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その十八
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忍は目隠ししたまま連れていかれ、次に目隠しがとられた時、おお座敷の中央にいて、周囲を複数の男に囲まれていた。
一番忍の目の前に宗次が陣取っている。その後ろに複数の上半身裸で入れ墨をした複数の男がいて、妙な迫力に忍は内心怯える。
「この中の男に興味がある奴が、忍君相手してくれるんやて。おおきに。ほな、忍君服脱いでもらいまひょか?」
にこにこ宗次は笑いながら手に持っていた仰いでいた扇子を叩く。
びくりと、忍は体を震わす。
「あ、あの服って」
「わしらとセックスしてくれるんやろ、忍君は?せやさかい、裸にならな。それも義嗣のために。健気なこったいな」
そういうと、げらげら宗次の後ろにいる男たちが笑い声をあげる。その大勢の男の中に、忍のことをビデオカメラで撮っている男もいる。やめてほしい。
意を決して忍はワイシャツのボタンを二つ外す。その手も止まってしまう。
「どないしたん?忍君の覚悟はどないしたん」
「あ、あの、そんなにみられると、恥ずかしいです」
忍は真っ赤になって、うつむく。
すると忍の目の前にいる男たちの視線がぎんっと、殺気のようなものをましたようで、忍は冷や汗をかく。ぎらぎら獣のような複数の視線が突き刺さる。
「く!そんなに怯えんといても、おっちゃんらは怖くないで」
こらえきれないような宗次は笑いを漏らし、扇子で忍に向かって手招きする。仕方なく忍は宗次のもとへと歩み寄る。
「勇気がない忍君のために、わしが脱がしてやらな」
宗次の手が忍のワイシャツを釦を外し、ズボンのベルトとチャックをあっという間に外してしまう。最後に残った忍の下着を宗次はやけにゆっくりおろしていく。
背後にいる男が冗談半分で口笛を吹くのが恥ずかしい。
ウインクしながら宗次の指が、忍の下腹部をつたう。
「綺麗な裸や、忍君」
「い、いえ」
「忍君はキスしたことあるか?」
宗次の問いかけに、忍の脳裏に義嗣の顔が思い浮かぶ。本当のファーストキスは事故みたいな弟とのキスだけど。本当の初めてのキスは何故か義嗣が思い浮かぶ。
なんだか悲しくて切なくて、忍は俯く。
「ほな、おっちゃんともキスしようや」
忍は宗次に引き寄せられる。目と鼻の先に宗次の顔がある。不思議なことに宗次の顔はお狐様みたいな神秘的な顔に見える。見ようによってはハンサムで端正な顔立ちだ。
キスなんてするのは嫌だが、これもすべては義嗣のためだ。少しの間我慢すれば、すべてすむ。
「舌だしいや、忍君」
「舌!?」
キスで舌を使うのは知っていたが、忍はなんだか驚愕する。
「そうや、はよしい」
宗次は意地悪く笑っている。忍は意を決して、あっかんべをする。宗次は含み笑いをすると、忍の舌の上に、舌を乗せる。
ぞわりと忍の全身に、悪寒が走る。
そのまま強引に宗次に引き寄せられ、よろけた忍は宗次の上に覆いかぶさる状態になる。忍の口内に宗次の舌が入り込んでえぐってくる。
気持ち悪くて、嫌で、忍は涙を流し、宗次が口を放した瞬間、嗚咽を漏らしてしまう。
「そんなん泣かないでぁな、忍君、....興奮してしまうやろ」
そう言って笑んだ宗次の笑みが、あまりにも邪悪な恐ろしい笑みで、忍は恐怖で凍り付いた。
なんとなく肉食獣の前の草食動物のように、忍は喰われると思い、心底怯えたのだった。
一番忍の目の前に宗次が陣取っている。その後ろに複数の上半身裸で入れ墨をした複数の男がいて、妙な迫力に忍は内心怯える。
「この中の男に興味がある奴が、忍君相手してくれるんやて。おおきに。ほな、忍君服脱いでもらいまひょか?」
にこにこ宗次は笑いながら手に持っていた仰いでいた扇子を叩く。
びくりと、忍は体を震わす。
「あ、あの服って」
「わしらとセックスしてくれるんやろ、忍君は?せやさかい、裸にならな。それも義嗣のために。健気なこったいな」
そういうと、げらげら宗次の後ろにいる男たちが笑い声をあげる。その大勢の男の中に、忍のことをビデオカメラで撮っている男もいる。やめてほしい。
意を決して忍はワイシャツのボタンを二つ外す。その手も止まってしまう。
「どないしたん?忍君の覚悟はどないしたん」
「あ、あの、そんなにみられると、恥ずかしいです」
忍は真っ赤になって、うつむく。
すると忍の目の前にいる男たちの視線がぎんっと、殺気のようなものをましたようで、忍は冷や汗をかく。ぎらぎら獣のような複数の視線が突き刺さる。
「く!そんなに怯えんといても、おっちゃんらは怖くないで」
こらえきれないような宗次は笑いを漏らし、扇子で忍に向かって手招きする。仕方なく忍は宗次のもとへと歩み寄る。
「勇気がない忍君のために、わしが脱がしてやらな」
宗次の手が忍のワイシャツを釦を外し、ズボンのベルトとチャックをあっという間に外してしまう。最後に残った忍の下着を宗次はやけにゆっくりおろしていく。
背後にいる男が冗談半分で口笛を吹くのが恥ずかしい。
ウインクしながら宗次の指が、忍の下腹部をつたう。
「綺麗な裸や、忍君」
「い、いえ」
「忍君はキスしたことあるか?」
宗次の問いかけに、忍の脳裏に義嗣の顔が思い浮かぶ。本当のファーストキスは事故みたいな弟とのキスだけど。本当の初めてのキスは何故か義嗣が思い浮かぶ。
なんだか悲しくて切なくて、忍は俯く。
「ほな、おっちゃんともキスしようや」
忍は宗次に引き寄せられる。目と鼻の先に宗次の顔がある。不思議なことに宗次の顔はお狐様みたいな神秘的な顔に見える。見ようによってはハンサムで端正な顔立ちだ。
キスなんてするのは嫌だが、これもすべては義嗣のためだ。少しの間我慢すれば、すべてすむ。
「舌だしいや、忍君」
「舌!?」
キスで舌を使うのは知っていたが、忍はなんだか驚愕する。
「そうや、はよしい」
宗次は意地悪く笑っている。忍は意を決して、あっかんべをする。宗次は含み笑いをすると、忍の舌の上に、舌を乗せる。
ぞわりと忍の全身に、悪寒が走る。
そのまま強引に宗次に引き寄せられ、よろけた忍は宗次の上に覆いかぶさる状態になる。忍の口内に宗次の舌が入り込んでえぐってくる。
気持ち悪くて、嫌で、忍は涙を流し、宗次が口を放した瞬間、嗚咽を漏らしてしまう。
「そんなん泣かないでぁな、忍君、....興奮してしまうやろ」
そう言って笑んだ宗次の笑みが、あまりにも邪悪な恐ろしい笑みで、忍は恐怖で凍り付いた。
なんとなく肉食獣の前の草食動物のように、忍は喰われると思い、心底怯えたのだった。
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