魔力最強の兄と武力最強の妹

虎鉄

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第Ⅰ章 英雄の孫

決闘

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「マリサ先生!どういうことですか、これは?!」
「はい?これは?」
「決闘申請書です。」
「なるほど。って決闘?!えっと、ライアン・アンガート君とターノ・ハリド君。うわぁ、怒られる。」
「ハリド家のお坊っちゃんは魔力、武力ともにFランク。ライアン君は?」
「驚かないでくださいよ、武力Bランク。」
「あれ?彼は魔力組よね?」
「魔力はSSSランク。」
「なっ!今年は二人もSSSが?Bでも珍しいのに。」
「ハリド家からのお金でAクラスへ入れろって言われたけど、これどうします?彼の能力の低さを露呈すると、」
「ですよねー。はぁ。めんどくさい。」

















翌日昼
「おい、ハリド家のお坊っちゃんが決闘だとよ。」
「相手は?誰だ。」
「平民だとよ。勝つわけないよ。なんたって三名門だからな、勝ったらどうなるか。」
「とりあえず見ようぜ。」
校庭にて
「よう、クソ貴族。逃げずに来たな。Fランク。」
「なっ、僕のことをクソ貴族とかFランクとか、父様に言いつけてやる。僕にまけたら、ここから消えろ!」
「同じ言葉をお前に送ろう。負けた方が退学する、異存は?」
「あるわけないだろ!僕はSランクだぞ!」
「二人とも位置について」
審判役のマドルが声をかける。
「始め。」
「いくぞぉ、これでも食らえ!我ターノ・ハリドの名において命ず。」
Fランクに上級がつかえるのか?一応警戒しておくか。
「詠唱?」「上級か、超級か?」
火球ファイアボール
へ?
「ひ、火球?」「下級の?」
下級を詠唱ってしかもこれなら
「はっ!」
俺は腕を振り、かき消す。
「なっ、」
全くもって興ざめだ。
まぁ小手調べってことだろ?
「なっ、ターノ様の神級が?」
おい、取り巻きA。今何て言った?
(今、火球のことを神級って言ったよな?)(バカだ。なんであんなのがAクラスなんだよ。)
「おい、今、何の魔法を使った?」
「いやいや、何もしてないっすよ。」
「嘘だ、僕の神級が?」
プッ
「貴族様、神級とはこういうのを言うんですよ?《溶岩雨ヴォルケーノレイン》!」
火属性神級、《溶岩雨》。上空から雨のようにマグマを降らす。
「ギャァァァァァァァァァ!」
「えぇーー!回避ぐらいしろよ!バカ貴族!」
「勝者、英雄の孫、ライアン・アンガートぉぉぉ!」
「おぉぉい、マドル!ばらすな!っあ。」
外野から英雄の孫ってランスロット様の?まじか、今年の一年ヤバイな。
とか聞こえてくる。
「マドル!先輩たちにさまだばれたくなかったのにぃぃ!待てぇ、コラァァァァ!」
「ちょ、ごめんって、待て待て。《闇の拳ダークナックル》はやめような。中級でもよくないぞ?なぁ、ブベェラァ…。」
「問答無用。」
「兄さんやり過ぎ。《治療キュア》。」
「うぅ、リーシャ、助かった。」
「それより、あっちの方がヤバイ。」
その先には
「うぅ。」
唸る豚、改めるクソ貴族。
「やり過ぎたか。」
「うん。」
「まぁ、あいつは退学だな。」
その後、ターノは学校を止めた。
意外と約束は守るんだクソ貴族のくせに。
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