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第三十四話 初めての……
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お待たせしてしまい、申し訳ございません!
久しぶりの更新になります。
本日は同時に新作長編を出しましたので、良ければそちらも読んでいただければと思います。
詳しくは後書きに記載してあります。
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「おい、貴様。そんなところで何をしている」
その声の主は真っ先に俺を睨んでくる。
標的は完全に俺へと向いているようだ。
「あ、あのこれは……」
「こんな時間に生徒会室に侵入し、会長を襲うとは……この私が不在をいいことに随分なことをしてくれたものだな」
「いや、だからこれは誤解で……!」
その言葉はもはや相手には届いていなかった。
逆に殺意という感情が俺の元へと届いてくる。
「覚悟は……出来ているんだろうな?」
腰元の剣に手を添えながら、少しずつ俺に寄ってくる。
やばい、これはガチで処される……
そう思った時、可憐な声が俺たちを遮った。
「ま、待ってくださいリア! この方は私が招いたのです!」
フィアットがそういうと相手は動きを止めた。
「会長が招いた……のですか?」
「そうです。だからご心配には及びません!」
「……洗脳魔法をかけられているという線は……」
「いいえ。私は至って正常ですよ」
「で、では! 今のその状況は一体どういう……」
「あ、こ、これは……その……」
これに関してはフィアットはだんまりを決め込んでしまった。
その様子を見るなり、声の主はギラリとその眼光をこちらに向けてくる。
「貴様……やはり会長に何かしただろう?」
「し、してないって! あれは事故だったんだ」
「ほう、必然的なものではないと?」
「そ、そうだ。だから断じて貴方が思っているような行為はしていない!」
「ふむ……」
相手はその場で一度考え始めると、再びフィアットの方を向いた。
「会長、本当にこれは事故だったんですか?」
「は、はい。元はといえば私が無理に引き留めたせいなのです」
「引き留めた?」
それからフィアットは簡潔に事の経緯を述べた。
それを聞くと納得したのか、
「事情は分かった。その男の行動が故意的でなかったこと、そして会長が彼を生徒会に誘うために生徒会室に入れたこと。全ては私の早とちりだったということだな」
「理解してくれて良かったよ」
危うく殺されるところだった。
本当にマジだったしな、冗談とか抜きで。
「だが、一つ納得がいかないことがある」
「え」
どうやらまだ話は終わっていない様子。
いい感じにまとまったと思ったのにまた不穏な空気が漂い始めた。
「リア、納得がいかないってどういうことですか?」
「会長、本当にその男を生徒会に引き込むおつもりですか?」
「私はそれを願っています。ですが、それは彼の意思を聞いてからになりますが」
「どうなんだ、そこの男」
今度は俺に話題の矛先を向けてきた。
「まだ考え途中だ。今日やってみて分かったけど、正直、生徒会の仕事についていけるか不安だし……それに俺みたいなまだ右も左も分からない新入生がいきなり生徒会なんて荷が重いというか、相応しくないというか……」
「ふむ、身の程は弁えているようだな。ちょうどいいからはっきりと言わせてもらおう」
相手はそのまま続ける。
「やめておけ。見たところ、お前に生徒会は相応しくない」
「……」
分かってはいる。
こんな高貴な学園の頂点に君臨する者たちはそれ相応の格が必要だ。
俺にはそれがない。
最初から考える必要なんてなかったのだ。
俺にはこの場所は……
「それは……聞き捨てなりませんね」
「……フィアット?」
相手の言葉に反応したのは俺ではなく、フィアットだった。
フィアットはむくりと立ち上がると、そろりと相手の方へと寄っていった。
「リア、さっきの言葉は撤回しなさい」
「で、ですが会長! 我が神聖なる生徒会にこんなどこの馬の骨かもわからない男が入るなんて……」
「いい、リア。よく聞きなさい。」
フィアットはじりじりと相手の方に近づいていくと、盛大に声を張り上げた。
「彼はね、私の初めてを奪った殿方なのよ!!」
「「……はぁ!?」」
その忌憚のない言葉に俺も声の主も変な声をあげてしまった。
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本話もお読みいただき、ありがとうございます!
前書きで告知した通り、この度新作『追放されたE級回復術師が実は最強の賢者候補だった件~最強の相棒を持つ名ばかりのヒーラーは自重を強いられても世界最強……だが女の子には弱い~』を投稿致しました!
