【R18】異世界転移したら老紳士のお世話になることになりまして

チーズたると

文字の大きさ
21 / 67

21

しおりを挟む


「ヴィクトールさん、まって、おねがいっ! 私、もう……っ」

「この状態で待てとは。なかなか酷なことを言うな」

 微笑し、乃亜の弱い箇所をさぐり出したらしい彼が、熱の塊でそこを重点的に苛む。

 直後、もう何度目になるかわからない絶頂が、またも乃亜を容赦なく襲った。

「ンぁっ、あっ、ぁあアあああンッ!」

 四肢が、腰が、壊れた人形のようにガクガクと跳ねる。

 自分という存在が、どこかに行ってしまいそうだった。

 が、乃亜の絶頂が去るよりも早く、再度ヴィクトールが突き上げてくる。

 とうとう耐えきれなくなった乃亜は腰を折り、上半身を相手の胸に倒して、両腕を彼の首にまわした。

 それは、抱きつくというよりも、縋る動きに近い。

「ごめんなさいヴィクトールさんっ、もうゆるしてぇっ!」

 彼の小さく笑った声が、耳に届いた。

「まったく、虐め甲斐のある娘よな」

 乃亜を抱きしめ、ヴィクトールは揺さぶる動きを続ける。

 律動によって生じるベッドの軋む音が、妙に遠くから聞こえるような気がした。強すぎる法悦が、様々な感覚を狂わせているのだ。

 視界がはっきりとしないのは、にじむ涙のせいか、それとも単に焦点が合わないせいか。

 ヴィクトールが、低く息をつめる。

「……っ、出すぞ」

 次の瞬間、最奥に熱いものが叩きつけられる感覚があった。

 それは、何度も絶頂に至って敏感になった秘部には強すぎる刺激だ。

 乃亜は目を見張る。

「ひぁッ、アァッ、ああァアああッ! きてるっ、あついのいっぱい、おくまできてるぅッ!」

 その刺激にまたも果てた乃亜は、身を仰け反らせた。

 腰がひとりでに、びくびくと痙攣する。

 すると、まるで乃亜の奥の奥にまで白濁を塗り込もうとするかのように、ヴィクトールが腰を押しつけてきた。

 次々と強烈な感覚に襲われ、乃亜は前後不覚になる。

「もうだめぇっ! そんなにされたら、こわれちゃうからぁっ!」

 眉根を寄せたまま、彼が薄く笑った。

「お前、それは無意識か? そんなふうに言われると――」

 ヴィクトールの唇が、乃亜の唇をふさぐ。

 意地悪な舌が乃亜の口内に侵入し、舌を絡め、歯列や口蓋を愛撫して、乃亜からすべてを奪っていった。

 秘部も、口中も彼に満たされて、もはや乃亜はヴィクトール以外のものがわからない。認識できるのは目の前の彼、ただひとりだ。

 唇を離したヴィクトールが、至近距離で囁く。

「――壊したく、なるんだがな……」

 これまでに見たことのない彼の眼差しが、乃亜を穿った。

 熱く、それでいて真っ直ぐで――どうしようもなく「男の目」をしていると、乃亜は感じる。

しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

処理中です...