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慈海はつい最近、小さい頃からずっと好きだった鎮雄と恋人になった。だが、鎮雄は出家してる僧侶で、慈海は寺息子。
恐らく、父喜海の跡を継いで住職になる身。本来ならば許されない関係だろう。
──でも、好きなんだよなぁ……
「ねぇ鎮雄さん、あんた なんで出家なんかしたの?」
離れにある慈海の部屋で激しく絡み合って、ぐったりと腕のなかに収まる恋人へ声をかけると、少し言いにくそうに「昔色々……あったんですよ」とだけ鎮雄は答えた。
「言いたくないなら別に良いけど。そいやさ、あんたの俗名(元々の名前)は?」
「……そんな事より、もう終わりですか?」
「……冗談。大学生の性欲舐めんなよ?」
「ふふ、私はもういい歳なので 御手柔らかにお願いします」
明らかに話をそらされた事には気付いたが、言いたくないなら言いたくなるまで愛してやろうとトブまで抱き潰した。
翌日目が覚めると、見慣れぬ部屋で寝ていた。
「……ん……さむ……ん~」
慌てて起き上がると、背後から聞こえて来たのはまだ少し若い男性の声で、ドキドキと心臓を嫌な音を立てさせながらゆっくりと振り返った。
そこに居たのはいつもより皺がなく、腹筋が自分よりも割れていて、寝ているだけなのに色気のある若い鎮雄だった。
「え……? 鎮雄さん、あんたなんで若返ったの?」
「んん~……ッ!? えっ喜海様!? なんで俺の布団に!?」
驚きのあまりゆすり起こすと、気怠げに起きた鎮雄は慈海の顔を見た瞬間赤面しながら慌てて身なりをサッと整えた。
──なんだよその反応……なんで俺じゃなくて親父の名前なんだよ。
「俺、喜海じゃなくて慈海だけど? 昨日俺に抱かれすぎて頭バグった? それにしても名前間違えるとか酷くない?」
「えっ……? は? バグ? いや、抱かッ?!…………」
酷く慌てた様子の鎮雄が慈海の顔から半裸の凛々しい上半身を舐めるように見た後、さらにゆっくりと下へ視線を落として……朝だと言うのに雄峰が出来上がっている慈海を少し物欲しそうに眺めたあと、自身を律するように首を左右に振った。
「俺、いや、私は出家した身。まさか男性の貴方様に抱かれるだなんて事は……ございません。喜海様で無いとすれば どなたかは存じ上げませんが、なぜここに? 喜海様に似ていらっしゃるようですが……御親族のお方ですか?」
本当に何も分からずに混乱している様子で布団から出ると、身なりをしっかり整えて深呼吸をしてから、畳に正座して慈海と向き合った。
───何だよ知らない人って。昨日あんなに気持ち良さそうにしてたくせに。それに親父の事ばっかり言いやがって……ムカつく。
「は? 何言ってんの? つーか、さっきからなんなの? 喜海喜海ってさ……なに? あんた親父のこと好きだったの?」
「好っ!? もちろん尊敬してらっしゃる喜海様の事は、もちろん、お慕いしておりますが、それはその……違うと言うか、そ、そんな事より! あいつだなんて失礼ですよ!」
───益々ムカつく。え?何?俺と付き合ってるんじゃ無かったの?俺の顔がアイツに似てるからなの?つーか、あんなしわくちゃじじいになんか似てねぇし。
「へぇー……じゃあなに? 昨日のセックスは親父の代わりだったって事? はっ、ふざけんなよクソ坊主」
慈海は半裸のまま立ち上がり、怒りに任せた捨て台詞を吐くと部屋を出ていった。
残された鎮雄はと言えば、しばし驚き呆けた顔で慈海の後ろ姿を見送っていたが、ハッと時計を確認すると開門の時間が迫っていた。
「やべっ! 急がなきゃ! つーかなんだよあのエロい身体のガキ。顔はすげぇ喜海様に似てたのに全然ちげぇし クソ坊主とか言われたし…そもそも、俺アイツに抱かれてなんかねぇよな? ケツも違和感ねぇし……ご無沙汰すぎてむしろ抱きてぇっつーの~」