下記にリンクを貼っておきますので、良ければ読んでみてください!
新作リンク:https://www.alphapolis.co.jp/novel/466415534/196585668
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その声の主は真っ先に俺を睨んでくる。
標的は完全に俺へと向いているようだ。
「あ、あのこれは……」
「こんな時間に生徒会室に侵入し、会長を襲うとは……この私が不在をいいことに随分なことをしてくれたものだな」
「いや、だからこれは誤解で……!」
その言葉はもはや相手には届いていなかった。
逆に殺意という感情が俺の元へと届いてくる。
「覚悟は……出来ているんだろうな?」
腰元の剣に手を添えながら、少しずつ俺に寄ってくる。
やばい、これはガチで処される……
そう思った時、可憐な声が俺たちを遮った。
「ま、待ってくださいリア! この方は私が招いたのです!」
フィアットがそういうと相手は動きを止めた。
「会長が招いた……のですか?」
「そうです。だからご心配には及びません!」
「……洗脳魔法をかけられているという線は……」
「いいえ。私は至って正常ですよ」
「で、では! 今のその状況は一体どういう……」
「あ、こ、これは……その……」
これに関してはフィアットはだんまりを決め込んでしまった。
その様子を見るなり、声の主はギラリとその眼光をこちらに向けてくる。
「貴様……やはり会長に何かしただろう?」
「し、してないって! あれは事故だったんだ」
「ほう、必然的なものではないと?」
「そ、そうだ。だから断じて貴方が思っているような行為はしていない!」
「ふむ……」
相手はその場で一度考え始めると、再びフィアットの方を向いた。
「会長、本当にこれは事故だったんですか?」
「は、はい。元はといえば私が無理に引き留めたせいなのです」
「引き留めた?」
それからフィアットは簡潔に事の経緯を述べた。
それを聞くと納得したのか、
「事情は分かった。その男の行動が故意的でなかったこと、そして会長が彼を生徒会に誘うために生徒会室に入れたこと。全ては私の早とちりだったということだな」
「理解してくれて良かったよ」
危うく殺されるところだった。
本当にマジだったしな、冗談とか抜きで。
「だが、一つ納得がいかないことがある」
「え」
どうやらまだ話は終わっていない様子。
いい感じにまとまったと思ったのにまた不穏な空気が漂い始めた。
「リア、納得がいかないってどういうことですか?」
「会長、本当にその男を生徒会に引き込むおつもりですか?」
「私はそれを願っています。ですが、それは彼の意思を聞いてからになりますが」
「どうなんだ、そこの男」
今度は俺に話題の矛先を向けてきた。
「まだ考え途中だ。今日やってみて分かったけど、正直、生徒会の仕事についていけるか不安だし……それに俺みたいなまだ右も左も分からない新入生がいきなり生徒会なんて荷が重いというか、相応しくないというか……」
「ふむ、身の程は弁えているようだな。ちょうどいいからはっきりと言わせてもらおう」
相手はそのまま続ける。
「やめておけ。見たところ、お前に生徒会は相応しくない」
「……」
分かってはいる。
こんな高貴な学園の頂点に君臨する者たちはそれ相応の格が必要だ。
俺にはそれがない。
最初から考える必要なんてなかったのだ。
俺にはこの場所は……
「それは……聞き捨てなりませんね」
「……フィアット?」
相手の言葉に反応したのは俺ではなく、フィアットだった。
フィアットはむくりと立ち上がると、そろりと相手の方へと寄っていった。
「リア、さっきの言葉は撤回しなさい」
「で、ですが会長! 我が神聖なる生徒会にこんなどこの馬の骨かもわからない男が入るなんて……」
「いい、リア。よく聞きなさい。」
フィアットはじりじりと相手の方に近づいていくと、盛大に声を張り上げた。
「彼はね、私の初めてを奪った殿方なのよ!!」
「「……はぁ!?」」
その忌憚のない言葉に俺も声の主も変な声をあげてしまった。
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前書きで告知した通り、この度新作『追放されたE級回復術師が実は最強の賢者候補だった件~最強の相棒を持つ名ばかりのヒーラーは自重を強いられても世界最強……だが女の子には弱い~』を投稿致しました!
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