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13.レオ⋯⋯早く、2人きりになりたい。
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長い口づけが終わり目を開けると、私を見つめるアルベルト様と目が合った。
(ただ私の味方でいてくれるという約束のキスなのに緊張する⋯⋯)
彼の海色の瞳があまりに美しくて見入ってしまった。
そっと彼が私から目を逸らして、じっと見すぎるのは失礼だったと反省した。
「今日から、1週間は授業は休みになり、今日は午後から先の国王陛下の国葬だ。誰が仕切るのかで黒幕が分かるかもね」
アルベルト様は先程からカイロス・スグラ国王の死は黒幕がいると考えている。
国王になれないと思ったミカエルが単独で陛下を殺したと予想していた私とは違う考えだ。
昨日のミカエルは私をレイプしようとしてきたり、明らかに精神的にパニック状態だった。
確かにあの不安定な精神状態で、カイロス国王を殺しにいったら直ぐに犯人だと割り出されてそうだ。
恐らく冷静に状況を見て、権力を握ろうとミカエルを利用した人間がいる。
「ルシア様! 私、ルシア様にお話ししたいことがあるんです。できれば、2人きりでお話したいんですが宜しいですか?」
突然意を決したように、アリスに話しかけられた。
「もちろんよ。そろそろ、部屋に戻ろうか」
ふと、アリスの隣に立っているライアンに目を向けると、アルベルト様を睨みつけていた。
(ライアンもよく分からない存在だわ⋯⋯ミカエルに取り立てて貰ったのに恩義を感じず私といるなんて⋯⋯)
疑いだすと、アルベルト様まで怪しく思えてくる。
彼だってミカエルと友情を築いてきたのに、私の味方になると言っている。
しかも、実はミカエルとアルベルト様は腹違いの兄弟だ。
(ダメだ⋯⋯人間不信なのか、男性不信なのか誰も心から信用できない)
私はアリスの手を握って一緒に部屋を出た。
針の筵状態の今、私が一番信用できるのは彼女だ。
彼女が昔の私に似ていて、人を利用するほど器用じゃないと思うからかもしれない。
アリスとの2人部屋に入る。
ライアンは私たちの部屋の扉の前で立って、護衛をしてくれるようだった。
豪華絢爛な特別室とは違い、ベッドが2つと机が2つあるだけの狭い部屋だ。
私は自分のベッドに座り、彼女も向かいにある自分のベッドに座った。
彼女は遠慮がちに私の隣に座ると、意を決したように真剣な目で私に告げてきた。
「わ、私、オスカー・ミエーダ侯爵令息をお慕いしています!」
一瞬、私が愛の告白をされたのかと思ったが、ルシアの兄が好きだという告白のようだ。
(もしかして、自分の秘密を話すことで私の味方だと伝えてくれてる?)
彼女がこの告白をルシアにするのは相当な勇気が言ったはずだ。
「教えてくれてありがとう! アリスの恋を応援するわ。オスカーお兄様はとても素敵な人よ」
はっきり言って、血が繋がってなかったら私もオスカー推しだ。
同じ年の男に傷つけられたからか、もし誰かを信じられ付き合うことがあったら優しい人が良いと思っていた。
優しい年上、オスカーなら間違いない。
「先程のお話ですが、ルシア様は本当はカイロス国王陛下の娘だったということですよね。お父様が亡くなられたなんて⋯⋯お辛いですよね」
アリスは頭の良い子だ。
ミカエルの策略により、私はセリーナ・ミエーダ侯爵夫人がカイロス国王の弟サンタナ・ローランと不貞を働いてできた子ということになっている。
でも、私とアルベルト様の会話から、真実は私がカイロス国王の子だと気がついたのだろう。
そして、今、私が父親を失って悲しんでいると心に寄り添おうとしてくれている。
私は本物のルシアじゃないから、自分の父親が亡くなったという実感ががない。
「アリス、私のこと心配してくれてありがとね。私、この世界で1番あなたのことが好きよ」
私は気がつけば本音を漏らしながら、アリスを抱きしめていた。
