庫サイズってところだろうか?

「私は氷適正だからねぇ~毎日切らさないようにしているよ」
「へぇ、教えてくれてありがとう!」

王都の家はどうなってるんだろ収納はありそうだけども…
ってか、この状況じゃ新鮮な魚とか運べないじゃん…
王都まで約2週間…王都で魚とかあきらめなきゃダメなレベルだ…
食べたきゃアイテムボックスに入れて持っていくしか…
定期的に来ることになりそう…

夕食の準備をこのまま手伝いっていると
クレアが帰ってきた。
準備を終えて、3人で食卓を囲む

「んじゃたべましょう」
「いただきます~」
「あかねちゃん、それはなんなのかしら?」
「なんか、命を頂きますって意味って聞いてる、あとは野菜とかを作ってくれた農家さんに対しての感謝の意味も込めて」
「なるほどねぇ、サラ私たちもやりましょうか」
「そうね」
「「「いただきます」」」

夕食の会話は、クレアの事についてだ
クレアの女装趣味?はいつからなのかと聞いてみた
まぁなんでも元々そんな趣味もなく、レジスタンスを立ち上げた頃から、
男爵の関係者の目をそらすためにやり始めたのが板についちゃったとか…
戻れるのそれ…?
やり取りを見てると、
サラは細かいことを気にしないさばさばした性格で、
どちらかってとサラのが男らしいと思えることも…
まぁそういう意味でバランスが取れてるんだろうなぁ…
夕食後は、客間で寝て良いって事だったので案内してもらった。
フローリングの部屋でじかに布団を敷くのか…
畳が恋しい…
日本に居た頃ならテレビ見て~雑誌読んだり、次に行くツーリングルート検索時間だけども…そんなことやらなくなったらやることがない!
今日もめっちゃ濃い1日だったなぁ…ってかこっち来てからは毎日が濃い気がする…

とりあえず、明日の予定を考えておこう…
まずは、
正面から殴り込む!
正面から行くときは、自ら飛び込んできたとか思わせる感じでいいと思う!
そこで暴れる!被害者の子らの救出して…って撤退!
シンプルに行くならこんな感じだろうか…

だけどまぁ、
帝国が裏に居ることを考えるなら関係者全員処理したいところ…

次に!地下道入口から、風魔法に麻酔等の成分を含んだ何らかの気体を充満させていく方法…
地下牢につながっているって言ってたから被害者も巻き込むので命にかかわらないことが前提だろうなぁ…これなら、スラム街地下のやつらと館のやつらを処理できるわけだ…
できたら騒ぎが起きないように片付けてから倉庫の私兵連中の処理って所か…

ユリアの置手紙に3日って書いちゃったし、入学式もあるからさっさと片付けたいな…

いっそのこと今から乗り込むか?被害者の事を考えるならこれなんだよね…

サポートシステム!

(っは!何か御用ですか)

今から殴り込む場合、街の外に出たいんだけど騒ぎを起こさず出る方法ってある?

(肯定、教会の入口付近・スラム街裏手の城壁が非常にもろくなっています。アイテムボックスにがれきを取り込みながら行けば騒ぎも起きずに外に出れます。外に出た後塞ぎなおせば跡も残りません)

教会ってどこよ…

(東通りを北側に抜け城壁沿いにあり、巨木の真下にあります)

大体の場所はわかった!
入口から流す成分ってなにがいい?

(麻酔成分を霧状にして流し込めばよろしいかと、子どもに無影響とイメージすれば万全です)

なるほど、被害者は子どもだしこれで良さそうだね…

んじゃ置手紙を残して出るか…鍵を開けるのもあれだからなぁ…
倉庫や港をみたあそこからなら裏手だし、大丈夫かな、賊とか侵入しにくいでしょ…

んじゃ決行するか…

まずは、

“クレア・サラへ
王都のおうちに帰ります。今までありがとう!また近いうちに遊びに来ます。“

シンプルにこれでいいか
さて窓を開けて…窓辺に登ってっと…
下見るとこれならプロのロッククライマーじゃなきゃ無理だろ…
と思えるような、がけみたいな状態…
そうなると…うちも飛び降りるしかないわけだけども…

イメージで何ともなるなら…
風で自分を浮かせるイメージ
万が一のために身体頑丈化

Let!I can fly!

