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第14話
別のボスキャラの登場!
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三条実花さんが、きゅうりさんに会いに来た日、
それ以後のきゅうりさんは、
いつもどおりの優しくて、穏やかなきゅうりさんですが、
ふとした瞬間に、悲しいそうな…切なそうな…寂しそうな…横顔を
みせるような気がしていました。
私が、実花さんときゅうりさんの対面を近くで目撃したことにより、
ただ単に、私がそのように感じるだけかもしれませんが…
それでも、日常は、日々、淡々と通り過ぎていきました…
何事もなかったかのように…
そう、私の心に変化があるだけなのです…きっと。
きゅうりさんは、個人経営の【待合室書店】だからこそ、
できることを…ゆっくり…淡々と
緩やかな時間の中で、進めていきました。
私の心のつぶやきの「ボスキャラの登場!」以後、
実花さんが、たまに書店を訪れることが、多くなりました。
…というよりも、きゅうりさんに会いに来る回数が増えたと…
いっていいと思います。
「美咲さん、これ少しだけど…あとで潤矢さんと食べて…」
と…並ばないと買えないロールケーキや和菓子を差し入れてくれます。
私は、「いつもありがとうございます」
と…丁寧にお礼をいうだけでした。
初対面で、お会いしたときの実花さんのあの表情を、
今でも忘れることができないからだと思います。
実花さんは、私より少し身長は高いくらいなのに、
初めてお会いしたときは、あのオーラで、
大きな存在に感じたからです。
でも、お会いする回数が増えるごとに、
次第に柔和になっていくように…
感じるのは、やはり、きゅうりさんの存在かな?…と思います。
お二人が一緒にいるところをみると、きゅうりさんよりも、
実花さんの態度が明らかに、
きゅうりさんに好意があるな~?とわかるのです。
私の勝手な妄想かもしれませんが…
きゅうりさんは、いつもどおりマイペースなので、
実花さんの想いには気づいていないと、思います。
きゅうりさんらしいです。
私は、二人が話している窓際の席に、
お茶と実花さんのお土産を持って行くと…
「ここ、いつも暇そうだけど…売上げはあるの?
もし、忙しくなったら、税の申告とかの管理してやってもいいわよ…
安くしとくから…」
「大丈夫。今のところ自分でできる範囲の事務量しかないから…
まあ、できないときは、甘えるかもしれないけど…」
「そうね。美咲さんのお給料を払えるんだったら大丈夫ね。
もし、美咲さんのお給料が出せなくなったら、美咲さんを
うちの税理士事務所であずかってもいいのよ…」
と…
二人の会話が聞こえてきました。
(むり、むり、むり、むーり。実花さんの目力で見つめられると、
私は気になって、仕事ができませんよ、きっと…)
と…思いながら、そのときは、笑顔を装ったのです。
実花さんが、このように何度、書店を訪れるようになって、
女性ボスキャラに、だいぶん慣れてきたな~と感じてきたころでした…
そんなある日のこと…
別のタイプの女性ボスキャラが登場したのでした。
あれは、良く晴れた日の夕方の時間帯でした。
突然、訪れてきた女性のいでたちは、庶民の私からみると…
異次元級でした。
170センチ以上の細身の長身に、グレーのハイヒールを履いて、
完全に特注であろう、仕立ての良いオフホワイトのパンツスーツに、
ライトグリーンのシャツ、
エルメスのバーキンにエルメスのHウッチとまさに富裕層。
(ぱっと見たときは、
高級そうなバックと腕時計としか認識できなかったので、
後で、スマホで検索してみました…)
ヘアスタイルは、ミデイアムロングで、
くっきりと目鼻立ちの整っていて、上品さのある…
お嬢様の雰囲気を醸し出していました。
私は、まさか…イケメンオレ様の奥様か~?と思いました。
すると…
「西山学園高校の理事長の新堂と申しますが、
柊野さんはいらっしゃいますでしょうか?
