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それからは、また昨日おとといと同じ紅のイヴニングドレスを着させられ、夜になると馬車に乗り、宮殿の舞踏会に参加した。
「3回目か…」
ノエルはまた、侯爵令嬢と伯爵令嬢の口論を見て溜息をついた。やはり口論の内容も口ぶりも全く同じだ。そしてこの後、背後からジュリオスに声をかけられるはず。
「ノエル、私が踊ってやってもいいぞ?」
ああ…本当に昨日と同じだわーーノエルは大きく溜息をついて振り返ると、やはりジュリオスが笑みを浮かべて立っている。
「どうして私なんかを誘うんですか?」
ノエルは昨日と違うことを言ってみた。本心では口を聞きたくもなかったが。
「え、いや…それはあれだ、その、あれなんだ!色々あってだな!とにかくこの私が踊ってやると言っているんだぞ!?王太子の私が!」
ジュリオスは耳を赤らめながら身振り手振り激しく何か言っていた。昨日までと違う反応のジュリオスをノエルは目を丸くして見つめていたが、流れは変わらないようだ。
「他の方を当たってみては?」
ノエルは仮面のような作り笑顔を浮かべながらそう言って背を向けた。何を言われようがノエルはジュリオスと踊る気はなかった。ノエルにとってジュリオスが最も嫌いな男であることは、何度昨日を繰り返そうとも変わりない。
昨日までと同じくさっさと立ち去るノエル、慌てて追うジュリオス。ノエルはジュリオスなどお構い無しに馬車に乗り込み、帰ってくるなりドレスのままベッドに突っ伏して眠りについた。昨日でなく明日が来ることを望みながら。
ーーー…
「おはようございます!お嬢様!!」
ノエルは勢いよく飛び起きた。メイドの第一声が昨日までと違う。これはついに新しい明日が来たのかもしれない。ノエルは期待を胸に抱き、自身の胸元に視線を落とす。
…昨日までと同じネグリジェだ。淡い桃色のお気に入りのネグリジェ。そしてカーテンを勢いよく開けるメイドの二言目にノエルはうなだれる。
「今夜は舞踏会でございますよ!!」
まただ、またこの朝がやってきた。
「3回目か…」
ノエルはまた、侯爵令嬢と伯爵令嬢の口論を見て溜息をついた。やはり口論の内容も口ぶりも全く同じだ。そしてこの後、背後からジュリオスに声をかけられるはず。
「ノエル、私が踊ってやってもいいぞ?」
ああ…本当に昨日と同じだわーーノエルは大きく溜息をついて振り返ると、やはりジュリオスが笑みを浮かべて立っている。
「どうして私なんかを誘うんですか?」
ノエルは昨日と違うことを言ってみた。本心では口を聞きたくもなかったが。
「え、いや…それはあれだ、その、あれなんだ!色々あってだな!とにかくこの私が踊ってやると言っているんだぞ!?王太子の私が!」
ジュリオスは耳を赤らめながら身振り手振り激しく何か言っていた。昨日までと違う反応のジュリオスをノエルは目を丸くして見つめていたが、流れは変わらないようだ。
「他の方を当たってみては?」
ノエルは仮面のような作り笑顔を浮かべながらそう言って背を向けた。何を言われようがノエルはジュリオスと踊る気はなかった。ノエルにとってジュリオスが最も嫌いな男であることは、何度昨日を繰り返そうとも変わりない。
昨日までと同じくさっさと立ち去るノエル、慌てて追うジュリオス。ノエルはジュリオスなどお構い無しに馬車に乗り込み、帰ってくるなりドレスのままベッドに突っ伏して眠りについた。昨日でなく明日が来ることを望みながら。
ーーー…
「おはようございます!お嬢様!!」
ノエルは勢いよく飛び起きた。メイドの第一声が昨日までと違う。これはついに新しい明日が来たのかもしれない。ノエルは期待を胸に抱き、自身の胸元に視線を落とす。
…昨日までと同じネグリジェだ。淡い桃色のお気に入りのネグリジェ。そしてカーテンを勢いよく開けるメイドの二言目にノエルはうなだれる。
「今夜は舞踏会でございますよ!!」
まただ、またこの朝がやってきた。
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