10 / 24
10.消えた彼女(ライ視点)
しおりを挟む
佐々木雫曰く、真夏ちゃんは仕事を辞めて寮も出て、鎌倉に住んでいるらしい。
俺は冬城真夏が初めて理解できなくて困惑した。俺に夢中だという目をして大好きだった仕事を捨てた彼女の考えが理解できない。
「俺だけが真夏ちゃんを好きだったのかな⋯⋯」
思わず漏れた俺の声に佐々木雫がクスクス笑う。
「綺麗な目を初めは好きになったんですって」
「その話、もっと聞かせて」
俺は自分の自信を取り戻す為に、冬城真夏が自分をどれだけ好きだったかの話を聞いた。
定例会議を終え佐々木雫を見送ると、ラウンジ横のホテルのロビーに紙袋の中身をじっと見つめる父の秘書の女を見つけた。
「その紙袋は何?」
俺が声を掛けるとビクッとして紙袋を後ろ手に隠す彼女。俺は反射的に彼女の腕を掴み、紙袋を取り上げた。
中に入っていたのは、母の形見であるトランキルブルーのワンピースと白のアンゴラコートだ。
「真夏ちゃん、ここに来てたの?」
俺の言葉を肯定するように秘書は目を泳がす。
「他には何か受け取った?」
「家の鍵を。真夏さんは、もう会いたくないそうです」
お揃いのイルカのストラップが外された鍵を渡され、怒りが込み上げてくる。
冬城真夏が会社の利益にならないような家庭の子だから、父が俺から遠ざけようと動いていたのではないだろうか。
俺にとって冬城真夏は特別な子だ。日陰の存在だった母に対して、否定的でなかった女は初めて。
迷惑な自殺をした金持ちの妾と死んでも侮辱される母。真夏ちゃんは純粋に俺と一緒に母のお墓の前で泣いてくれるような子だろう。天然記念物のような透明で優しい彼女を手放したくはない。
「間口さんでしたっけ。真夏ちゃんに何を言ったんですか? 正直に言ってください」
「私はただ現状をご報告したまでです」
先程まで俺は佐々木雫とアフタヌーンティーをしていた。佐々木雫は俺の婚約者という事になっている。
母に祖父が涼波圭吾を諦めさせたのと同じ手口だ。当時の母は既に涼波圭吾の子である俺を妊娠していた。
「現状? 彼女を傷つけるような事を言っていたら承知しないからな」
怒りで声が震える。真夏ちゃんに佐々木雫の事を説明しておくべきだった。俺は彼女と結婚する気がないし、彼女も親に要求されるがまま俺と定期的に会っているだけだ。
間口を問い詰めようとした瞬間、俺に声を掛けてきたのは父だった。
「ライ、少し部屋で話そうか」
ホテルのスイートルームに案内され父と対峙する。
この部屋はよく父が生前の母と俺と面会する時に使っていた。父は母という恋人がいながら、親に言われた通りの相手と結婚。当時、俺を妊娠していた母は未婚の母となった。
「ご要望通りに会社は継ぎます。でも、結婚相手くらいは自分で決めさせてください」
自然と出てきた言葉に、自分は真夏ちゃんと結婚して一生一緒にいたいと思っていると再確認する。
「佐々木雫と結婚しなさい。会社の利益になる。私もそういう結婚をした」
「お断りします。佐々木さん自身も俺との結婚を望んでいません」
「そんな事は関係ない。佐々木さんを生理的に受け付けない訳ではないなら結婚しなさい。彼女はレズビアンで、元々お前が外に恋人を持つことには寛容だ。そういう相手との結婚が一番良い」
佐々木雫のプライバシーをあっさりとアウティングする涼波圭吾に腹が立つ。そんな事はある程度彼女と関われば、薄々気がついていた事だった。まるで、彼は自分が正しい道を歩み、同じような道を俺にも辿れと言っているようだ。
俺の母を自殺にまで追い込みながら許せない。
「跡取りが必要なのではないですか?」
「レズビアンでも女なんだから、子供は産めるだろう」
涼波圭吾のクズな思考に吐き気がする。母が何故このような男を好きだったのか理解に苦しむ。
「俺は冬城真夏と結婚したいです。彼女は涼波食品が大好きだったのに急に退職なんてして、何があったんですか?」
「冬城真夏だけはダメだ。もう関わるのはやめなさい。彼女はヤクザの娘だから解雇した」
父が淡々と語る事が真実とは思えなかった。ヤクザという社会を悩ます反社会的勢力と純粋で天使みたいな真夏ちゃんが結びつかない。
「冬城真夏が、冬城組の関係者だとでも思われているんですか? 苗字が一緒なだけですよね」
「正真正銘、アレは冬城組の組長、冬城源次郎の一人娘である冬城真夏だ。どうしてそんなに拘る。女ならいくらでも他にいるだろう。極道の女の手練手管に惑わされたか?」
俺はふとクリーニングに出して返ってきた真夏ちゃんの着物を思い出していた。縦縞の模様、黒地に流水が入った上質な着物は極道の女のものだ。
「彼女の正体が何でも俺は彼女を愛しています」
「そんなものは一時的で取るに足らない感情だ。女は古びると見れたものじゃない。会社の為の結婚さえすれば、女を好きに買い替えられる立場を大人しく享受しなさい」
父の言い分には実感があった。確かに彼は一生に一度のような恋を母として捨てた。そして今は若い愛人に夢中。俺が就職したら早々社長職を俺に渡して、愛人と南の島で暮らすという。
正妻は跡取りを産めなかった引け目からか何も言わない。そんな女の弱みに漬け込んで、情も持たずに自分の欲望を満たすだけに生きるのが俺の父親だ。真夏ちゃんと出会うまでは俺も所詮、自己中心的な父の血を継いでるのだと諦めていた。
誰も心から愛おしいと思えず、来るもの拒まず去るもの追わずで女と関係を持った。数なんて数えてないけれど、ちゃんと付き合ったと言える女も三人くらいはいる。
真夏ちゃんが現れて、俺は運命の相手と出会えていなかっただけだったと安心した。愛おしくて、ずっと彼女の事を考えてしまうくらい深い谷底に落ちるような恋をした。
臆病でやり方も分からなくて自分からは口説けなかったけれど、彼女も俺を深く好きでいてくれたから結ばれることができた。俺みたいな人間にとって、真夏ちゃんは奇跡の人だった。
秘書の間口を問い詰め、俺は真夏ちゃんの居場所に辿り着く。
そこで真夏ちゃんは、京極清一郎の女になっていた。
俺は冬城真夏が初めて理解できなくて困惑した。俺に夢中だという目をして大好きだった仕事を捨てた彼女の考えが理解できない。
「俺だけが真夏ちゃんを好きだったのかな⋯⋯」
思わず漏れた俺の声に佐々木雫がクスクス笑う。
「綺麗な目を初めは好きになったんですって」
「その話、もっと聞かせて」
俺は自分の自信を取り戻す為に、冬城真夏が自分をどれだけ好きだったかの話を聞いた。
定例会議を終え佐々木雫を見送ると、ラウンジ横のホテルのロビーに紙袋の中身をじっと見つめる父の秘書の女を見つけた。
「その紙袋は何?」
俺が声を掛けるとビクッとして紙袋を後ろ手に隠す彼女。俺は反射的に彼女の腕を掴み、紙袋を取り上げた。
中に入っていたのは、母の形見であるトランキルブルーのワンピースと白のアンゴラコートだ。
「真夏ちゃん、ここに来てたの?」
俺の言葉を肯定するように秘書は目を泳がす。
「他には何か受け取った?」
「家の鍵を。真夏さんは、もう会いたくないそうです」
お揃いのイルカのストラップが外された鍵を渡され、怒りが込み上げてくる。
冬城真夏が会社の利益にならないような家庭の子だから、父が俺から遠ざけようと動いていたのではないだろうか。
俺にとって冬城真夏は特別な子だ。日陰の存在だった母に対して、否定的でなかった女は初めて。
迷惑な自殺をした金持ちの妾と死んでも侮辱される母。真夏ちゃんは純粋に俺と一緒に母のお墓の前で泣いてくれるような子だろう。天然記念物のような透明で優しい彼女を手放したくはない。
「間口さんでしたっけ。真夏ちゃんに何を言ったんですか? 正直に言ってください」
「私はただ現状をご報告したまでです」
先程まで俺は佐々木雫とアフタヌーンティーをしていた。佐々木雫は俺の婚約者という事になっている。
母に祖父が涼波圭吾を諦めさせたのと同じ手口だ。当時の母は既に涼波圭吾の子である俺を妊娠していた。
「現状? 彼女を傷つけるような事を言っていたら承知しないからな」
怒りで声が震える。真夏ちゃんに佐々木雫の事を説明しておくべきだった。俺は彼女と結婚する気がないし、彼女も親に要求されるがまま俺と定期的に会っているだけだ。
間口を問い詰めようとした瞬間、俺に声を掛けてきたのは父だった。
「ライ、少し部屋で話そうか」
ホテルのスイートルームに案内され父と対峙する。
この部屋はよく父が生前の母と俺と面会する時に使っていた。父は母という恋人がいながら、親に言われた通りの相手と結婚。当時、俺を妊娠していた母は未婚の母となった。
「ご要望通りに会社は継ぎます。でも、結婚相手くらいは自分で決めさせてください」
自然と出てきた言葉に、自分は真夏ちゃんと結婚して一生一緒にいたいと思っていると再確認する。
「佐々木雫と結婚しなさい。会社の利益になる。私もそういう結婚をした」
「お断りします。佐々木さん自身も俺との結婚を望んでいません」
「そんな事は関係ない。佐々木さんを生理的に受け付けない訳ではないなら結婚しなさい。彼女はレズビアンで、元々お前が外に恋人を持つことには寛容だ。そういう相手との結婚が一番良い」
佐々木雫のプライバシーをあっさりとアウティングする涼波圭吾に腹が立つ。そんな事はある程度彼女と関われば、薄々気がついていた事だった。まるで、彼は自分が正しい道を歩み、同じような道を俺にも辿れと言っているようだ。
俺の母を自殺にまで追い込みながら許せない。
「跡取りが必要なのではないですか?」
「レズビアンでも女なんだから、子供は産めるだろう」
涼波圭吾のクズな思考に吐き気がする。母が何故このような男を好きだったのか理解に苦しむ。
「俺は冬城真夏と結婚したいです。彼女は涼波食品が大好きだったのに急に退職なんてして、何があったんですか?」
「冬城真夏だけはダメだ。もう関わるのはやめなさい。彼女はヤクザの娘だから解雇した」
父が淡々と語る事が真実とは思えなかった。ヤクザという社会を悩ます反社会的勢力と純粋で天使みたいな真夏ちゃんが結びつかない。
「冬城真夏が、冬城組の関係者だとでも思われているんですか? 苗字が一緒なだけですよね」
「正真正銘、アレは冬城組の組長、冬城源次郎の一人娘である冬城真夏だ。どうしてそんなに拘る。女ならいくらでも他にいるだろう。極道の女の手練手管に惑わされたか?」
俺はふとクリーニングに出して返ってきた真夏ちゃんの着物を思い出していた。縦縞の模様、黒地に流水が入った上質な着物は極道の女のものだ。
「彼女の正体が何でも俺は彼女を愛しています」
「そんなものは一時的で取るに足らない感情だ。女は古びると見れたものじゃない。会社の為の結婚さえすれば、女を好きに買い替えられる立場を大人しく享受しなさい」
父の言い分には実感があった。確かに彼は一生に一度のような恋を母として捨てた。そして今は若い愛人に夢中。俺が就職したら早々社長職を俺に渡して、愛人と南の島で暮らすという。
正妻は跡取りを産めなかった引け目からか何も言わない。そんな女の弱みに漬け込んで、情も持たずに自分の欲望を満たすだけに生きるのが俺の父親だ。真夏ちゃんと出会うまでは俺も所詮、自己中心的な父の血を継いでるのだと諦めていた。
誰も心から愛おしいと思えず、来るもの拒まず去るもの追わずで女と関係を持った。数なんて数えてないけれど、ちゃんと付き合ったと言える女も三人くらいはいる。
真夏ちゃんが現れて、俺は運命の相手と出会えていなかっただけだったと安心した。愛おしくて、ずっと彼女の事を考えてしまうくらい深い谷底に落ちるような恋をした。
臆病でやり方も分からなくて自分からは口説けなかったけれど、彼女も俺を深く好きでいてくれたから結ばれることができた。俺みたいな人間にとって、真夏ちゃんは奇跡の人だった。
秘書の間口を問い詰め、俺は真夏ちゃんの居場所に辿り着く。
そこで真夏ちゃんは、京極清一郎の女になっていた。
11
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
【完結】恋ではなくなったとしても
ねるねわかば
恋愛
没落した貴族家の令嬢アリーネは、家族を支えるため王都の社交サロンで同伴者として働いていた。
十一年前、彼女は婚約者イアン・ハイモンドに切り捨てられ、家もまた鉱山問題によって没落の危機に陥った。
時が流れ、社交界で再会した二人は、依頼主と同伴者という関係で再び顔を合わせることになる。
接客のプロとして振る舞おうとするアリーネだが、整理したはずだった感情が騒ぎはじめ、揺れている心を自覚する。
一方イアンは、壮年の男爵に寄り添うアリーネを見て何を思うのか。
諦念、罪悪感、同情。長い年月を経て変質せざるを得なかった二人の想いが、再会によってまたその形を変えていく。
2万字くらいのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる