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48.傾国の美女は本当に存在したのですね。
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「エレノア、14歳のお誕生日おめでとうございます。あなたに会ってから私はあなたに振り回され惑わされてばかりです。あなたのことを思うと政務も手につきません。傾国の美女は本当に存在したのですね」
14歳の誕生日パーティー、レイモンドとパーティーの開始と同時に踊りながらなぜだか私は彼から非難されていた。
彼が女遊びに夢中で政務を放り出していたのは、私と出会う前で今はしっかり政務に取り組んでいる。
人を振り回してばかりなのに、いつも被害者になりたがる彼に笑うしかない。
わざとらしく国民思いのフィリップ王子を抜いた貴族会議の結果、サム国は世界でただ1つ帝国領にならない国として存在することを選んだらしい。
帝国が武力侵略を選択したことは今までに1度もない。
きっとサム国の侵略も、放っておいてサム国民がクーデターでも起こして王家を倒すのでも待っているのだろう。
そんな最悪の事態に陥る前に、国という体裁にこだわるのはやめた方が良い。
「王宮のお風呂ってとても広いのですね」
私は王族があまりにも贅沢しすぎなのを非難しようと思った。
今まで他国より裕福な生活をして自国に不満を持たなかったサム国民が、明らかに周囲の帝国領の発展ぶりを見て取り残された気持ちになっている。
その不満は必ず、王家に向く。
王家が無駄に広いお風呂で毎日のように、高価な薔薇を無駄遣いしていると知られたら問題になる。
「エレノア、今度来た時には一緒に入りましょうね」
私の耳元で囁いてくるレイモンドに軽く殺意がわいた。
相変わらず国民のことを考えるよりも、自分の性欲を満たすことを優先している。
「レイモンド、実は今日はとても疲れているのです。あなたと踊るのがたったの1曲になることをお許しください」
私は彼をすがるような目つきで見ながら懇願した。
とにかく今日は彼の相手をする気分ではないし、今の彼に国民のための政務を行うように注意しても耳に届かなそうでだ。
「エレノア、私たちはいつだって一緒にいられるので無理をしないでも大丈夫ですよ」
彼が名残惜しそうに手を離す。
とりあえず、彼のダンス相手をするのを1曲で終わらすのに成功した。
これは彼の婚約者になって以来、初めての快挙だ。
「エレノア・アゼンタイン侯爵令嬢、俺にあなたと踊る光栄をください」
私とレイモンドが踊り終わるのを見計らったように近づいてきたハンスに思わず笑いそうになった。
「ビアンカ様、帝国の要職に本当についたわね。サム国は宝物のような人材を失ったわ。帝国の首都に住んでいらっしゃるのよね。ビアンカ様が気に入ってくれると良いわ」
帝国の要職試験はレイモンドのいう通り1万人に1人くらいが選ばれるような超高倍率だった。
そんな倍率の中、帝国の要職にビアンカ様はついたのだ。
レイモンドの気まぐれな女遊びのせいで、サム国は優秀な人材を失っている。
帝国の首都に私が住んでいたのは10年前の話だ。
10年前もとても栄えていたけれど、家が困窮していたから私にはその栄えている首都の眩しさが苦しく感じた。
帝国の要職につけば、高額な給料も出るしきっと首都を満喫できるだろう。
「俺たちも4年後に要職試験を受けに行こうな」
明るく私に話しかけてくるハンスに私は微笑みで返した。
ビアンカ様が首都に住んでいるから、彼は要職に受からなくても首都で暮らすかもしれない。
要職につかないとしても、待遇の良い仕事が首都にはたくさんある。
剣術が得意な彼は騎士団に所属する選択肢もあるだろう。
フィリップ王子殿下は特別優秀で人間性も格別だから必ず合格するだろう。
免疫がない王子殿下が変な女に引っかからないように、彼には見守っていてほしい。
できれば私の大好きな2人が仲良く幸せになってくれればと願った。
「いい時間でした、アゼンタイン侯爵令嬢」
ハンスが去って、ふと思い出した。
今日はフィリップ王子とは接触しないようにと言われていた。
国民感情が不安定な中、王家の一挙手一投足に注目が集まっている。
国王陛下と王妃様は理不尽な不義理を疑われて評判が悪く、レイモンドは奔放すぎて評判は最悪だ。
その3人への不満の裏返しのように、清廉潔白で美しいフィリップ王子は大人気だ。
