元英雄でSSSSS級おっさんキャスターは引きこもりニート生活をしたい~生きる道を選んだため学園の魔術講師として駆り出されました~

詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)

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第5章 おっさん、優勝を目指す

第118話 ルーカス・アルモンド1

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 どうも、トレキンです。長らくお待たせしてしまいましたが、久々の更新となります。
 今後も少しずつですが、更新していく予定ですので引き続き、当作品をよろしくお願い致します。

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「本当にここまで来たんですか?」
「さぁな。俺の勘がそう言っているだけだ」
「それって検討ついてないってことじゃないですか!」

 俺たち、レイナード・アーバンクルスとレーナ・アルフォートは今、ある人物を追いかけている。
 我が1年B組学級委員長にして――以下略。

 だが、途中でラルゴ&ハルカバカどもの邪魔が入ったことでフィオナを見失ってしまった。
 レーナはまぁ……別に悪気はないようなので許す。

 で、今はというと行動を共にしたいと言ってきたレーナと共に俺の勘を頼りに街を徘徊してるってわけ。

「うーむ、もう少し先に行ったのか?」
「でも、見失ったのはほんの数分前ですよ。そんなに遠くへは行っていないはずです」
「そうだな。とりあえず、もう一度この近辺を探してみるか。手伝ってくれレーナ」
「はいっ!」

 ♦

 その頃、フィオナ・ミラーフィールドは――

「はぁ……はぁ……はぁ、まさかレイナード先生が後をつけてたなんて」
 
 どこかの路地裏の建物の壁で寄りかかり、息を整えていた。

「ラルゴ先生たちの介入がなければ気がつかなかった。流石はレイナード先生、たまたま近くに他クラスの友達がいたから何とか誤魔化せることができたけど……」

(ホント、危なかったわ)

 そう思うのも、私、フィオナ・ミラーフィールドには皆には決していない秘密が出来てしまったからだ。
 そしてそれはというと、遡ること数時間前の出来事になる。

 これは魔技祭決勝戦の始まるほんの一時間前の話だ。私は決勝に備えるべく、人目のつかない場所でウォーミングアップをしていた時だった。

 ♦

「……ふぅ、調子はいいわね。身体もよく動くし、これなら……」
「やっているね。流石は本大会のダークホースとも呼ばれた1年B組のトップに座る者だ。志が高い」
「だ、誰!?」

 周りに姿は見えない。だけど微かだけど魔力は感じる。
 感じるけど……私にはその姿が見えなかった。

「こっちだよ、こっち」
「……ッ!?」

 振り向いた先に一人の人間の姿。
 さっきまではいなかったはずなのに、そこには一人の男がニヤッと笑みを浮かべながら立っていた。

「やぁ、初めまして……かな?」
「貴方は……ルーカス生徒会長……!」
「正解。こうして二人で会って話すのは初めてだね、フィオナ・ミラーフィールドさん」
「わ、わたしを名前を……」
「そりゃ知っているさ。俺はこの学園にいる生徒のことはみんな把握している。生徒会長として当然さ」

 そう言って爽やかな微笑みを浮かべるルーカス。
 でも、私には分かった。この人の目は決して笑っていない。
 
 こうして私に会いに来たのも偶然なんかじゃないってことを。

「何か御用ですか? 私は今、来るべき決戦に向けて忙しいのですけど」
「まぁそう言わないで。今回は歴とした用があって君に会いに来たんだ」
「用……ですか?」
「そうさ。今回の決勝戦、恐らく大会史上最大のデッドヒートが待っていることだろう。特に君と俺との戦いは熾烈を極めるだろうね」
「何が言いたいのですか? それに、私が出るとは確定していません。決勝戦のメンバーはくじ引きで決まるんですよね?」
「その通りさ。でも、君は絶対に参加することになる。そうでなきゃつまらないもの」
「どういうことですか?」

 私は少し突っかかるように彼に問う。
 でもルーカスは何一つ表情を変えず、話を続ける。

「どういうことって……魔技祭の決勝戦だよ? 強い者同士が出ないと俺たちも観客も盛り上がらないじゃない。それに、それだと単なる弱い者虐めになっちゃって俺たち3年A組もつまらないんだよね」
「わざわざ喧嘩を……売りにきたんですか? それとも……」

 私はルーカスをキッと睨みつけ、威嚇する。
 だがルーカスは「ははは」と笑うだけでビクともしない。

「そんなわけないじゃないか。言っただろ? 話があるって」
「じゃあ、早く本題に移ってください。出ないと私の魔法があなたの脳天に炸裂しますよ」
「おぉ……それは怖いですね。ではもう早速結論から言っちゃいましょうか」
「……」
 
 私は息を凝らし、ルーカスを見つめる。
 ルーカスも相も変わらずポーカーフェイスを貫き、私をじっと見つめてくる。

(何だろう、この感じ……威圧感が)

 なぜかは分からない。でもこうしてあの人を見つめているだけで胸騒ぎがする。
 手も少し震え、額からは次々と汗が流れ出てくる。

「では、結論からいいますと……」

 ――ゴクリ……

 少しだけ間が空く。
 風も少し強く吹き始め、カサカサと靡く木葉の音が場の緊張感をさらに高める。

 そして、何も動じずにルーカスはこう言い放った。

「フィオナ・ミラーフィールドさん、貴女に一つ頼みます。これから行われる決勝戦に、1年B組が棄権するよう、貴女からそう取り計らってもらえませんか?」
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