昔の私に似て、利用されやすく生真面目な彼女。
オスカーやアルベルト様もルシアを想ってくれているのだろうけれど、私はイマイチ信用できない。
「あ、ありがとうございます。嬉しいです、ルシア様⋯⋯」
私は自分が今想像以上に不安定な精神状態であることに気がついた。
アリスからすれば、嫌がらせをしていたかもしれないルシアの態度の変化に戸惑って当然だ。
トントン。
扉をノックする音が聞こえて、私は扉を開けた。
(レオ・ステラン公子⋯⋯)
茶髪に緑色の瞳をした攻略対象の1人レオ・ステラン公子がそこにいた。
ステラン公爵家は帝国一裕福で、2代前の国王陛下の治世までは代々宰相を務めていた超名門貴族だ。
しかし、あまりにステラン公爵家の力が強すぎることを危惧され、今ではルシアの父ケント・ミエーダ侯爵が宰相を務めている。
それでも、莫大な財産を持つステラン公爵家は経済界に多大な影響を持っているので無視できない。
「ステラン公子⋯⋯ここには一体なんの用で⋯⋯」
私が彼の登場に驚いていると、彼は余裕の表情で私の耳元に顔を寄せてきた。
「よくできたね。ルシア⋯⋯邪魔者がいる場所ではその呼び方が正しいよ」
私は一瞬鳥肌がたった。
甘みを帯びた囁き声⋯⋯ルシアとレオ・ステランはただならぬ関係なのではないだろうか。
「レオ⋯⋯早く、2人きりになりたい」
何が正解か分からないが、2人の関係性を予想し私は彼の耳元に囁き返した。
そうするとレオが満足そうな顔をして私の腕を引く。
「ルシア・ミエーダ侯爵令嬢をお借りしますね。アリスさん」
一瞬、アリスの心配そうな顔が見えたので私は微笑んで大丈夫だということを伝えた。
私はレオに連れられて、部屋を出た。
部屋の扉の前にいるライアンがレオを睨みつけると距離をとって後をついてきた。
何だか、余計なことを言うと色々ぶち壊してしまう気がしていた。
そもそも、ここは乙女ゲームの世界であるはずなのに既に世界全体が殺伐とした雰囲気になっている。
(バタフライエフェクト⋯⋯私の行動のせいで色々変わってしまってる? まさか人まで死ぬなんて⋯⋯)
寮の長い廊下を歩いていると、学生が近寄らない関係者のゾーンまできた。
開けて良いのか分からない扉をレオが当たり前のように開けると、また長い通路があり行き止まりに扉に辿り着いた。
その扉を当たり前のようにレオが開けると、寮の中とは思えない豪華絢爛とした部屋があった。
吹き抜けになっていて天井が高く、調度品も明らかに一流のものが揃えられている。
私があまりの素敵な部屋に見惚れているとレオに突然キスをされた。
(これって挨拶のキスとかじゃない⋯⋯明らかに恋人同士のキスだ⋯⋯)
彼氏がいた経験なんてないけれど、明らかにレオがルシアを恋人扱いしているのが分かった。
ゲームの中でレオはルシアを盲目的に慕っているような様子だったが、裏でこのような関係だったのだろうか。
ルシアが何らかの目的を持って、ここまで甘い関係性に持ってっている可能性もある。
レオルートではアリスに出会うことで、レオはルシアには利用されていただけだったと気がつくのだ。
「僕はルシア・ミエーダに利用されていただけだった。真実の愛を教えてくれてありがとう」というセリフがあったはずだ。
レオの利用価値とは莫大な資産と、実家の政治力だろうか。
「ちょっと、待ってレオ! 話そう」
「はあ、僕は今直ぐにでも君と愛しあいたいんだけど⋯⋯ミカエルの隣にいる君を僕がどんな目で見ているか気がついてないんだね」
レオの斜め上の発言に驚いていると、視界にベッドが入った。
(いやいや⋯⋯『誘惑の悪女』なんてタイトルだけど全年齢向けのゲームだから⋯⋯)
頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
レオとの間に、ものすごい温度差を感じている。
彼は他の攻略対象とは違って、既にルシアと深い関係になっているのかもしれない。
次期国王の婚約者である私を、こんな風に恋人扱いするレオには違和感しかない。
