【R18】異世界転移少女、イケオジと猫耳プレイする

チーズたると

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「今日は雲行きが怪しいですね。洗濯物、乾くかなぁ」

 窓の外を見上げながら、ノアが呟いた。
 彼女がヴィクトールの家で世話になるようになってから、しばらく。過ごした時間は決して長くはないにもかかわらず、彼女はすっかりとこの家に馴染んでしまっていた。

 本人の順応力が高いのか、それとも単に天然気味なだけなのかは、ヴィクトールにはよくわからない。自身が住んでいた本来の世界とは異なる世界に来てしまうなど、なかなかに過酷な体験だと思うのだが。

 そして、新たな生活に馴染んでいるのはヴィクトールも同様だった。これに関しては、我ながら不思議ではある。

 基本的に、ヴィクトールは人間と交流するのがあまり好きでない。そのはずなのに、知り合ったばかりのノアと共に暮らすことには、とくにストレスを感じてはいなかった。

 彼女が、ヴィクトールに不快感を与えない絶妙な距離を保ってくれているからだろうか。それとも、なにか他に理由があるのか。

 自分でもイマイチそれを明確に理解することが出来ないために、ヴィクトールは密かに首を傾げるばかりなのである。

 そんなことを考えていると、不意に玄関扉がノックされた。
 玄関へ向かおうとするノアを手で制して、ヴィクトールは代わりに玄関へと足を向ける。

「儂が出る」

 言いながら、僅かに不審な思いがあった。
 ヴィクトールは現在、モンスターも数多く住む森に暮らしている。隣人などもちろんいるはずはないし、ひとと交流することが好きではないからそもそも友人も多くない。

 故に、休日にわざわざ訪ねてくる人物が思い浮かばないのである。

 ドアの向こうから敵意を感じないことを確認し、それでも細心の注意を払って、ヴィクトールは玄関の扉をあけた。
 あけた瞬間、場に似つかわしくない無駄に明るい声がヴィクトールを襲う。

「よう! 遊びにきてやったぜ!」

 ドアの先には、見知った顔があった。馴れ馴れしい笑顔は、平日に嫌というほど見る代物である。

 ヴィクトールはなにも見なかったことにして、そっと扉を閉めた。ついでに鍵もかけた。
 ドアの向こうから、相変わらずやかましい声が響く。

「おい、なんで閉めんだよ! 遊びにきたって言ったろ!」

 ドアノブがガチャガチャと激しい音をたて、扉はこぶしに何度も殴打された。それでも、ヴィクトールは玄関をあけることはしない。
 すると、騒ぎを聞きつけてか、ノアが不思議そうな面持ちで顔を覗かせる。

「……ヴィクトールさん、お友達ですか……?」
「なんのことだ」

「えっ……だって、外から声が……」
「声? いや、なにも聞こえんが。お前の幻聴だろう。疲れているのではないか?」

「げ、幻聴……? これ、幻聴なんですか……?」

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