校長が事前にご連絡していたようなのですが…」
と私に目線を合わせて、尋ねられました。
私は、実花さんとは、違った威圧感を感じながら、
「奥にいると思いますので、呼んできますので、お待ちください」
というと…黙ってうなずかれました。
しばらくして、きゅうりさんの姿をみるなり、
「潤矢さん、ご無沙汰しております。
先日は、校長が失礼しました。
私は諦めが悪い性分なので、出直してきました」
と丁寧な挨拶をされると、きゅうりさんは、
「理事長さんに、直々にわざわざ出向いてもらって、
申し訳ないのですが。返事に変わりはないです。
そのように、校長先生に伝えたはずなのですが…」
と、いつもより真剣な表情で、理事長の新堂さんをみつめています。
「わかっています。でも、どうしてもお願いしたいのです。
あなたは、人としても、教員として、
とても優秀だと私は評価しています。
うちの学園には、あなたの力が必要なのよ、
わかってもらえないかしら?」
と説得を繰り返す理事長の新堂さんに、
「それは、あなたの買い被りですよ。
今のボクは、ただの書店のオヤジですよ」
と、きゅうりさんは首を縦にはふりません。
それでも、理事長の新堂さんは引かず…
「お願いします。この通りです」と深々と…頭を下げた。
「やめてくださいよ、桜子さんらしくない…
どうぞ、頭をあげてください」
と…ゆっくり、優しくきゅうりさんがお願いすると…
「やはり無理ですか…
結花さんのことは、私も、今でも残念なことだった思っています。
今さらお願いできる立場でもないことも、理解しているつもりです。
でも、あなたに力になっていただければ、
校長とさらに良い学園にできるのではないか?と思ったのです。
ごめんなさい。私の気持ちばかり優先しているようで…」
「いいえ、大丈夫ですよ。
理事長というお立場なら、
私も同じことをするかもしれませんからね」
と…
そのとき、気が付くと、実花さんが、
いつの間にか、書店内の私たちから少し離れた場所にいたのです。
私は、びっくりしましたが、
きゅうりさんは、落ち着いた様子で、
「実花ちゃん?」と少し離れた実花さんに声をかけたのです。
新堂さんも、後ろを振り返り、実花さんに…
「結花さんの妹さんでしたよね…ご葬儀のとき以来ですね。
ご無沙汰しております」
と、深々と頭を下げました。
「いえ、その節は、姉がお世話になりました」
実花さんが書店に現れたことにより、
理事長の新堂さんも諦めたのか…
きゅうりさんの方を向きなおして、
「ご迷惑をおかけしました。では、私は、この辺で失礼しますね」
と書店を出ていかれました。
「実花ちゃん、ありがとう。助かったよ。
美咲さん、少し疲れたので、また、奥にいるね」
と一人で奥の昔の診察室へ入っていきました。
実花さんは、私に近づいてきて、
「これ駅前のケーキ屋さんで売っている蜂蜜入りのシュークリーム、
後で、潤矢さんと食べなさい」
と…実花さんは、いつものボスキャラに戻っていました。
「もう、こんなときだけ、連絡してきて…」
と、ボスキャラ実花さんは、ご機嫌ななめのようでした。
「実花さん、どうかされましたか?」
私の質問に…ため息をつきながら…
「少し長くなるかもしれないけど…話してもいい?」
と…実花さんが真剣なまなざしで、私を見つめるので、
私は頷くしかなかったのです。
それから、実花さんは、レジの近くの椅子に座って、
ゆっくりと語り始めました。
「結花姉さんが、学園で教師をしていた頃、
まだ、あの理事長は、一人の教師だったのよ。
前の理事長の一人娘だったからね。
同じころに学園に採用された結花姉さんと
新堂渉と柊野潤矢がいたのよ。
表に出て目立つ、要領の良いタイプの新堂渉と…
目立たない、地道な要領の悪いタイプの柊野潤矢。
前の理事長は、一人娘の桜子と新堂との結婚を望んでいたの。
でも、西山桜子お嬢様は、柊野潤矢に想いや寄せていた…。
でも、あの不器用な潤矢さんは、生徒と向き合うことで、精一杯で、
お嬢様の気持ちには、全く気付いていなかったみたい…
バカな奴…と結花姉さんは呆れていたの…
桜子お嬢様は何であんなバカを好きになったんだろうか?
