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18.お前いつから騎士になったんだよ。
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「エレノア、お前いつから騎士になったんだよ」
私は今、馬車でハンスに邸宅まで送ってもらっている。
跪いて騎士の誓いをした私を見て、明らかにフィリップ王子は動揺していた。
私を立ち上がらせとにかく心配をされた。
ハンスが助け舟とばかりに私を邸宅で休ませると言って私を馬車まで連行してくれて事なきを得たのだ。
「最近、剣術をやっていたからかしら。私はフィリップ王子が仕えるに値する君主だと思って、それを伝えようとしただけなんだけれど⋯⋯」
自分の身を守るために剣術をはじめたが、私にはおそらく素養がない。
ハンスは優しいから、私に剣術の才能がないことを伝えてこないだけだ。
騎士資格をとって自分に武力があることを示したかったが、筆記試験しか通る気がしない。
剣術に取り組んだことで騎士気分になっていたのだろうか、騎士の誓いなどたてて私はきっとフィリップ王子に変な少女と思われただろう。
「普通に伝えろよ。笑いを堪えるのが大変だったぞ。もしかして、フィリップ王子殿下に一目惚れとかしたの?顔真っ赤にして、挙動不審になっていたけれど」
ハンスが笑いながら伝えてきた客観的に見た私の姿に気落ちした。
私はかなり不審な姿で王子殿下と接してしまっていたらしい。
一目惚れしたとしたらそれは2年前の時だ。
「でも、諦めた方が良いよ。エレノアは彼の兄上の婚約者を2年もしているんだ。王太子殿下と婚約解消になっても彼と結ばれることはないから⋯⋯」
考え事をしていたら、向かいにいたはずのハンスが私の隣にきていて私を抱きしめてきた。
彼の言う通りな上に、たとえフィリップ王子と心を通じ合わせるチャンスがあったとしても私は彼を避けるだろう。
彼が魅了の力の掛かりずらそうな知能の高さを持ち合わせていそうなことは分かったけれど、好かれたいと思って接して力により彼を操って好かれるなんて虚しすぎる。
「そんなんじゃないわよ。ただ、仕えるなら彼のような人が良いと思っただけ」
私は目を瞑って表情がハンスに見えないように顔を伏せながら呟いた。
レイモンド王太子殿下への接し方も変えた方が良いだろう。
従順に接して弱みを握り、彼を引き摺りおろすことを考えている場合ではない。
私よりもフィリップ王子殿下の方が先見の明があった。
今は国内でごたついている場合ではなく、力を合わせるべきだ。
「リード公子、私の婚約者をお送り頂きありがとうございました。エレノア、今日は入学式お疲れ様です。」
邸宅に馬車から降りようとしたら、レイモンド王太子殿下が私をエスコートしようと手を差し伸べてきた。
彼の手に自分の手を乗せると、また不快感が襲ってくる。
私はこの不快感の正体に気がつきはじめていた。
「ハンス、今日はありがとう」
私がハンスにお礼を言うと、彼が言葉を発せないくらいレイモンドに対しての怒りにたえているのが分かった。
自分の大切な姉を散々弄んで捨てた相手を目の前にしているのだから当然だ。
「レイモンド・サム王太子殿下にハンス・リードがお目にかかります。アゼンタイン侯爵令嬢のことは大切にして頂ければと思います」
ハンスはやっとの思い出絞り出したような震える声で、レイモンドにそう告げると馬車の扉を閉め去っていった。
隣にいるレイモンドを見ると、ハンスの怒りをしっかりと受け止めていないのが分かった。
「レイモンド、私を大切にする必要などありませんわ。私、あなたへの接し方を変えることにしましたので」
私はレイモンドに添えた手を振り払い、見下すような目で睨みつけた。
「エレノア、何かあったのですか? 私は愛するエレノアを誰よりも大切にしますよ」
これほど薄い「愛する」という言葉が存在するだろうか。
彼が私の変化に少し焦っているのが分かる。
この2年で少しでも私の心を得たと勘違いしていたのだとしたら彼は本当に愚か者だ。
馬車の音が聞こえて、ふとそちらを見た。
「帝国の馬車だわ」
私の呟きにレイモンドも同じようにそちらを見つめる。
アゼンタイン侯爵邸の邸宅の前に止まった馬車に鼓動が高まる。
まさか、私の正体が露見したのだろうか、それとも魅了の力が使えることが知られカルマン公爵家が追っ手を寄越したのだろうか。
震え出した私にレイモンドが気づいたのか、抱き寄せてくる。
本当に彼は私のことがわかっていない。
私は、彼に触れられるのが不快で仕方がないのだ。
「薄紫色の髪に赤紫の瞳、本物のエレノア・カルマンの方が偽物より可愛いですね。ダンテ・スモアと申します。エレナ様のお使いで参りました」
馬車から降りてきた水色の髪に水色の瞳をした爽やかな青年はあっさりと私の正体を暴露した。
彼は隣にいるレイモンドの姿など感知しないように私だけを見つめている。
「アーデン侯爵令嬢のお使い? 帝国で領土拡大を担当していると言われるダンテ補佐官ですね。エレノア・アゼンタインと申します。以後お見知りおきください」
