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しおりを挟むヴィクトールの舌が抜き差しを繰り返して、乃亜の過敏な粘膜を刺激する。
「ぁ、あっ……だめです、ナカ……だめぇ……」
どうしてか、そこを擦られると、妙な気持ちになった。
もっと奥まで刺激してほしいと――最奥まで来てほしいと、願ってしまう。
舌では、物足りなくなってしまう。
だが、同時に、そんなふうに考えてしまう己に乃亜は戸惑った。
初めての情交だというのに、こんなことを考えてしまう自分は、はしたないのではないか。そんな不安を、覚えてしまうのだった。
ヴィクトールが、舌を乃亜の秘部から抜く。
見ると、彼の舌からは粘液が垂れ、それが糸を引いていた。
あれは、ヴィクトールの唾液だろうか。
それとも――。
濡れていた下唇を舐めてぬぐったヴィクトールが、薄く笑った。
「とろけた顔をしおってからに」
そんなことを言われても自分がどんな顔をしているのかは確認のしようもないが、それでもそんな表情を見られるのが恥ずかしくて、乃亜は手で自身の顔を隠す。
と、今度は舌よりも細く、それでいて硬いものが陰部に挿入された。
「隠すなと言っただろう」
彼の指が入ってきているのだと察した。
ヴィクトールの長い指が、ぬるぬると奥に進んでくる。
舌では届かなかった深くまで、彼の指が入ってくる。
「ふぁ、あ……ゆび、はいって……」
「慣らさんと入らんからな」
ヴィクトールの指が根元まで挿入され、そうして彼は慎重に抜き差しを開始した。
節くれ立った指がこすれるからか、そうされると、舌で内部を刺激されたとき以上の快感が乃亜を襲う。
「ひぁっ、あっ、ぁアアッ……! ヴィクトールさんのゆび、こすれてる……ッ」
指が深くまで入ってくる感覚にも、出ていく感覚にも、うなじが粟立った。
ヴィクトールが手を動かすたびに、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が繰り返される。
秘部の奥から熱い粘液が溢れていくのが、自分でもわかった。彼の指一本でこんなにも乱れてしまう己に、羞恥を覚える。
「濡らしすぎではないか? ほれ、簡単に二本目の指が入ってしまうではないか」
直後、ナカを擦るものの質量が増し、同時に摩擦の刺激も倍増した。それは、そのまま愉楽の増幅に直結している。
「ンあぁあっ! アッ、ァあああっ! だめぇ、いっぱいこすれちゃうぅ……ッ!」
強い快感に戸惑う己とは裏腹に、乃亜の腰はひとりでに揺れた。法悦が、乃亜の意識と体を切り離していく。
ヴィクトールの長い指に奥まで擦られてどうにかなってしまいそうな意識を置き去りにして、体は勝手に彼の手に腰を押しつけた。
指で奥まで刺激されるたび、魂までとろけていきそうな錯覚に陥る。
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