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第50話 災難呪われ。
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「まったく、人は弱いものをすぐ食おうとする。まぁ、私らドラゴンは人間らよりもそうだけど」
にやりと、ジュラは舌なめずりをする。
アルはまだ体の震えが止まらない。
「しかし、あんた妙に体が甘いにおいがする」
もう一度ドラゴンの姿になったジュラは、アルの目元の涙を吸い取る。
「ひ!?」と悲鳴を上げるアルに、ジュラは人の姿に戻り、「男のくせに泣くんじゃないよ」という。
酷い言い草である。
「涙に性別は関係ないと思います。泣かないのは健康に悪いです!セクハラもだめです」
「セクハラってなんだい?」
きょとんとした顔でジュラがきいてくる。
なんと説明したらよいものか、記憶喪失のアルは戸惑う。
「いや、なんか聞いたことあるな。確か異世界人の中に、そんな言葉を使う人間がいたような。
まぁ、私は人里から離れて暮らしているから、あまり人の言葉は知れないけど」
首をかしげるジュラ。
異世界人。その言葉に、アルは目を見開く。
そうその言葉がアルの中で、やっとこさしっくりくる。
「あ、あの、異世界人って」
「ここではない別の世界から来た人間だよ。よく時空のひずみか神のいたずらか何かで、この世界にやってくる迷子だな」
「ソニアさんにも聞いたことがあります」
「あ、それにあんた、何か体に障害があるか、記憶がないだろう?」
ずばっと、言い当てるジュラに、またアルは目を見開く。
「何故、それを?私、記憶がないんです」
アルはこの世界に来た時から記憶が全くない。
「だって、あんた、呪われているもの」
「は?」
「すんごい強力な呪い。あんた、神にでも呪われているんじゃないか?」
衝撃的なジュラの言葉に、アルは思考が停止した。
普通神様に祝福されてこの世界にいるもんじゃないのか?アルはあんまりのことに項垂れた。
「呪われて私の記憶がないとすると、私の記憶はどうすればよみがえるんでしょうか?」
「一番は呪い返しだね。だがあんたにかけられた呪いは、相当強い。神に打ち勝つ魔力のもちぬしじゃなきゃ、呪いを返そうとした時点で死ぬね。私も相当つよいけど、たぶん無理。跳ね返せるかどうかわかんないね。
始祖の神龍やら天地反逆のドラゴンとか、伝説級のドラゴンだったらできるかもね」
「頼めませんか?」
「さっきも言ったけど、私らドラゴンは、自分で言うのもなんだけど、たち悪いから。ドラゴンに願い事すると、何されるかわかんないね。あんた弱いくせに、いいにおいするからなおさら。まだ悪魔の方が取引には法則にのっとってやっているから、差し引きはわかる方なくらいさ。まぁ、悪魔が正式な取引をするのは、神に呪われているからなんだけど」
悪魔よりもヤバイって、どんななんだろうと、アルは項垂れる。
「まぁ、一応話だけでも聞いてみるかい?この町の大きな山のふもとに始祖に近い龍の一匹がいるんだが」
「うーん。今はいいです。いろいろ忙しいので」
「そうかい?じゃぁ、さっそく茶づくりしようか?茶づくり手伝ってくれれば、あんたにやるお茶無料でいいよ」
そういったジュラに、アルは思わず抱き着いてしまったら、ジュラにビンタされた。
悪いと思うが、なんだか解せないアルだった。
にやりと、ジュラは舌なめずりをする。
アルはまだ体の震えが止まらない。
「しかし、あんた妙に体が甘いにおいがする」
もう一度ドラゴンの姿になったジュラは、アルの目元の涙を吸い取る。
「ひ!?」と悲鳴を上げるアルに、ジュラは人の姿に戻り、「男のくせに泣くんじゃないよ」という。
酷い言い草である。
「涙に性別は関係ないと思います。泣かないのは健康に悪いです!セクハラもだめです」
「セクハラってなんだい?」
きょとんとした顔でジュラがきいてくる。
なんと説明したらよいものか、記憶喪失のアルは戸惑う。
「いや、なんか聞いたことあるな。確か異世界人の中に、そんな言葉を使う人間がいたような。
まぁ、私は人里から離れて暮らしているから、あまり人の言葉は知れないけど」
首をかしげるジュラ。
異世界人。その言葉に、アルは目を見開く。
そうその言葉がアルの中で、やっとこさしっくりくる。
「あ、あの、異世界人って」
「ここではない別の世界から来た人間だよ。よく時空のひずみか神のいたずらか何かで、この世界にやってくる迷子だな」
「ソニアさんにも聞いたことがあります」
「あ、それにあんた、何か体に障害があるか、記憶がないだろう?」
ずばっと、言い当てるジュラに、またアルは目を見開く。
「何故、それを?私、記憶がないんです」
アルはこの世界に来た時から記憶が全くない。
「だって、あんた、呪われているもの」
「は?」
「すんごい強力な呪い。あんた、神にでも呪われているんじゃないか?」
衝撃的なジュラの言葉に、アルは思考が停止した。
普通神様に祝福されてこの世界にいるもんじゃないのか?アルはあんまりのことに項垂れた。
「呪われて私の記憶がないとすると、私の記憶はどうすればよみがえるんでしょうか?」
「一番は呪い返しだね。だがあんたにかけられた呪いは、相当強い。神に打ち勝つ魔力のもちぬしじゃなきゃ、呪いを返そうとした時点で死ぬね。私も相当つよいけど、たぶん無理。跳ね返せるかどうかわかんないね。
始祖の神龍やら天地反逆のドラゴンとか、伝説級のドラゴンだったらできるかもね」
「頼めませんか?」
「さっきも言ったけど、私らドラゴンは、自分で言うのもなんだけど、たち悪いから。ドラゴンに願い事すると、何されるかわかんないね。あんた弱いくせに、いいにおいするからなおさら。まだ悪魔の方が取引には法則にのっとってやっているから、差し引きはわかる方なくらいさ。まぁ、悪魔が正式な取引をするのは、神に呪われているからなんだけど」
悪魔よりもヤバイって、どんななんだろうと、アルは項垂れる。
「まぁ、一応話だけでも聞いてみるかい?この町の大きな山のふもとに始祖に近い龍の一匹がいるんだが」
「うーん。今はいいです。いろいろ忙しいので」
「そうかい?じゃぁ、さっそく茶づくりしようか?茶づくり手伝ってくれれば、あんたにやるお茶無料でいいよ」
そういったジュラに、アルは思わず抱き着いてしまったら、ジュラにビンタされた。
悪いと思うが、なんだか解せないアルだった。
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