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149.張り巡らせた罠
しおりを挟む陛下との通話を終えた後、俺たちは屋敷へと無事に到着した。
「なんだか、久々だな」
「ですね~」
まだ時間にして半日くらいしか経っていないのに、遠出でもしてきたような感覚だ。
まだまだ情報は足りないとはいえ、確固たる証拠を見つけることは出来たから、その達成感からだろうか。
「アリシアさん、今日はいないんだな」
「そうですね。いつもなら、外で待っているんですが……」
屋敷の外にはアリシアさんの姿はなかった。
いつもなら連絡をせずとも、まるで帰ってくるのを予知していたかのように待っているんだが……
「連絡はしたのか?」
「一応しておきました」
「と、なると外出でもしているのか?」
連絡していて、姿を見せないのは不自然だな。
出迎えが面倒だからっていう可能性もあるが、アリシアさんの人柄上、ほぼそれはないだろうし。
「あれ、鍵が開いてます」
ソフィアが玄関の取っ手に手をかけると、ギギッと扉が開いた。
「施錠されてないって、ヤバくないか?」
「はい。仮に外出していたとしても、あのアリシアが施錠を忘れるわけありませんし」
「……嫌な予感がするな」
ただならぬ空気を感じる中、俺たちは屋敷の中に入る。
「泥棒とか入っていたら、どうしましょう……」
「泥棒なら、まだいい方だと思うけどな」
「……まさか、敵が?」
俺の一言で察したソフィアがそう言ってくる。
「その可能性もあり得るな。あまりこんなこと言いたくないけど」
「でも確かに変です。部屋の証明はついているのに、こんなにも静かなんて……」
「そもそも俺たちが玄関から入ってきて、誰も出てこない辺り、警戒した方がいいかもしれない。ソフィア、いつでも戦える準備をしておいてくれ」
「は、はい!」
俺たちは周りを警戒しながら、まずは屋敷の大広間へと向かうことに。
魔法を駆使し、罠などに警戒心を張り巡らせながら、先へと進んでいく。
「誰か! 誰かいませんか!」
ソフィアの声には誰も反応せず、ただ静寂のみ。
不信感が募る中、俺たちは大広間の前の扉に立った。
「≪トラップ・ディテクション≫」
探知魔法を使い、大広間の奥に罠がないか確認。
どうやら罠関係は全く施されていないみたい。
「よし、行くぞ」
俺が先頭に立ち、大広間の扉をそっと開扉させる。
扉はあえて全て開けず、身体一個分くらいの隙間を作ると、静かに中へと入っていった。
「……誰もいない?」
いつもなら誰かしらいるはずの大広間には、人影の一つすらなかった。
……ん、いや待て、この感じは……
「ソフィア、あまり前に出るなっ!」
「えっ……?」
≪起動、オートメーション・トラップ≫
無機質な声のようなものが空間内に響く。
瞬間。
巨大な魔法陣が俺たちを飲み込むかのように、地面に現れた。
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