43 / 56
43.何か欲しいものはありますか?
しおりを挟む
「エレノア、今日は流石に寒いと思うのでアゼンタイン侯爵邸の中で話をしませんか? 雨も降って来そうですよ」
私はベッド押し倒し事件があってから、彼を侯爵邸の中に入れていない。
どうしてそんなことになったのか、レイモンドに私は自分で気がついて欲しいと思っていた。
「屋内に移動するならば、約束通り婚約を解消してください。毎日のように私とガーデンテラスで会話する必要もないと思います。王宮に戻り今後の対策を考えたらどうですか?周辺諸国が全て帝国領になったのですよ。今、まさにサム国は陸の孤島状態です。サム国の新聞の論調も変わって来ましたよ。帝国領になった国がどんどん豊かにになっているからです」
今日は雨が降りそうどころか、風も強くて吹き飛ばされてしまいそうだ。
「エレノア、大丈夫ですか? あなたは小柄だから飛ばされてしまいそうです。もうすぐ14歳の誕生日ですね。何か欲しいものはありますか?」
レイモンドが私を膝の上にのせて、後ろから抱きしめてくる。
これで暖かいでしょとでも言いたげだ、私がどうして屋外にこだわっているのかまるで分かっていない。
侯爵邸に入って彼が部屋に移動したいと言ったら、使用人も侯爵夫人も彼に従うしかない。
そうすると私は彼と部屋で2人きりになってしまう、それが怖いのだ。
私が気絶していた2日間さえ、レイモンドはあの部屋にずっといたらしい。
眠るための部屋なのに、食事までベットサイドで私を眺めながらしていたというのだから驚きだ。
どうりで起きた時、食べ物の匂いがすると思った。
どうして王族であるのに、部屋の用途を守るという最低限のマナーを守れないのだろう。
2日後に私があの部屋から出て来た時、アゼンタイン侯爵夫人が非常に心配していた。
手が早くて有名な危険な王太子殿下と、私を2日間も密室で過ごさせてしまった罪の意識に苛まれていた。
泣きそうな顔で、アゼンタイン侯爵に私とレイモンドの婚約破棄をするよう訴えていた。
そんなアゼンタイン侯爵家の波乱の日があったことなんて教えたところで彼は何とも思わないのだろう。
「私の誕生日など、どうでも良いことです。もうすぐ、帝国の要職試験があります。世界中で受験資格がないのは帝国領になっていないサム国の民だけです。フィリップ王子なら、きっと帝国の要職試験を受けられるようにサム国を帝国に明け渡すと思います。このチャンスを逃すと次のチャンスは4年後になります。今回の帝国の要職試験の後、一気に王家への不満が高まると思います。王家としての体裁を保ちたいにしても、フィリップ王子を王太子にして国民にアピールするしかないです。レイモンドは貞淑を重んじるサム国の国民としては、どんなに仕事ができても尊敬に値する存在にはなれないのです。今更、女断ちしても過去にしてきたことは変えられません」
国民人気の高いフィリップ王子が次期国王になるならば、王家としての人気は回復できる。
しかし、皮肉なことに彼ならば国民のことを考えて帝国にサム国を明け渡すだろう。
今の国王陛下は不慮の事故により兄と婚約者を亡くしている。
同情されるべき立場なのに、その後兄の婚約者だった女性と結婚しただけで憶測で噂がたち評判が悪い。
冷静に考えれば、兄の婚約者である王妃様は国王になる彼の兄の婚約者だっただけあり王妃教育を受けていた。
兄ではなく自分が国王になった時、王妃になる予定だった彼女と結婚するのは当たり前だ。
それよりも結婚前から兄の婚約者と繋がっていたと疑い評判が落ちるのがサム国なのだ。
それ程に強い貞操観念を持つ国で王太子という立場を持ちながら女遊び無双をして来たレイモンドは国民には受け入れ難い存在だろう。
本当は彼はサム国の領主ではなく、帝国の要職についてしまうのがベストだと思う。
私はベッド押し倒し事件があってから、彼を侯爵邸の中に入れていない。
どうしてそんなことになったのか、レイモンドに私は自分で気がついて欲しいと思っていた。
「屋内に移動するならば、約束通り婚約を解消してください。毎日のように私とガーデンテラスで会話する必要もないと思います。王宮に戻り今後の対策を考えたらどうですか?周辺諸国が全て帝国領になったのですよ。今、まさにサム国は陸の孤島状態です。サム国の新聞の論調も変わって来ましたよ。帝国領になった国がどんどん豊かにになっているからです」
今日は雨が降りそうどころか、風も強くて吹き飛ばされてしまいそうだ。
「エレノア、大丈夫ですか? あなたは小柄だから飛ばされてしまいそうです。もうすぐ14歳の誕生日ですね。何か欲しいものはありますか?」
レイモンドが私を膝の上にのせて、後ろから抱きしめてくる。
これで暖かいでしょとでも言いたげだ、私がどうして屋外にこだわっているのかまるで分かっていない。
侯爵邸に入って彼が部屋に移動したいと言ったら、使用人も侯爵夫人も彼に従うしかない。
そうすると私は彼と部屋で2人きりになってしまう、それが怖いのだ。
私が気絶していた2日間さえ、レイモンドはあの部屋にずっといたらしい。
