42 / 67
19
しおりを挟む乃亜は素直にそうくちにしたが、しかしヴィクトールは素知らぬふりをする。
「なにがだ」
乃亜の嘘を責めはするくせに、そうやってしらばくれて意地悪をするのだ。
乳首を弄る彼の手は、止まらない。
乃亜はヴィクトールに虐められるより他なかった。
「おっぱいだけで、気持ちよくなって……イッちゃいましたぁ……ッ」
自身の肉体の淫らさを告白する、羞恥心。その感情が、また秘所を甘く痺れさせた。
愛液が下着を濡らす感触すら、今の乃亜を煽る材料となる。
乃亜の告白を聞いた彼が、ようやく満足げに言う。
「……おりこうさんだ」
そうやって乃亜を褒めはするのに、どうしてか、ヴィクトールはいつまで経っても尖りを苛む手を止めてはくれない。
乃亜は身をよじった。
「ヴィクトールさん、もうおっぱいヤだぁ……!」
「果てるほど気持ちがいいのだろう。かまわんじゃないか」
彼の指が器用に緩急をつけて、突起をこねる。
ひとりでに揺れる腰は、止まらない。飲み込みきれない唾液が、乃亜の唇から伝い落ちておく。
――気持ちいい。
そんな思いで、思考が塗り潰されていった。
でも、足りない。もっと、己をめちゃくちゃに乱す快感が欲しい。なにも、わからなくなりたい。
再び、絶頂の余韻が迫ってきた。
「は、ッあ……だめ、また……」
「イくか?」
「イくっ、イッちゃいます……私また、おっぱいだけで……っ」
ヴィクトールの手が、乳首を軽く引っぱった。
その刺激が、法悦の頂に直結する。
「ぁ、ッあ……ぁああアあぁぁッ!」
四肢をびくびくと震わせて、乃亜は達した。先程よりも、絶頂の波は大きかった。
熱い愛液が、また溢れていくのがわかる。きっともう、下着はびしょ濡れだろう。
絶頂後の空白が、心地好い。いや、絶頂後の空白までもが――気持ちよかった。
大きな快感に思考は奪われ、果てた余韻が甘く残るこの瞬間。
苦しい呼吸さえも愉悦となりえるような、頭の奥を疼かせる痺れにさえも恍惚としてしまうような。
そんな感覚が癖になってしまいそうで、少し怖い。怖いのに、また欲しくなる。何度でも、欲しくなる。
ヴィクトールの手が、ようやく胸から離れた。彼は笑みを含みながら言う。
「触手の粘液で過敏になっているとはいえ……感度のよい娘よな」
ヴィクトールの手が、今度は下腹部に触れた。乳首をさんざん虐めた指先が、今度は下着越しに優しく陰部を撫でる。
「ふぁ……」
待ち望んでいた箇所への刺激に、乃亜は思わず期待の吐息を零した。
軽くひと撫でされただけで、そこがひくひくと蠢いてしまうのがわかる。
32
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる