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24.じゃあ、予定通り俺たちが婚約しようか。
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アルベルト・ローラン⋯⋯俺は自分がローラン王国の次期国王になれないと分かったのでスグラ王国に来た。
なぜなら、俺は母ナタリー・ローラン女王と護衛騎士の間に生まれた子なのだ。公式的にはナタリー・ローランとサンタナ・ローランの間の子ということになっている。
俺は自分の身の振り方を考え、スグラ王国に留学に来た。
目的はルシア・ミエーダ侯爵令嬢が実は国王の子なのではないかという噂の真偽の検証だった。
もし、それが真実であれば彼女がスグラ王国の女王になる可能性がある。
その場合はミカエルとの婚約継続は難しくなるだろう。
そこで彼女を自分のものにして仕舞えば、俺は女王の夫になれる。
ルシアは頭の悪い女なので、実権は俺が握れるだろう。
(不正をするにしても、全科目満点とか、やりすぎだろ⋯⋯バカ女め)
そして、俺の思惑以上に状況は良くなっていた。
噂は本当でルシアは国王の娘だった。
そして、彼女の方から俺に好意を持ち、ミカエルと婚約破棄したら俺と婚約したいと言ってきたのだ。
彼女は見た目が抜群に良いので、彼女から慕われるのは悪い気はしなかった。
相当俺に惚れているようで、1度キスしてやると、もう1度して欲しいと強請ってきた。
寮の特別室の扉をノックする音がして扉を開けるとルシアがいた。
流れるような艶やかな銀髪に、薄紫の澄んだ瞳に透き通るような白い肌。
(やっぱ良い女だよな⋯⋯もう、抱いちゃっても良いかもな⋯⋯)
「ルシア⋯⋯突っ立ってないで、中に入りなよ」
俺は優しい表情を作りながら部屋の中に彼女を招き入れ、赤いベロアのソファーに座るように促した。
俺は彼女に紅茶を差し出してやろうと準備する。
(ちょっと優しくすれば、本当に簡単に惚れてくれるから楽過ぎる⋯⋯)
「アルベルト様⋯⋯国葬の件お聞きになりましたよね。幸いミカエルはお咎めがなくなり、彼との婚約も破棄されそうです」
「そう、じゃあ、予定通り俺たちが婚約しようか」
「いえ、ミカエルがアルベルト様とだけは婚約しないで欲しいというので、婚約の話はなかった事にしてください」
俺はあまりの出来事に紅茶を注ぎ過ぎてしまった。
「アルベルト様、紅茶漏れてますけれど⋯⋯」
紅茶なんてどうでも良い。
(俺のこと好きだったんじゃないのか? 何言ってるんだこの女⋯⋯)
「どうして? ミカエルの言うことなんて無視すれば良いんじゃないの? 俺のこと好きなんだろ?」
思わず彼女の腕を引き、自分の方に抱き寄せた。
彼女はなぜか困ったように俺から距離をとった。
「ミカエルのことは無視できません。それに、私、アルベルト様のこと好きなんですか? 私はミカエルとの婚約破棄後、レオ・ステランと婚約しない為にアルベルト様に婚約をお願いしたんですが」
ルシアは震える手で手作りクッキーを持って来て愛の告白してきたり、キスのおかわりをオネダリしてきたはずだ。
(意味がわからない⋯⋯この俺が弄ばれたのか?)
「君はどう考えても俺のことが好きだと思うけど⋯⋯」
「正直に言いますね⋯⋯確かに、アルベルト様は私にとって、どうでも良い相手ではないです。少しときめいたりもした気もします。でも、今、全くアルベルト様に対して恋愛感情はありません。では、失礼します。お茶、美味しかったです」
ルシアは漏れそうなお茶を器用に口元に持っていき、一口だけ口をつけると一礼して去っていった。
その仕草が、まるで少し味見したら俺に飽きたと言われているようで無性に腹が立った。
なぜなら、俺は母ナタリー・ローラン女王と護衛騎士の間に生まれた子なのだ。公式的にはナタリー・ローランとサンタナ・ローランの間の子ということになっている。
俺は自分の身の振り方を考え、スグラ王国に留学に来た。
目的はルシア・ミエーダ侯爵令嬢が実は国王の子なのではないかという噂の真偽の検証だった。
もし、それが真実であれば彼女がスグラ王国の女王になる可能性がある。
その場合はミカエルとの婚約継続は難しくなるだろう。
そこで彼女を自分のものにして仕舞えば、俺は女王の夫になれる。
ルシアは頭の悪い女なので、実権は俺が握れるだろう。
(不正をするにしても、全科目満点とか、やりすぎだろ⋯⋯バカ女め)
そして、俺の思惑以上に状況は良くなっていた。
噂は本当でルシアは国王の娘だった。
そして、彼女の方から俺に好意を持ち、ミカエルと婚約破棄したら俺と婚約したいと言ってきたのだ。
彼女は見た目が抜群に良いので、彼女から慕われるのは悪い気はしなかった。
相当俺に惚れているようで、1度キスしてやると、もう1度して欲しいと強請ってきた。
寮の特別室の扉をノックする音がして扉を開けるとルシアがいた。
流れるような艶やかな銀髪に、薄紫の澄んだ瞳に透き通るような白い肌。
(やっぱ良い女だよな⋯⋯もう、抱いちゃっても良いかもな⋯⋯)
「ルシア⋯⋯突っ立ってないで、中に入りなよ」
俺は優しい表情を作りながら部屋の中に彼女を招き入れ、赤いベロアのソファーに座るように促した。
俺は彼女に紅茶を差し出してやろうと準備する。
(ちょっと優しくすれば、本当に簡単に惚れてくれるから楽過ぎる⋯⋯)
「アルベルト様⋯⋯国葬の件お聞きになりましたよね。幸いミカエルはお咎めがなくなり、彼との婚約も破棄されそうです」
「そう、じゃあ、予定通り俺たちが婚約しようか」
「いえ、ミカエルがアルベルト様とだけは婚約しないで欲しいというので、婚約の話はなかった事にしてください」
俺はあまりの出来事に紅茶を注ぎ過ぎてしまった。
「アルベルト様、紅茶漏れてますけれど⋯⋯」
紅茶なんてどうでも良い。
(俺のこと好きだったんじゃないのか? 何言ってるんだこの女⋯⋯)
「どうして? ミカエルの言うことなんて無視すれば良いんじゃないの? 俺のこと好きなんだろ?」
思わず彼女の腕を引き、自分の方に抱き寄せた。
彼女はなぜか困ったように俺から距離をとった。
「ミカエルのことは無視できません。それに、私、アルベルト様のこと好きなんですか? 私はミカエルとの婚約破棄後、レオ・ステランと婚約しない為にアルベルト様に婚約をお願いしたんですが」
ルシアは震える手で手作りクッキーを持って来て愛の告白してきたり、キスのおかわりをオネダリしてきたはずだ。
(意味がわからない⋯⋯この俺が弄ばれたのか?)
「君はどう考えても俺のことが好きだと思うけど⋯⋯」
「正直に言いますね⋯⋯確かに、アルベルト様は私にとって、どうでも良い相手ではないです。少しときめいたりもした気もします。でも、今、全くアルベルト様に対して恋愛感情はありません。では、失礼します。お茶、美味しかったです」
ルシアは漏れそうなお茶を器用に口元に持っていき、一口だけ口をつけると一礼して去っていった。
その仕草が、まるで少し味見したら俺に飽きたと言われているようで無性に腹が立った。
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