「カイロス・スグラ国王が死んで動揺した? 計画は少し変わったけれど僕たちは一緒になれるよ」
レオがポケットから指輪を出してきて、私の左手の薬指に嵌めた。
(ただ私の味方でいてくれるという約束のキスなのに緊張する⋯⋯)
彼の海色の瞳があまりに美しくて見入ってしまった。
そっと彼が私から目を逸らして、じっと見すぎるのは失礼だったと反省した。
「今日から、1週間は授業は休みになり、今日は午後から先の国王陛下の国葬だ。誰が仕切るのかで黒幕が分かるかもね」
アルベルト様は先程からカイロス・スグラ国王の死は黒幕がいると考えている。
国王になれないと思ったミカエルが単独で陛下を殺したと予想していた私とは違う考えだ。
昨日のミカエルは私をレイプしようとしてきたり、明らかに精神的にパニック状態だった。
確かにあの不安定な精神状態で、カイロス国王を殺しにいったら直ぐに犯人だと割り出されてそうだ。
恐らく冷静に状況を見て、権力を握ろうとミカエルを利用した人間がいる。
「ルシア様! 私、ルシア様にお話ししたいことがあるんです。できれば、2人きりでお話したいんですが宜しいですか?」
突然意を決したように、アリスに話しかけられた。
「もちろんよ。そろそろ、部屋に戻ろうか」
ふと、アリスの隣に立っているライアンに目を向けると、アルベルト様を睨みつけていた。
(ライアンもよく分からない存在だわ⋯⋯ミカエルに取り立てて貰ったのに恩義を感じず私といるなんて⋯⋯)
疑いだすと、アルベルト様まで怪しく思えてくる。
彼だってミカエルと友情を築いてきたのに、私の味方になると言っている。
しかも、実はミカエルとアルベルト様は腹違いの兄弟だ。
(ダメだ⋯⋯人間不信なのか、男性不信なのか誰も心から信用できない)
私はアリスの手を握って一緒に部屋を出た。
針の筵状態の今、私が一番信用できるのは彼女だ。
彼女が昔の私に似ていて、人を利用するほど器用じゃないと思うからかもしれない。
アリスとの2人部屋に入る。
ライアンは私たちの部屋の扉の前で立って、護衛をしてくれるようだった。
豪華絢爛な特別室とは違い、ベッドが2つと机が2つあるだけの狭い部屋だ。
私は自分のベッドに座り、彼女も向かいにある自分のベッドに座った。
彼女は遠慮がちに私の隣に座ると、意を決したように真剣な目で私に告げてきた。
「わ、私、オスカー・ミエーダ侯爵令息をお慕いしています!」
一瞬、私が愛の告白をされたのかと思ったが、ルシアの兄が好きだという告白のようだ。
(もしかして、自分の秘密を話すことで私の味方だと伝えてくれてる?)
彼女がこの告白をルシアにするのは相当な勇気が言ったはずだ。
「教えてくれてありがとう! アリスの恋を応援するわ。オスカーお兄様はとても素敵な人よ」
はっきり言って、血が繋がってなかったら私もオスカー推しだ。
同じ年の男に傷つけられたからか、もし誰かを信じられ付き合うことがあったら優しい人が良いと思っていた。
優しい年上、オスカーなら間違いない。
「先程のお話ですが、ルシア様は本当はカイロス国王陛下の娘だったということですよね。お父様が亡くなられたなんて⋯⋯お辛いですよね」
アリスは頭の良い子だ。
ミカエルの策略により、私はセリーナ・ミエーダ侯爵夫人がカイロス国王の弟サンタナ・ローランと不貞を働いてできた子ということになっている。
でも、私とアルベルト様の会話から、真実は私がカイロス国王の子だと気がついたのだろう。
そして、今、私が父親を失って悲しんでいると心に寄り添おうとしてくれている。
私は本物のルシアじゃないから、自分の父親が亡くなったという実感ががない。
「アリス、私のこと心配してくれてありがとね。私、この世界で1番あなたのことが好きよ」
私は気がつけば本音を漏らしながら、アリスを抱きしめていた。
昔の私に似て、利用されやすく生真面目な彼女。
オスカーやアルベルト様もルシアを想ってくれているのだろうけれど、私はイマイチ信用できない。
