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君と僕で慰め合い
しおりを挟むあぁ、死にたいな。
忙しい都内の仕事と面倒な対人関係。
勉学と両立するのには難しいものばかり。
それに就職と来ればもういつ死んだっておかしくないほど忙しい。
いつもは頑張れていたことも、今日ばっかりは息苦しくて仕方がない。
そういう時はいつも魔法の言葉を思い出していた。
自分で自分を撫でながら。
「大丈夫。流生は頭のええ子だから。大丈夫。」
覚えてる唯一の、大切な言葉だった。
時々目に入るボロボロの猫のぬいぐるみ。
ビーズの瞳が外れかけている。
耳も薄汚れて元の布の色なんてだいぶ落ちている。
多分今触れれば劣化した糸がすぐに切れてしまうだろう。
「お前もいつの間にか、長生きしてたんだな。」
ショーケースのようなものに入れてそのままにしてるため触れることはないが、心の中では優しくぬいぐるみを撫でた。
小さい時だったら抱きしめられた大きさのぬいぐるみはいつの間にか腕の中に入れれば隙間ができてしまうほど小さくなっていた。
成長とは、そういうものなのか。
改めて実感した今に、僕はそっと蓋をした。
「会いたいな。」
ボソッと小さく呟いたそれは、1人の部屋に虚しく響いた。
もちろんその答えが帰ってくることなんかなくて僕はベッドに身を投げ出した。
入ってた訳でもない布団は冷たい。
こういう時は余計に感じるから、嫌だ。
抱きしめた布団を猫のぬいぐるみの変わりだと思って瞼を閉じる。
「おやすみ。」
その答えも、もちろん帰ってくることは無い。
寂しさ諸共放り投げるように意識を手放した。
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