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6.清廉潔白な姫を演じているだけの淫猥な女です。
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「エレノア、私に心を開いてください。私は今日はあなたと心を通じたと感じるまで帰るつもりはありません。姉上のことをサム国の国民は確かに好意的に見てますね、エレノアのように。でも、姉上は恋人の護衛騎士をしっかりとアツ国まで連れて行っているのですよ。まるで国の犠牲になるかのような結婚をした清廉潔白な姫を演じているだけの淫猥な女です。彼女を見てきているので私は女性というものを信用できません。例え騙されても愛し抜きたい女性に出会いたいとずっと思ってました。それがエレノアあなたです」
窓に映った幼い自分の姿と、私を必死に口説こうとしてくる王太子を見て思わず笑いそうになる。
彼は自分の知能の高さを女を口説くために使っているようだ。
「そうですか、殿下はお姉様の行動に心を痛め女性不審になった被害者なのですね。私があなたの心を癒して差し上げられれば良いのですが」
私は王太子殿下の海色の瞳をじっと見つめながら、彼の太ももに手を置いた。
10歳の私にこんな演技をさせる彼に不快感しか湧かない。
彼を帰らすのに魅了の力を使えば良いが、この力はできるだけ使いたくない。
なんだか力を使うたびに、自分は人間ではないのではないかと酷く虚しい気持ちになる。
孤児院の野良猫と呼ばれようと気にはならないが、私は自分自身のことだけは誇りを持った人間であると思っていたい。
「私の心の傷を分かっていただけたのですね。愛しています、私だけのエレノア」
王太子殿下は任務完了とばかりに私の額に軽く口づけをした。
「昨日の今日で色々ありすぎて、疲れてしまっていて今日の私の姿はあなたには見せたくないわ。レイモンド。」
彼の名前を呼んでみた。
これで心が通じたと思ってくれて帰ってくれるだろう。
「エレノア、はじめて名前を呼んでくれましたね。では、また明日にでも出直します。」
殿下は私をキツく抱きしめて、頬に口づけをして去っていった。
窓の外を見ると、足早に馬車に乗り込む殿下が見えた。
おそらく、彼はこの後行くところがあるのだろう。
馬車には先ほど私が受け取ったのと同じ薔薇の花束のストックがたくさんあるに違いない。
冷めた目で窓の外を見つめていると、アゼンタイン侯爵夫人がノックをして部屋に入ってきた。
「エレノア、殿下に何か嫌なことをされたりはしていませんか?もし、あなたが婚約を破棄したいのならお父様にお願いして王家に掛け合ってもらっても良いのですよ」
侯爵夫人の灰色の瞳に映った私は確かに虚しさに絶望したような顔をしていた。
この顔が私の基本顔で気を抜くとすぐにこの顔になってしまうので、あまり彼女が心配することではない。
「お母様、お気になさらずとも大丈夫です。色狂いと評判の王太子殿下ですが、10歳の少女に手を出すほど狂ってはいませんでした。私と婚約をすることで、後8年遊びたいだけでしょう。」
私の言葉に彼女は傷ついたような顔になった。
彼女の心配を取り除きたくて発した言葉なのにどうしてそうなってしまったのだろう。
「エレノア、あなたは大事な子なのよ。全く、サム国もアツ国のように12歳以下の子に手を出したら罪になる法律を作るべきね」
彼女が私を優しく抱きしめてきて、その温もりに涙が出そうになる。
サム国にきて、この家族の一員になれて、大切にされて私がこんな幸せな気持ちになれる日が来るなんて思ってもみなかった。
「そうですね、お母様。サム国の人間は周辺諸国より自国の法が優れていると思っていますが、必ずしもそうではありません。帝国はアラン皇帝陛下に代替わりし、帝国法は全改定しました。サム国の法律も見直した方が良いかも知れませんね」
私は4歳の時に皇宮で当時皇太子だったアラン皇帝陛下に会っている。
彼は自分が皇帝となると同時に法律を全改定した規格外の人間だ。
それと同時に紫色の瞳が皇族の血が濃いという神話に何の根拠もないことを発表した。