レイモンドの婚約者である私が接触すると、傷1つない彼に悪い噂がたちかねない。
私は、彼と図書館で踊った日のことを思い出した。
野良猫がお姫様に変身した一生に一度の奇跡の時だ。
もし、また彼と踊れるならこれ以上幸せなことはない。
14歳の誕生日パーティー、レイモンドとパーティーの開始と同時に踊りながらなぜだか私は彼から非難されていた。
彼が女遊びに夢中で政務を放り出していたのは、私と出会う前で今はしっかり政務に取り組んでいる。
人を振り回してばかりなのに、いつも被害者になりたがる彼に笑うしかない。
わざとらしく国民思いのフィリップ王子を抜いた貴族会議の結果、サム国は世界でただ1つ帝国領にならない国として存在することを選んだらしい。
帝国が武力侵略を選択したことは今までに1度もない。
きっとサム国の侵略も、放っておいてサム国民がクーデターでも起こして王家を倒すのでも待っているのだろう。
そんな最悪の事態に陥る前に、国という体裁にこだわるのはやめた方が良い。
「王宮のお風呂ってとても広いのですね」
私は王族があまりにも贅沢しすぎなのを非難しようと思った。
今まで他国より裕福な生活をして自国に不満を持たなかったサム国民が、明らかに周囲の帝国領の発展ぶりを見て取り残された気持ちになっている。
その不満は必ず、王家に向く。
王家が無駄に広いお風呂で毎日のように、高価な薔薇を無駄遣いしていると知られたら問題になる。
「エレノア、今度来た時には一緒に入りましょうね」
私の耳元で囁いてくるレイモンドに軽く殺意がわいた。
相変わらず国民のことを考えるよりも、自分の性欲を満たすことを優先している。
「レイモンド、実は今日はとても疲れているのです。あなたと踊るのがたったの1曲になることをお許しください」
私は彼をすがるような目つきで見ながら懇願した。
とにかく今日は彼の相手をする気分ではないし、今の彼に国民のための政務を行うように注意しても耳に届かなそうでだ。
「エレノア、私たちはいつだって一緒にいられるので無理をしないでも大丈夫ですよ」
彼が名残惜しそうに手を離す。
とりあえず、彼のダンス相手をするのを1曲で終わらすのに成功した。
これは彼の婚約者になって以来、初めての快挙だ。
「エレノア・アゼンタイン侯爵令嬢、俺にあなたと踊る光栄をください」
私とレイモンドが踊り終わるのを見計らったように近づいてきたハンスに思わず笑いそうになった。
「ビアンカ様、帝国の要職に本当についたわね。サム国は宝物のような人材を失ったわ。帝国の首都に住んでいらっしゃるのよね。ビアンカ様が気に入ってくれると良いわ」
帝国の要職試験はレイモンドのいう通り1万人に1人くらいが選ばれるような超高倍率だった。
そんな倍率の中、帝国の要職にビアンカ様はついたのだ。
レイモンドの気まぐれな女遊びのせいで、サム国は優秀な人材を失っている。
帝国の首都に私が住んでいたのは10年前の話だ。
10年前もとても栄えていたけれど、家が困窮していたから私にはその栄えている首都の眩しさが苦しく感じた。
帝国の要職につけば、高額な給料も出るしきっと首都を満喫できるだろう。
「俺たちも4年後に要職試験を受けに行こうな」
明るく私に話しかけてくるハンスに私は微笑みで返した。
ビアンカ様が首都に住んでいるから、彼は要職に受からなくても首都で暮らすかもしれない。
要職につかないとしても、待遇の良い仕事が首都にはたくさんある。
剣術が得意な彼は騎士団に所属する選択肢もあるだろう。
フィリップ王子殿下は特別優秀で人間性も格別だから必ず合格するだろう。
免疫がない王子殿下が変な女に引っかからないように、彼には見守っていてほしい。
できれば私の大好きな2人が仲良く幸せになってくれればと願った。
「いい時間でした、アゼンタイン侯爵令嬢」
ハンスが去って、ふと思い出した。
今日はフィリップ王子とは接触しないようにと言われていた。
国民感情が不安定な中、王家の一挙手一投足に注目が集まっている。
国王陛下と王妃様は理不尽な不義理を疑われて評判が悪く、レイモンドは奔放すぎて評判は最悪だ。
その3人への不満の裏返しのように、清廉潔白で美しいフィリップ王子は大人気だ。
レイモンドの婚約者である私が接触すると、傷1つない彼に悪い噂がたちかねない。
私は、彼と図書館で踊った日のことを思い出した。
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