と…ずっと思っていたみたい。
でも、要領は悪いけど、地道に、一生懸命に生きている潤矢さんを
遠くから見ていたら…結花姉さんの心の中にもいつの間にか…
潤矢さんがいたみたい。
自分を犠牲にしてまで、生徒のことを思いやるようなところが
あるから…あのバカは…って、
結花姉さんは、よくいっていたの。
潤矢さんは、結花姉さんの気持ちには一生気づかないだろうから…
って、結花姉さんは、自分から告白したのよ。
情熱的よね、結花姉さんは…
でも、そうさせたのは、
潤矢さんの力が抜けていて、
何を考えているのかわからないけど、
表に出さない深い愛とあの微笑が、
魅力的だったんだって…
結花姉さんは、結婚が決まってから、嬉しそうに話していたの…
今でも、当時のことはよく覚えているわ…
結婚が決まってからも、二人は極秘にお付き合いをしていたの…
知っていたのは、当時の理事長と校長だけ…
たぶん、他は誰も知らなかった。
結花姉さんが、事故死してから、皆、知ったことだから…
事故前ね。結花姉さん、生徒のことで遅くまで残業していたみたい…
結構、疲れていたみたいだったから…
双子が何とか…とかいってけど、
仕事のことだから、深くは聞いていないけど…
でも、もう、結花姉さんはいないの。
もっと話したかったのに…
で、そのあと、お嬢様と新堂は結婚したの…悲しいことにね」
と…実花さんは、うっすらと涙を浮かべていて、
その涙が光っていました。
それに応えるように…
私のネックレスのアクアマリンも光ったのです。
しばらくすると…
きゅうりさんが、私たちの近くに寄ってきました。
「あ、今日は、シュークリームじゃん、
実花ちゃん、いつもありがとうね」
と何も無かったように、微笑んでいました。
その微笑に応えるように…
また、私のネックレスのアクアマリンも光ったのです。
気付いたときには、書店の窓の向こうは、
すっかり、暗くなっていました。
それ以後のきゅうりさんは、
いつもどおりの優しくて、穏やかなきゅうりさんですが、
ふとした瞬間に、悲しいそうな…切なそうな…寂しそうな…横顔を
みせるような気がしていました。
私が、実花さんときゅうりさんの対面を近くで目撃したことにより、
ただ単に、私がそのように感じるだけかもしれませんが…
それでも、日常は、日々、淡々と通り過ぎていきました…
何事もなかったかのように…
そう、私の心に変化があるだけなのです…きっと。
きゅうりさんは、個人経営の【待合室書店】だからこそ、
できることを…ゆっくり…淡々と
緩やかな時間の中で、進めていきました。
私の心のつぶやきの「ボスキャラの登場!」以後、
実花さんが、たまに書店を訪れることが、多くなりました。
…というよりも、きゅうりさんに会いに来る回数が増えたと…
いっていいと思います。
「美咲さん、これ少しだけど…あとで潤矢さんと食べて…」
と…並ばないと買えないロールケーキや和菓子を差し入れてくれます。
私は、「いつもありがとうございます」
と…丁寧にお礼をいうだけでした。
初対面で、お会いしたときの実花さんのあの表情を、
今でも忘れることができないからだと思います。
実花さんは、私より少し身長は高いくらいなのに、
初めてお会いしたときは、あのオーラで、
大きな存在に感じたからです。
でも、お会いする回数が増えるごとに、
次第に柔和になっていくように…
感じるのは、やはり、きゅうりさんの存在かな?…と思います。
お二人が一緒にいるところをみると、きゅうりさんよりも、
実花さんの態度が明らかに、
きゅうりさんに好意があるな~?とわかるのです。
私の勝手な妄想かもしれませんが…
きゅうりさんは、いつもどおりマイペースなので、
実花さんの想いには気づいていないと、思います。
きゅうりさんらしいです。
私は、二人が話している窓際の席に、
お茶と実花さんのお土産を持って行くと…
「ここ、いつも暇そうだけど…売上げはあるの?
もし、忙しくなったら、税の申告とかの管理してやってもいいわよ…
安くしとくから…」
「大丈夫。今のところ自分でできる範囲の事務量しかないから…
まあ、できないときは、甘えるかもしれないけど…」
「そうね。美咲さんのお給料を払えるんだったら大丈夫ね。
もし、美咲さんのお給料が出せなくなったら、美咲さんを
うちの税理士事務所であずかってもいいのよ…」
と…
二人の会話が聞こえてきました。
(むり、むり、むり、むーり。実花さんの目力で見つめられると、
私は気になって、仕事ができませんよ、きっと…)
と…思いながら、そのときは、笑顔を装ったのです。
実花さんが、このように何度、書店を訪れるようになって、
女性ボスキャラに、だいぶん慣れてきたな~と感じてきたころでした…
そんなある日のこと…
別のタイプの女性ボスキャラが登場したのでした。
あれは、良く晴れた日の夕方の時間帯でした。
突然、訪れてきた女性のいでたちは、庶民の私からみると…
異次元級でした。
170センチ以上の細身の長身に、グレーのハイヒールを履いて、
完全に特注であろう、仕立ての良いオフホワイトのパンツスーツに、
ライトグリーンのシャツ、
エルメスのバーキンにエルメスのHウッチとまさに富裕層。
(ぱっと見たときは、
高級そうなバックと腕時計としか認識できなかったので、
後で、スマホで検索してみました…)
ヘアスタイルは、ミデイアムロングで、
くっきりと目鼻立ちの整っていて、上品さのある…
お嬢様の雰囲気を醸し出していました。
私は、まさか…イケメンオレ様の奥様か~?と思いました。
すると…
「西山学園高校の理事長の新堂と申しますが、
柊野さんはいらっしゃいますでしょうか?
校長が事前にご連絡していたようなのですが…」
と私に目線を合わせて、尋ねられました。
私は、実花さんとは、違った威圧感を感じながら、
「奥にいると思いますので、呼んできますので、お待ちください」
というと…黙ってうなずかれました。
しばらくして、きゅうりさんの姿をみるなり、
「潤矢さん、ご無沙汰しております。
先日は、校長が失礼しました。
私は諦めが悪い性分なので、出直してきました」
と丁寧な挨拶をされると、きゅうりさんは、
「理事長さんに、直々にわざわざ出向いてもらって、
申し訳ないのですが。返事に変わりはないです。
そのように、校長先生に伝えたはずなのですが…」
と、いつもより真剣な表情で、理事長の新堂さんをみつめています。
「わかっています。でも、どうしてもお願いしたいのです。
あなたは、人としても、教員として、
とても優秀だと私は評価しています。
うちの学園には、あなたの力が必要なのよ、
わかってもらえないかしら?」
と説得を繰り返す理事長の新堂さんに、
「それは、あなたの買い被りですよ。
今のボクは、ただの書店のオヤジですよ」
と、きゅうりさんは首を縦にはふりません。
それでも、理事長の新堂さんは引かず…
「お願いします。この通りです」と深々と…頭を下げた。
「やめてくださいよ、桜子さんらしくない…
どうぞ、頭をあげてください」
と…ゆっくり、優しくきゅうりさんがお願いすると…
「やはり無理ですか…
結花さんのことは、私も、今でも残念なことだった思っています。
今さらお願いできる立場でもないことも、理解しているつもりです。
でも、あなたに力になっていただければ、
校長とさらに良い学園にできるのではないか?と思ったのです。
ごめんなさい。私の気持ちばかり優先しているようで…」
「いいえ、大丈夫ですよ。
理事長というお立場なら、
私も同じことをするかもしれませんからね」
と…
そのとき、気が付くと、実花さんが、
いつの間にか、書店内の私たちから少し離れた場所にいたのです。
私は、びっくりしましたが、
きゅうりさんは、落ち着いた様子で、
「実花ちゃん?」と少し離れた実花さんに声をかけたのです。
新堂さんも、後ろを振り返り、実花さんに…
「結花さんの妹さんでしたよね…ご葬儀のとき以来ですね。
ご無沙汰しております」
と、深々と頭を下げました。
「いえ、その節は、姉がお世話になりました」
実花さんが書店に現れたことにより、
理事長の新堂さんも諦めたのか…
きゅうりさんの方を向きなおして、
「ご迷惑をおかけしました。では、私は、この辺で失礼しますね」
と書店を出ていかれました。
「実花ちゃん、ありがとう。助かったよ。
美咲さん、少し疲れたので、また、奥にいるね」
と一人で奥の昔の診察室へ入っていきました。
実花さんは、私に近づいてきて、
「これ駅前のケーキ屋さんで売っている蜂蜜入りのシュークリーム、
後で、潤矢さんと食べなさい」
と…実花さんは、いつものボスキャラに戻っていました。
「もう、こんなときだけ、連絡してきて…」
と、ボスキャラ実花さんは、ご機嫌ななめのようでした。
「実花さん、どうかされましたか?」
私の質問に…ため息をつきながら…
「少し長くなるかもしれないけど…話してもいい?」
と…実花さんが真剣なまなざしで、私を見つめるので、
私は頷くしかなかったのです。
それから、実花さんは、レジの近くの椅子に座って、
ゆっくりと語り始めました。
「結花姉さんが、学園で教師をしていた頃、
まだ、あの理事長は、一人の教師だったのよ。
前の理事長の一人娘だったからね。
同じころに学園に採用された結花姉さんと
新堂渉と柊野潤矢がいたのよ。
表に出て目立つ、要領の良いタイプの新堂渉と…
目立たない、地道な要領の悪いタイプの柊野潤矢。
前の理事長は、一人娘の桜子と新堂との結婚を望んでいたの。
でも、西山桜子お嬢様は、柊野潤矢に想いや寄せていた…。
でも、あの不器用な潤矢さんは、生徒と向き合うことで、精一杯で、
お嬢様の気持ちには、全く気付いていなかったみたい…
バカな奴…と結花姉さんは呆れていたの…
桜子お嬢様は何であんなバカを好きになったんだろうか?
と…ずっと思っていたみたい。
でも、要領は悪いけど、地道に、一生懸命に生きている潤矢さんを
遠くから見ていたら…結花姉さんの心の中にもいつの間にか…
潤矢さんがいたみたい。
自分を犠牲にしてまで、生徒のことを思いやるようなところが
あるから…あのバカは…って、
結花姉さんは、よくいっていたの。
潤矢さんは、結花姉さんの気持ちには一生気づかないだろうから…
って、結花姉さんは、自分から告白したのよ。
情熱的よね、結花姉さんは…
でも、そうさせたのは、
潤矢さんの力が抜けていて、
何を考えているのかわからないけど、
表に出さない深い愛とあの微笑が、
魅力的だったんだって…
結花姉さんは、結婚が決まってから、嬉しそうに話していたの…
今でも、当時のことはよく覚えているわ…
結婚が決まってからも、二人は極秘にお付き合いをしていたの…
知っていたのは、当時の理事長と校長だけ…
たぶん、他は誰も知らなかった。
結花姉さんが、事故死してから、皆、知ったことだから…
事故前ね。結花姉さん、生徒のことで遅くまで残業していたみたい…
結構、疲れていたみたいだったから…
双子が何とか…とかいってけど、
仕事のことだから、深くは聞いていないけど…
でも、もう、結花姉さんはいないの。
もっと話したかったのに…
で、そのあと、お嬢様と新堂は結婚したの…悲しいことにね」
と…実花さんは、うっすらと涙を浮かべていて、
その涙が光っていました。
それに応えるように…
私のネックレスのアクアマリンも光ったのです。
しばらくすると…
きゅうりさんが、私たちの近くに寄ってきました。
「あ、今日は、シュークリームじゃん、
実花ちゃん、いつもありがとうね」
と何も無かったように、微笑んでいました。
その微笑に応えるように…
また、私のネックレスのアクアマリンも光ったのです。
気付いたときには、書店の窓の向こうは、
すっかり、暗くなっていました。
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