眠るための部屋なのに、食事までベットサイドで私を眺めながらしていたというのだから驚きだ。
どうりで起きた時、食べ物の匂いがすると思った。
どうして王族であるのに、部屋の用途を守るという最低限のマナーを守れないのだろう。
2日後に私があの部屋から出て来た時、アゼンタイン侯爵夫人が非常に心配していた。
手が早くて有名な危険な王太子殿下と、私を2日間も密室で過ごさせてしまった罪の意識に苛まれていた。
泣きそうな顔で、アゼンタイン侯爵に私とレイモンドの婚約破棄をするよう訴えていた。
そんなアゼンタイン侯爵家の波乱の日があったことなんて教えたところで彼は何とも思わないのだろう。
「私の誕生日など、どうでも良いことです。もうすぐ、帝国の要職試験があります。世界中で受験資格がないのは帝国領になっていないサム国の民だけです。フィリップ王子なら、きっと帝国の要職試験を受けられるようにサム国を帝国に明け渡すと思います。このチャンスを逃すと次のチャンスは4年後になります。今回の帝国の要職試験の後、一気に王家への不満が高まると思います。王家としての体裁を保ちたいにしても、フィリップ王子を王太子にして国民にアピールするしかないです。レイモンドは貞淑を重んじるサム国の国民としては、どんなに仕事ができても尊敬に値する存在にはなれないのです。今更、女断ちしても過去にしてきたことは変えられません」
国民人気の高いフィリップ王子が次期国王になるならば、王家としての人気は回復できる。
しかし、皮肉なことに彼ならば国民のことを考えて帝国にサム国を明け渡すだろう。
今の国王陛下は不慮の事故により兄と婚約者を亡くしている。
同情されるべき立場なのに、その後兄の婚約者だった女性と結婚しただけで憶測で噂がたち評判が悪い。
冷静に考えれば、兄の婚約者である王妃様は国王になる彼の兄の婚約者だっただけあり王妃教育を受けていた。
兄ではなく自分が国王になった時、王妃になる予定だった彼女と結婚するのは当たり前だ。
それよりも結婚前から兄の婚約者と繋がっていたと疑い評判が落ちるのがサム国なのだ。
それ程に強い貞操観念を持つ国で王太子という立場を持ちながら女遊び無双をして来たレイモンドは国民には受け入れ難い存在だろう。
本当は彼はサム国の領主ではなく、帝国の要職についてしまうのがベストだと思う。
10
あなたにおすすめの小説
黒騎士団の娼婦
星森 永羽
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
【完結】第一王子と侍従令嬢の将来の夢
かずえ
恋愛
第一王子は、常に毒を盛られ、すっかり生きることに疲れていた。子爵令嬢は目が悪く、日常生活にも支障が出るほどであったが、育児放棄され、とにかく日々を送ることに必死だった。
12歳で出会った二人は、大人になることを目標に、協力しあう契約を交わす。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?
夕立悠理
恋愛
もうすぐ高校一年生になる朱里には、大好きな人がいる。義兄の小鳥遊優(たかなしゆう)だ。優くん、優くん、と呼んで、いつも後ろをついて回っていた。
けれど、楽しみにしていた高校に入学する日、思い出す。ここは、前世ではまっていた少女漫画の世界だと。ヒーローは、もちろん、かっこよくて、スポーツ万能な優。ヒロインは、朱里と同じく新入生だ。朱里は、二人の仲を邪魔する悪役だった。
思い出したのをきっかけに、朱里は優を好きでいるのをやめた。優くん呼びは、封印し、お兄ちゃんに。中学では一緒だった登下校も別々だ。だって、だって、愛しの「お兄ちゃん」は、ヒロイン様のものだから。
──それなのに。お兄ちゃん、ちょっと、距離近くない……?
※お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね? は二人がいちゃついてるだけです。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~
小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。
そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。
幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。
そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――?
「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」
鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。
精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる