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50.魅了の力が消えたら伝えたいことがあります。
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私は誕生日のダンスにしても、アカデミーの生活にしても接触を禁じられているフィリップ王子と接触してしまった。
自分の彼への好意が彼を呼び寄せているのだろう。
でも、噂がたってフィリップ王子の評判が落ちることはなかった。
いつもレイモンドがなんとか噂を消していくれていたのだ。
婚約者である彼が、不誠実な私のフォローをどんな気持ちでしていたのだろうか。
いつも自分勝手に見えた彼だけれど、本当に彼は自己中心的で自分勝手なのか分からなくなった。
本当に自分勝手なのは自分の欲求を全く抑えられず、危険な力を乱用ししている私なのかもしれない。
♢♢♢
「エレノア、王宮に行きましょう。待ち侘びていたものがきましたよ」
アカデミーの卒業式を終えた私を待っていたレイモンドが、私をいつものようにエスコートして馬車にのせた。
「もしかして、魅了の力を消す薬ですか?」
私が恐る恐る尋ねると、彼は微笑んで私を優しく抱きしめてきた。
本当に私が16歳までに魅了の力を消す薬を間に合わせてくれた。
来週には私は16歳になり、サム国では結婚できる年齢になる。
きっと私の結婚する前までに、真実の愛を理解できるように間に合わせてくれたのだろう。
魅了の力があると、相手の好意を信じられなくなる。
でも相手の好意が信じられなくても、私は自分の好意が誰に向いているかは知っていた。
サム国はまだ国として形を保っているが、国民の9割が帝国領になることを望んでいる状態だ。
国王陛下がサム国を帝国に明け渡さないのだ。
そんな不安定な時期に、王太子であるレイモンドが結婚式を挙げるわけにいかないので私たちの結婚式は保留ということになっている。
「良かったですね。これで、怖がらずにフィリップと話せますよ」
私は彼がいつからか私のことを心から愛していることに気がついていた。
その気持ちを利用して、能力のある彼を活用し自分の失態のフォローをさせ続けていたのだ。
私の初恋の人エレナ・アーデンが私が魅了の力を使いこなせるのは人に期待していないというより、人を道具のように見ているからだと言っていた。
彼女に言われた言葉がショックで自分は人に期待できないような可哀想な人生を送ってきたから、人に期待せず魅了の力を使いこなせると思い込もうとしていた。
でもエレナ・アーデンの言うことはやはり正しかった。
私は人を道具のように見ていたから、魅了の力を使いこなしてきた。
しかし、自分の欲求のままに魅了の力を使ってしまうようになると、能力が高く自分に惚れ込んでいる婚約者の男を道具のように使い自分の失態を覆い隠した。
「レイモンド、私の魅了の力が消えたら伝えたいことがあります」
私は大好きな彼の海色の瞳を見つめた。
どうして、今まで気がつかなかったのだろう。
彼の瞳に映った私の姿がどうして可愛く見えるのかに。
私が彼にときめいていたからに決まっているではないか。
私にはない自信を持っている彼に最初から惹かれていた。
でも、明らかに利用されているのがわかって気持ちに贖おうとした。
フィリップ王子にも惹かれた。
自分の失った純粋な心を持っていたからだ。
彼は私を利用することがないと思い、安心して思いを募らせた。
「エレノア、私はあなたがどんな決断をしてもあなたの1番の味方です」
彼の言うことにはいつだって嘘がなかった。
彼は正直すぎて、彼の言葉は私にとって引いてしまうものばかりだった。
でも、私だって心の中では結構ひどいことばかり考えていた。
それを外に出して発している彼と、取り繕って嘘をいう私。
彼は嘘をつかないから、私に嘘はつかないで欲しいと言ってきたのだ。
本当のことばかりを言う彼のことが苦手だったけれど、彼は傷つけられても本当の言葉を向けて欲しい人だったと言うことだ。
だから私に侮辱されても、それが私の本当の気持ちだったから怒らずに受け止めてくれていた。
「覚悟していてくださいね。レイモンドを驚かせますよ。予告しておきます」
私はそういうと彼の表情を見ないように、彼の胸に顔を埋めた。
見なくてもどうせ驚いていると分かるから、今は見る必要がない。
彼は王族のくせに感情が表情にですぎるしょうもない男だ。
自分の彼への好意が彼を呼び寄せているのだろう。
でも、噂がたってフィリップ王子の評判が落ちることはなかった。
いつもレイモンドがなんとか噂を消していくれていたのだ。
婚約者である彼が、不誠実な私のフォローをどんな気持ちでしていたのだろうか。
いつも自分勝手に見えた彼だけれど、本当に彼は自己中心的で自分勝手なのか分からなくなった。
本当に自分勝手なのは自分の欲求を全く抑えられず、危険な力を乱用ししている私なのかもしれない。
♢♢♢
「エレノア、王宮に行きましょう。待ち侘びていたものがきましたよ」
アカデミーの卒業式を終えた私を待っていたレイモンドが、私をいつものようにエスコートして馬車にのせた。
「もしかして、魅了の力を消す薬ですか?」
私が恐る恐る尋ねると、彼は微笑んで私を優しく抱きしめてきた。
本当に私が16歳までに魅了の力を消す薬を間に合わせてくれた。
来週には私は16歳になり、サム国では結婚できる年齢になる。
きっと私の結婚する前までに、真実の愛を理解できるように間に合わせてくれたのだろう。
魅了の力があると、相手の好意を信じられなくなる。
でも相手の好意が信じられなくても、私は自分の好意が誰に向いているかは知っていた。
サム国はまだ国として形を保っているが、国民の9割が帝国領になることを望んでいる状態だ。
国王陛下がサム国を帝国に明け渡さないのだ。
そんな不安定な時期に、王太子であるレイモンドが結婚式を挙げるわけにいかないので私たちの結婚式は保留ということになっている。
「良かったですね。これで、怖がらずにフィリップと話せますよ」
私は彼がいつからか私のことを心から愛していることに気がついていた。
その気持ちを利用して、能力のある彼を活用し自分の失態のフォローをさせ続けていたのだ。
私の初恋の人エレナ・アーデンが私が魅了の力を使いこなせるのは人に期待していないというより、人を道具のように見ているからだと言っていた。
彼女に言われた言葉がショックで自分は人に期待できないような可哀想な人生を送ってきたから、人に期待せず魅了の力を使いこなせると思い込もうとしていた。
でもエレナ・アーデンの言うことはやはり正しかった。
私は人を道具のように見ていたから、魅了の力を使いこなしてきた。
しかし、自分の欲求のままに魅了の力を使ってしまうようになると、能力が高く自分に惚れ込んでいる婚約者の男を道具のように使い自分の失態を覆い隠した。
「レイモンド、私の魅了の力が消えたら伝えたいことがあります」
私は大好きな彼の海色の瞳を見つめた。
どうして、今まで気がつかなかったのだろう。
彼の瞳に映った私の姿がどうして可愛く見えるのかに。
私が彼にときめいていたからに決まっているではないか。
私にはない自信を持っている彼に最初から惹かれていた。
でも、明らかに利用されているのがわかって気持ちに贖おうとした。
フィリップ王子にも惹かれた。
自分の失った純粋な心を持っていたからだ。
彼は私を利用することがないと思い、安心して思いを募らせた。
「エレノア、私はあなたがどんな決断をしてもあなたの1番の味方です」
彼の言うことにはいつだって嘘がなかった。
彼は正直すぎて、彼の言葉は私にとって引いてしまうものばかりだった。
でも、私だって心の中では結構ひどいことばかり考えていた。
それを外に出して発している彼と、取り繕って嘘をいう私。
彼は嘘をつかないから、私に嘘はつかないで欲しいと言ってきたのだ。
本当のことばかりを言う彼のことが苦手だったけれど、彼は傷つけられても本当の言葉を向けて欲しい人だったと言うことだ。
だから私に侮辱されても、それが私の本当の気持ちだったから怒らずに受け止めてくれていた。
「覚悟していてくださいね。レイモンドを驚かせますよ。予告しておきます」
私はそういうと彼の表情を見ないように、彼の胸に顔を埋めた。
見なくてもどうせ驚いていると分かるから、今は見る必要がない。
彼は王族のくせに感情が表情にですぎるしょうもない男だ。
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