1人ぶつくさと呟きながら袈裟を着ると 開門作業へと急いだ。
恐らく、父喜海の跡を継いで住職になる身。本来ならば許されない関係だろう。
──でも、好きなんだよなぁ……
「ねぇ鎮雄さん、あんた なんで出家なんかしたの?」
離れにある慈海の部屋で激しく絡み合って、ぐったりと腕のなかに収まる恋人へ声をかけると、少し言いにくそうに「昔色々……あったんですよ」とだけ鎮雄は答えた。
「言いたくないなら別に良いけど。そいやさ、あんたの俗名(元々の名前)は?」
「……そんな事より、もう終わりですか?」
「……冗談。大学生の性欲舐めんなよ?」
「ふふ、私はもういい歳なので 御手柔らかにお願いします」
明らかに話をそらされた事には気付いたが、言いたくないなら言いたくなるまで愛してやろうとトブまで抱き潰した。
翌日目が覚めると、見慣れぬ部屋で寝ていた。
「……ん……さむ……ん~」
慌てて起き上がると、背後から聞こえて来たのはまだ少し若い男性の声で、ドキドキと心臓を嫌な音を立てさせながらゆっくりと振り返った。
そこに居たのはいつもより皺がなく、腹筋が自分よりも割れていて、寝ているだけなのに色気のある若い鎮雄だった。
「え……? 鎮雄さん、あんたなんで若返ったの?」
「んん~……ッ!? えっ喜海様!? なんで俺の布団に!?」
驚きのあまりゆすり起こすと、気怠げに起きた鎮雄は慈海の顔を見た瞬間赤面しながら慌てて身なりをサッと整えた。
──なんだよその反応……なんで俺じゃなくて親父の名前なんだよ。
「俺、喜海じゃなくて慈海だけど? 昨日俺に抱かれすぎて頭バグった? それにしても名前間違えるとか酷くない?」
「えっ……? は? バグ? いや、抱かッ?!…………」
酷く慌てた様子の鎮雄が慈海の顔から半裸の凛々しい上半身を舐めるように見た後、さらにゆっくりと下へ視線を落として……朝だと言うのに雄峰が出来上がっている慈海を少し物欲しそうに眺めたあと、自身を律するように首を左右に振った。
「俺、いや、私は出家した身。まさか男性の貴方様に抱かれるだなんて事は……ございません。喜海様で無いとすれば どなたかは存じ上げませんが、なぜここに? 喜海様に似ていらっしゃるようですが……御親族のお方ですか?」
本当に何も分からずに混乱している様子で布団から出ると、身なりをしっかり整えて深呼吸をしてから、畳に正座して慈海と向き合った。
───何だよ知らない人って。昨日あんなに気持ち良さそうにしてたくせに。それに親父の事ばっかり言いやがって……ムカつく。
「は? 何言ってんの? つーか、さっきからなんなの? 喜海喜海ってさ……なに? あんた親父のこと好きだったの?」
「好っ!? もちろん尊敬してらっしゃる喜海様の事は、もちろん、お慕いしておりますが、それはその……違うと言うか、そ、そんな事より! あいつだなんて失礼ですよ!」
───益々ムカつく。え?何?俺と付き合ってるんじゃ無かったの?俺の顔がアイツに似てるからなの?つーか、あんなしわくちゃじじいになんか似てねぇし。
「へぇー……じゃあなに? 昨日のセックスは親父の代わりだったって事? はっ、ふざけんなよクソ坊主」
慈海は半裸のまま立ち上がり、怒りに任せた捨て台詞を吐くと部屋を出ていった。
残された鎮雄はと言えば、しばし驚き呆けた顔で慈海の後ろ姿を見送っていたが、ハッと時計を確認すると開門の時間が迫っていた。
「やべっ! 急がなきゃ! つーかなんだよあのエロい身体のガキ。顔はすげぇ喜海様に似てたのに全然ちげぇし クソ坊主とか言われたし…そもそも、俺アイツに抱かれてなんかねぇよな? ケツも違和感ねぇし……ご無沙汰すぎてむしろ抱きてぇっつーの~」
1人ぶつくさと呟きながら袈裟を着ると 開門作業へと急いだ。
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