ラブイズホラー ~痛めて菜抽子さん~

風浦らの

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一日目

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 私の家は、3LDKのマンションだ。ここに私は1人で寂しく暮らしていた。


 ──昨日までは


 しかし今日からは違う。愛する瑠二君と二人きり、邪魔する者の居ないこの空間で、私達はこれから愛を育むのだ。

 私は瑠二君の持っていたスマホを没収し、空き部屋に押し込んだあと、今後のおさらいをするべくリビングでパソコンを開いていた。

 "ペットの育て方"を検索してみる。実を言うと、私はペットを1度として飼った事が無かった。その為、瑠二君をどうやって躾るのがベストなのかと慎重になっていた。せっかく掴んだ最大のチャンスを無駄にする訳にはいかない。

 なになに、えーっと……

 〇    やってはいけないこと。
 ①     叩いて躾る。
 ②     御褒美で躾る。
 ③     厳しいだけの躾。
 ④     悪い事をしてもほっとく。

 なる程ね、ややこしいわね。悪い事をしたら叱るクセに、叩かず、厳しいだけじゃなく、更には褒めるのが大切なのね。かといって御褒美をあげすぎてもいけない……っと。

 私は頭の中で復唱し、更にページを捲る。

 〇やるべき事
 ①スキンシップ
 ②大袈裟なリアクション
 ③無理矢理躾ない。

 無理矢理躾ない……難しいわね。スキンシップは喜んでやるわ。でも、瑠二が嫌がるのが目に見えてるのよね。困ったわ。

 ある程度情報を収集し終え、パソコンの画面を閉じる。そして私は瑠二君を閉じ込めた部屋の扉のを眺める。

 あの扉の向こうに愛する瑠二君が居る。

 軟禁は犯罪。そんな事は知っている。それでも全てが上手くいく方法はあるし、自信もあった。私はこれまで欲しい物はなんでも手に入れてきた。それが形の無い『愛』だとしても、必ず手に入れてみせる。

 要は、瑠二君が自分の意思でここに居るのだと言えば、それはもう合意でありましてや軟禁などとは言えないのだ。
    突き詰めて言えば、瑠二君が"私を好きになる"これに尽きる。
    最早手段を選んでいる場合では無い。
    私は既に引き返すことの出来ない所まで来ていた。

「やるしかないわ」

 状況を整理してみる。
    今、私の居るこのリビングは全ての部屋と繋がっており、玄関に出るには必ずこのリビングを通らなければならない。つまり、ここに居れば瑠二君が逃げ出そうとしても、スグに気づけるのだ。携帯も没収したし、部屋には窓もない。問題は私が目を離す時に彼をどうするか──、

「仕方ないわね」

 私は先日買ってきた買物袋をガサガサと漁り、南京錠、チェーン、そして手錠を取り出すと、瑠二君の部屋に向かう。

 ドアを開けると、まるで別人のように俯き座り込んでる瑠二君が居た。

「瑠二君。本当に申し訳ないんだけど、少しの間チェーンを付けさせて貰うわ。私お風呂に行きたいの」

「チ、チェーン……って……」

 瑠二君は驚いた顔を見せるも、妹が心配なのか、素直に手を出し手錠をかけられた。

「偉いわ。ちょっとの間待っててね。それとも一緒に入る?    お風呂」
「そんな事出来るわけないだろ……」
「あら。私は構わないのよ?」

 そんな会話をしながらも、チェーンを柱に括り付け、南京錠で柱と固定。手錠とチェーンも南京錠で繋がっており、これで逃げ出すことは不可能だ。長さ的には部屋から出る事は出来ないまでも、自由に歩ける程度には長い。出来ることなら不自由な思いはさせたくない、という私なりの彼女心だ。

「行ってくるわね。いい子にしててね、瑠二君」

 離れるのは少し寂しいが、私達の同棲生活はまだまだこれから。そして夜はこれからなのだ。後ろ髪を引かれながらも部屋を出て、南京錠の鍵をリビングの引き出しにしまい込みお風呂に向かう。

 ────。

 シャワーを浴びながらも考えることは瑠二君の事。この後2人が1つになるのだ。そう──、この後すぐに。

 緊張するわ……未だかつてこんなに緊張した事なんて無いかもしれないわ。遂に瑠二君と愛し合うのね。上手にできるかしら……

 キュッとシャワーを止めて、お風呂場から出ると、バスタオルで体を拭き外に出る。そしてそのままの姿で瑠二君のいる部屋へと向かう。服は必要無い。どうせすぐに脱ぐのだから。

 監禁部屋のドアを開ける手が震えていた。

 やっと……やっと私のモノ・・に。

「お待たせ瑠二君。はじめましょう」
「な、菜抽子さんなんで裸なんですか!」

 私から視線を外すように質問してくる瑠二君。本当は分かってるくせに、可愛いものだ。

 私は瑠二君に近づき、優しく髪を撫でる。こうして自由に彼の体に触れられるのも、全ては伊奈絵いもうとのお陰だ。今だけは彼女に感謝しなければならない。

「や、止めて下さい菜抽子さん」
「いいえ止めないわ。今日は最後まで付き合って貰うからね」
「最後までって……」
「そう。最後までよ。断ったらどうなるか、分からない訳では無いわよね?」
「くっ……」

 そのままゆっくりと床に押し倒し、私は瑠二君に馬乗りになった。そして彼の来ていたワイシャツのボタンを一つ、また一つと外していくのだった。

「止めて菜抽子さんッ!」

 叫び懇願する瑠二君だったが、私の体は止まらない。叫ぶ彼の口を私の口で強引に塞ぎ、舌を滑り込ませる。

「んぐっ」

 ビリビリとした衝撃が体を駆け巡った。
    私はこんなにもキスが刺激的だったとは知らなかった。更なる刺激を求め、私は彼の唇を奪い続ける。



 ──夜はまだ始まったばかり──



「さぁ──、愛し合いましょう」
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