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しおりを挟む乃亜は腰を引いて快感から逃れようとしたものの、それを許さんとばかりにヴィクトールが迫ってきて、さらに奥を虐めてくる。
刺激に乃亜の背は仰け反り、腰はびくびくと大きく跳ねた。
「やぁああッ! 奥だめぇ! またイッちゃうからぁ……!」
「そんなにここが好きか」
腰を引いた彼が、乃亜の深奥をやや強く突き上げる。
その刹那、乃亜は声もあげられずに絶頂に至った。
それはこれまでよりも小さな絶頂であったけれども、それでも胸をも同時に苛まれている現状では、鮮烈な快感であることに変わりはない。
が、乃亜が果ててもなお、ヴィクトールの律動は止まらなかった。
彼は、達して敏感になった秘部の奥を、熱の塊で何度も何度も突き上げる。
乃亜は、目の前に火花が散る幻覚を見た気がした。
「ひっ、ァああっ! まって、ヴィクトールさんまって! もうイッた、イきましたからぁ!」
最奥を貫かれるたびに、軽い絶頂が幾度も乃亜に襲い掛かる。
うまく呼吸が出来なくなった乃亜は、相手に制止を訴えて髪を振り乱した。もはや、言葉を話すことさえ困難であった。
ようやく乃亜の状態に感付いたらしいヴィクトールが、動きを止める。
「……なんだ。お前、果て続けているのか?」
息も絶え絶えになりながら、乃亜は重い体をなんとか動かして首肯した。浅く頷く動作さえもが億劫だった。
しかし、彼が許してくれることはない。
「すまんが、もう少し耐えてもらうぞ。まだ儂が果てとらん」
言うと、彼は突然、乃亜を抱き起こした。
乃亜の背に腕をまわして抱いたまま上体を後ろに倒したヴィクトールは、ベッドに背中から沈む。乃亜に覆いかぶさる体勢から、シーツに横たわる体勢へと移行したのだ。
故に、乃亜は彼に挿入されたままの状態で、ヴィクトールに馬乗りになることとなる。
彼が体勢を変えた拍子に内部がこすられ、馬乗りになることで怒張が先程以上に深く沈んだ。
自分の体重がますます昂りを奥まで受け入れることとなり、乃亜は刺激に喉を反らせる。
「あぁァんっ!」
熱の塊が、信じられないほどの深みにまで到達している。
それだけで、乃亜の手足は軽く震えた。
頭が奥まで甘く痺れて、胸の突起がじんじんと疼く。
それらを受け止めるだけで乃亜は精一杯だというのに、ヴィクトールは乃亜の腰を両手で掴んで固定すると、あろうことか、そのまま激しく突き上げてきた。
「アぁああアアッ!」
目の奥で電気が弾けるふうな、暴力的なまでの快感。
体全部が、この快感に支配されているのが嫌というほどわかった。
なにかを考える余裕など、あるわけもない。
乃亜はただ、この愉楽の激流に翻弄されるのみである。
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