【R18】異世界転移したら老紳士のお世話になることになりまして

チーズたると

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 脳内で白光が閃き、全身が壊れたように痙攣した。

 今まで感じたことのない激しい衝撃は、まるで自分というものがどこかに行ってしまいそうになるほどのなにかを感じさせる。

 それでいながら、癖になりそうな背徳的感覚も持ち合わせていた。

 そんな感覚をこんなふうに受け取るのは、イケナイことなのかもしれない。

 だが、乃亜はたしかに感じてしまった。

 この己を内側から壊しかねない衝撃に対して――気持ちがいいと。いつまでもこの感覚に身をゆだねていたい、と。

 衝撃の余韻に、手足が微かに震えていた。

 荒い呼吸に胸は上下し、自身の目がどこを見ているのか、自分でもわからなくなる。

 思考回路は、なかなか本来の役割を取り戻してはくれなかった。

 上体を起こしたヴィクトールが、半ば人形のようになってしまった乃亜に言う。

「……これが、イくということだ」
「……え……?」

「お前は今、絶頂に至った。果てたんだ」

 未だに動かない頭では、彼の言葉の意味がよく理解できなかった。

 ヴィクトールは僅かに口角をあげる。

「まぁ、体で覚えたほうが早かろう」

 述べて、再び乃亜の下腹部に顔をうずめた。

 乃亜はあわてる。

「ヴィ、ヴィクトールさん、だめ……っ」

 先程の、怖いくらいの快感を思い起こす。立て続けにあんなことをされては、きっとどうにかなってしまうだろう。

 しかし、次に乃亜を襲ったのは、また別の愉悦であった。

「ンぁあっ!」

 最初、乃亜は自分の身になにが起こったのか、よくわからなかった。

 己の中に柔らかいなにかが侵入してくるのを感じ、そうしてそれが、彼の舌だということを知る。

 そう、ヴィクトールの舌が、乃亜のナカに入ってきているのだ。

 初めての経験に、またも乃亜は混乱を覚える。

 これまで情交の体験はなかったものの、それでも、なにをどうするのかということは、なんとなく――なんとなくだが、わかっているつもりだった。曖昧な認識である事実は否めないけれども。

 そんな曖昧な認識に、現実がすさまじい破壊力を伴って追いついてくる。

 つまるところ、今の乃亜は、秘部に舌を挿入されているということなのだった。

 初めての体験の数々に、乃亜は振りまわされ、振り落とされそうになってしまう。現状を受け止めるのが、精一杯であった。

「ぁっ、ん……はっ、あぁ……ッ」

 内部の粘膜がこすられる法悦が、全身に広がっていく。

 自然と肢体が仰け反り、背中がシーツから浮いた。

 己の秘部とヴィクトールの舌が発するいやらしい水音が、室内に響く。その音が自身の陰部から漏れているのだと意識するだけで、下腹部が切なく震えた。

 しかし、そうすると挿入されている相手の舌を締めつけることとなり、ますます彼の舌を意識せざるをえなくなる。

 現在の自分の状況が信じられず、恥ずかしさにいっそ失神してしまいたい気分に陥った。

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