私は自分に寄り添うレイモンドを突き放し、スカートを持ち上げ挨拶をした。
私は今、馬車でハンスに邸宅まで送ってもらっている。
跪いて騎士の誓いをした私を見て、明らかにフィリップ王子は動揺していた。
私を立ち上がらせとにかく心配をされた。
ハンスが助け舟とばかりに私を邸宅で休ませると言って私を馬車まで連行してくれて事なきを得たのだ。
「最近、剣術をやっていたからかしら。私はフィリップ王子が仕えるに値する君主だと思って、それを伝えようとしただけなんだけれど⋯⋯」
自分の身を守るために剣術をはじめたが、私にはおそらく素養がない。
ハンスは優しいから、私に剣術の才能がないことを伝えてこないだけだ。
騎士資格をとって自分に武力があることを示したかったが、筆記試験しか通る気がしない。
剣術に取り組んだことで騎士気分になっていたのだろうか、騎士の誓いなどたてて私はきっとフィリップ王子に変な少女と思われただろう。
「普通に伝えろよ。笑いを堪えるのが大変だったぞ。もしかして、フィリップ王子殿下に一目惚れとかしたの?顔真っ赤にして、挙動不審になっていたけれど」
ハンスが笑いながら伝えてきた客観的に見た私の姿に気落ちした。
私はかなり不審な姿で王子殿下と接してしまっていたらしい。
一目惚れしたとしたらそれは2年前の時だ。
「でも、諦めた方が良いよ。エレノアは彼の兄上の婚約者を2年もしているんだ。王太子殿下と婚約解消になっても彼と結ばれることはないから⋯⋯」
考え事をしていたら、向かいにいたはずのハンスが私の隣にきていて私を抱きしめてきた。
彼の言う通りな上に、たとえフィリップ王子と心を通じ合わせるチャンスがあったとしても私は彼を避けるだろう。
彼が魅了の力の掛かりずらそうな知能の高さを持ち合わせていそうなことは分かったけれど、好かれたいと思って接して力により彼を操って好かれるなんて虚しすぎる。
「そんなんじゃないわよ。ただ、仕えるなら彼のような人が良いと思っただけ」
私は目を瞑って表情がハンスに見えないように顔を伏せながら呟いた。
レイモンド王太子殿下への接し方も変えた方が良いだろう。
従順に接して弱みを握り、彼を引き摺りおろすことを考えている場合ではない。
私よりもフィリップ王子殿下の方が先見の明があった。
今は国内でごたついている場合ではなく、力を合わせるべきだ。
「リード公子、私の婚約者をお送り頂きありがとうございました。エレノア、今日は入学式お疲れ様です。」
邸宅に馬車から降りようとしたら、レイモンド王太子殿下が私をエスコートしようと手を差し伸べてきた。
彼の手に自分の手を乗せると、また不快感が襲ってくる。
私はこの不快感の正体に気がつきはじめていた。
「ハンス、今日はありがとう」
私がハンスにお礼を言うと、彼が言葉を発せないくらいレイモンドに対しての怒りにたえているのが分かった。
自分の大切な姉を散々弄んで捨てた相手を目の前にしているのだから当然だ。
「レイモンド・サム王太子殿下にハンス・リードがお目にかかります。アゼンタイン侯爵令嬢のことは大切にして頂ければと思います」
ハンスはやっとの思い出絞り出したような震える声で、レイモンドにそう告げると馬車の扉を閉め去っていった。
隣にいるレイモンドを見ると、ハンスの怒りをしっかりと受け止めていないのが分かった。
「レイモンド、私を大切にする必要などありませんわ。私、あなたへの接し方を変えることにしましたので」
私はレイモンドに添えた手を振り払い、見下すような目で睨みつけた。
「エレノア、何かあったのですか? 私は愛するエレノアを誰よりも大切にしますよ」
これほど薄い「愛する」という言葉が存在するだろうか。
彼が私の変化に少し焦っているのが分かる。
この2年で少しでも私の心を得たと勘違いしていたのだとしたら彼は本当に愚か者だ。
馬車の音が聞こえて、ふとそちらを見た。
「帝国の馬車だわ」
私の呟きにレイモンドも同じようにそちらを見つめる。
アゼンタイン侯爵邸の邸宅の前に止まった馬車に鼓動が高まる。
まさか、私の正体が露見したのだろうか、それとも魅了の力が使えることが知られカルマン公爵家が追っ手を寄越したのだろうか。
震え出した私にレイモンドが気づいたのか、抱き寄せてくる。
本当に彼は私のことがわかっていない。
私は、彼に触れられるのが不快で仕方がないのだ。
「薄紫色の髪に赤紫の瞳、本物のエレノア・カルマンの方が偽物より可愛いですね。ダンテ・スモアと申します。エレナ様のお使いで参りました」
馬車から降りてきた水色の髪に水色の瞳をした爽やかな青年はあっさりと私の正体を暴露した。
彼は隣にいるレイモンドの姿など感知しないように私だけを見つめている。
「アーデン侯爵令嬢のお使い? 帝国で領土拡大を担当していると言われるダンテ補佐官ですね。エレノア・アゼンタインと申します。以後お見知りおきください」
私は自分に寄り添うレイモンドを突き放し、スカートを持ち上げ挨拶をした。
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