700年以上信じられてきた神話を否定できたのは彼が紫色の瞳をした皇帝だったからだ。
4歳の時、私は彼と会って恐怖を感じた。
彼の周りの人間が下っ端の使用人に至るまで、彼を慕い尊敬し愛していた。
誰からも好かれるというあり得ない現象は集団洗脳状態にも見えた。
当時6歳の彼にはエレナ・アーデンという婚約者がいたが、私は彼に取り入ることを父から望まれていた。
エレナ・アーデンと彼は年が離れすぎていて、年の近い紫色の瞳の私の方が相応しいと父は言っていた。
父は私の隠している能力に気が付かないだけでなく、彼の恐ろしさもわからない愚か者だった。
「エレノア、前から思っていたのだけれど、あなたアカデミーに通ってみたらどうかしら?あなたほど政治や経済に興味を持っていて聡明な女の子はサム国中探してもいないわよ。もし、王太子殿下と結婚しないことになっても侯爵家の後継者になるという選択肢もできるわ」
侯爵夫人の提案に私は驚いた。
なぜなら、侯爵家には7歳のルークがいる。
彼は血のつながったアゼンタイン侯爵と侯爵夫人の子供だ。
当然、彼が侯爵家の跡取りになると考えていた。
窓に映った幼い自分の姿と、私を必死に口説こうとしてくる王太子を見て思わず笑いそうになる。
彼は自分の知能の高さを女を口説くために使っているようだ。
「そうですか、殿下はお姉様の行動に心を痛め女性不審になった被害者なのですね。私があなたの心を癒して差し上げられれば良いのですが」
私は王太子殿下の海色の瞳をじっと見つめながら、彼の太ももに手を置いた。
10歳の私にこんな演技をさせる彼に不快感しか湧かない。
彼を帰らすのに魅了の力を使えば良いが、この力はできるだけ使いたくない。
なんだか力を使うたびに、自分は人間ではないのではないかと酷く虚しい気持ちになる。
孤児院の野良猫と呼ばれようと気にはならないが、私は自分自身のことだけは誇りを持った人間であると思っていたい。
「私の心の傷を分かっていただけたのですね。愛しています、私だけのエレノア」
王太子殿下は任務完了とばかりに私の額に軽く口づけをした。
「昨日の今日で色々ありすぎて、疲れてしまっていて今日の私の姿はあなたには見せたくないわ。レイモンド。」
彼の名前を呼んでみた。
これで心が通じたと思ってくれて帰ってくれるだろう。
「エレノア、はじめて名前を呼んでくれましたね。では、また明日にでも出直します。」
殿下は私をキツく抱きしめて、頬に口づけをして去っていった。
窓の外を見ると、足早に馬車に乗り込む殿下が見えた。
おそらく、彼はこの後行くところがあるのだろう。
馬車には先ほど私が受け取ったのと同じ薔薇の花束のストックがたくさんあるに違いない。
冷めた目で窓の外を見つめていると、アゼンタイン侯爵夫人がノックをして部屋に入ってきた。
「エレノア、殿下に何か嫌なことをされたりはしていませんか?もし、あなたが婚約を破棄したいのならお父様にお願いして王家に掛け合ってもらっても良いのですよ」
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この顔が私の基本顔で気を抜くとすぐにこの顔になってしまうので、あまり彼女が心配することではない。
「お母様、お気になさらずとも大丈夫です。色狂いと評判の王太子殿下ですが、10歳の少女に手を出すほど狂ってはいませんでした。私と婚約をすることで、後8年遊びたいだけでしょう。」
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それと同時に紫色の瞳が皇族の血が濃いという神話に何の根拠もないことを発表した。
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彼の周りの人間が下っ端の使用人に至るまで、彼を慕い尊敬し愛していた。
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侯爵夫人の提案に私は驚いた。
なぜなら、侯爵家には7歳のルークがいる。
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