飛んでみたけど…
うんイメージ足りなかったかな?見事に垂直落下したよ…
強化してなかったらあの世に行ってるか大けがしてた気がする…
ついた先は港エリア…私兵たちのたまり場直ぐ近く…
落下した音が聞こえたんだろうねぇ武装した人たちが寄ってきたわけですが…
予定変更、先に消えてもらおう…

イメージするは、火、うちを認識した人から骨まで消し炭になって!

とりあえず、寄ってきた武装した兵士は、あの世へ旅立っていただく…
これってオート迎撃できる?

(肯定、可能です、認識した瞬間に燃えるので、一般人も巻き込みますが)

だめだそれは!
取り消し取り消し!戦うと音で寄ってくるだろうからなぁ…
極力静かにあの世に旅立っていただきたい…

倉庫事一瞬で消し炭にしてしまえば、倉庫の私兵掃討はクリアできると思うんだ…
これ出来ないかな?

(可能、イメージ次第になります)

さっきイメージしきれなかったのか垂直落下したばっかりだけども‥
失敗することがあるってことだよね…

金目の物とか残して、将来被害者救済とかに使ってもらえるように…

倉庫の外壁屋根と私兵たち限定で一瞬で消し炭になっていただく!
強く強く!念のためにさらに強く!

指パッチン!

シュボッ!

なんて表現したらいいのだろうか、
100円ライターとかで、着火失敗したときみたいに一瞬だけ炎が出た感じだ
それで目の前の倉庫が消えた…イメージ通り消し炭になったわけですが…
設定誤ってたらヤバかった…
だって倉庫内に子どもが数人いるんだもん…
危うく一緒に消し炭にするところだった…

そりゃ目の前の景色が一転したら泣き出すよね…
1人が泣けば、感染したかのように号泣の大合唱…
倉庫内は明かりがともってたのかな…
今は満天の星空だけども…
泣くのやめてくれないかなぁ…
えっと…とりあえず明かりと…
場所知られるからヤダなぁ…
アイテムボックスから、おかしを出してなだめてみるけど…

「ほ~ら、みんな飴ちゃんだぞぉ~泣くのやめたらあげちゃうぞぉ~」

………誰も反応してくれない件!

関西のおばちゃんは、
電車で泣いてる子いたらこうやって泣き止ませるって聞いたけどできないじゃん!
泣きやんでくれない!うるせぇこいつらマジうるせぇ!
これだからガキは嫌いだ!
ったく…予定が狂ってこっちが泣きたいのに…
とりあえず…子どもたちは大きな怪我とか病気はしてないみたいかな
どうしよう…これで離れられなくなった…
麻酔とかで全員眠らしても…おいていくのは忍びない…

困っていると…人が駆けつけてきた…
って、ダグラス!昼間あったダグラスと船員たちじゃん!

「おや?嬢ちゃんじゃねぇか、なにやってんだ?こんな暗い所で」
「見て見て、うち以外にもいるよ!子どもが!」
「あぁいるな?なんでそんなところに子どもがいるんだ?ってか、ここ倉庫がなかったか?」
「その倉庫を消したら子どもが居たの!」
「だからなんでだ?」
「ぇ~子どもがいる理由は、推測だけど奴隷として出荷待ちだったんじゃないかなぁと…」
「ほぅ…ここって男爵の倉庫だったよな?兵士たちが常駐してたと思ったがそいつらは?」
「えっと倉庫共々消し炭になっていただいた感じ?」
「何やってんだ…まぁ男爵は色々黒い話があるからなぁ…奴隷の件も確かあったな…」
「ねぇダグラス、お願いなんだけどさ、この子らを保護してくれない?一晩だけでいいから」

…いや待てよ…保護した後どうするかだ…
警備兵もグルなわけですよ…
頼れる人が居なくない!?クレアたちに任せるか?
ダグラス達の次の出向がいつか知らないけども…公爵の兵士たちが来るまで
居てくれるわけにはいかないだろうし

「一晩でいいなら構わないぞ、3日後には出向するからな、それ以降は無理だ…」

あぁやっぱりか!

「んじゃそれでいいよ、とりあえず何とかして親御さんのところに戻さないとだし、クレアとサラに任せるしかないかな…」
「あぁ昼間の姉ちゃんか」
「うんうん、んじゃまぁ頼んだよ!ちょっとやることできたから!行ってくる!」
「あっ!おい!どこにっ」

とりあえずダッシュでその場から逃げる!
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