「あ、ありがとうございます。嬉しいです、ルシア様⋯⋯」
私は自分が今想像以上に不安定な精神状態であることに気がついた。
アリスからすれば、嫌がらせをしていたかもしれないルシアの態度の変化に戸惑って当然だ。
トントン。
扉をノックする音が聞こえて、私は扉を開けた。
(レオ・ステラン公子⋯⋯)
茶髪に緑色の瞳をした攻略対象の1人レオ・ステラン公子がそこにいた。
ステラン公爵家は帝国一裕福で、2代前の国王陛下の治世までは代々宰相を務めていた超名門貴族だ。
しかし、あまりにステラン公爵家の力が強すぎることを危惧され、今ではルシアの父ケント・ミエーダ侯爵が宰相を務めている。
それでも、莫大な財産を持つステラン公爵家は経済界に多大な影響を持っているので無視できない。
「ステラン公子⋯⋯ここには一体なんの用で⋯⋯」
私が彼の登場に驚いていると、彼は余裕の表情で私の耳元に顔を寄せてきた。
「よくできたね。ルシア⋯⋯邪魔者がいる場所ではその呼び方が正しいよ」
私は一瞬鳥肌がたった。
甘みを帯びた囁き声⋯⋯ルシアとレオ・ステランはただならぬ関係なのではないだろうか。
「レオ⋯⋯早く、2人きりになりたい」
何が正解か分からないが、2人の関係性を予想し私は彼の耳元に囁き返した。
そうするとレオが満足そうな顔をして私の腕を引く。
「ルシア・ミエーダ侯爵令嬢をお借りしますね。アリスさん」
一瞬、アリスの心配そうな顔が見えたので私は微笑んで大丈夫だということを伝えた。
私はレオに連れられて、部屋を出た。
部屋の扉の前にいるライアンがレオを睨みつけると距離をとって後をついてきた。
何だか、余計なことを言うと色々ぶち壊してしまう気がしていた。
そもそも、ここは乙女ゲームの世界であるはずなのに既に世界全体が殺伐とした雰囲気になっている。
(バタフライエフェクト⋯⋯私の行動のせいで色々変わってしまってる? まさか人まで死ぬなんて⋯⋯)
寮の長い廊下を歩いていると、学生が近寄らない関係者のゾーンまできた。
開けて良いのか分からない扉をレオが当たり前のように開けると、また長い通路があり行き止まりに扉に辿り着いた。
その扉を当たり前のようにレオが開けると、寮の中とは思えない豪華絢爛とした部屋があった。
吹き抜けになっていて天井が高く、調度品も明らかに一流のものが揃えられている。
私があまりの素敵な部屋に見惚れているとレオに突然キスをされた。
(これって挨拶のキスとかじゃない⋯⋯明らかに恋人同士のキスだ⋯⋯)
彼氏がいた経験なんてないけれど、明らかにレオがルシアを恋人扱いしているのが分かった。
ゲームの中でレオはルシアを盲目的に慕っているような様子だったが、裏でこのような関係だったのだろうか。
ルシアが何らかの目的を持って、ここまで甘い関係性に持ってっている可能性もある。
レオルートではアリスに出会うことで、レオはルシアには利用されていただけだったと気がつくのだ。
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レオの利用価値とは莫大な資産と、実家の政治力だろうか。
「ちょっと、待ってレオ! 話そう」
「はあ、僕は今直ぐにでも君と愛しあいたいんだけど⋯⋯ミカエルの隣にいる君を僕がどんな目で見ているか気がついてないんだね」
レオの斜め上の発言に驚いていると、視界にベッドが入った。
(いやいや⋯⋯『誘惑の悪女』なんてタイトルだけど全年齢向けのゲームだから⋯⋯)
頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
レオとの間に、ものすごい温度差を感じている。
彼は他の攻略対象とは違って、既にルシアと深い関係になっているのかもしれない。
次期国王の婚約者である私を、こんな風に恋人扱いするレオには違和感しかない。
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