記憶喪失で美醜反転の世界にやってきて救おうと奮闘する話。(多分)

松井すき焼き

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第131話 エルフ達

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 エルフたちは何故か正座になりながら、眠っている美しい人間を見下ろしていた。
 
『…………』
エルフ一同眠っているアルに、釘付けである。

「お前らいつまでそうしているつもりだ?何もしないなら、そいつを連れて、もう村に行くぞ」
不機嫌な様子のゼノム。
村長の息子のゼノムは、いつも偉そうにしていると、フィリムは内心腹をたてるが、今は目の前にいる人間のことである。

「ど、どうしたらいいんだ?」
フィリムは周囲のエルフ達と、顔を合わせる。
皆緊張している様子だった。
「お、おら、童貞だ」
フィリムの言葉に、「おらも!!」と他のエルフも皆声を合わせて言う。
目の前の人間は、無防備だ。ごくりと、エルフ達は欲望を飲み込むが、皆童貞である。

「何をしている?何もしないのなら、さっさと里に行くぞ!早く里長様にご報告しなければならんのだぞ!」
ゼノムが焦らせてくる。

そこでフィリムはひとまず落ち着こうと、深呼吸する。
散々醜い種族だとエルフは嘲られてきた。
強力な魔力を持つエルフは、働く奴隷として人間どもには、ひどい目にあわされてきた。

「これは人間への復讐だ!」

そう叫んだフィリムは、眠っている人間に口づけてみる。
人間の唇は大変柔らかかった。ほわほわしている。

「あ、ずりい!おらも!!」
エルフ達は一斉に、寝ている人間に口づける。
間接キスのようで嫌だなとは思いつつも、美しい人間とのキスに盛り上がった。

「お、おら、おっぱい触ってみてえ」
どぎまぎ顔を赤くしながら、エルフの中でも差別されている青い瞳のルーが、もじもじしながら言う。
緑色の瞳こそがエルフだと言われている里で、青い瞳のルーへの扱いはひどい。
エルフの女とも無縁である。内心ルーは、こんな美しい人間に触れあえることに、舞い上がっていた。

「よ、よぉーし、服脱がせてみっか?」
 銀色に近い金の髪をしているムノアが、きりっとした表情で宣言する。

「そ、そうだな」
エルフ一同ためらいつつも、人間の洋服を脱がせて、露になった胸のピンクの頂を、思うさま触り始めた。
口に入れて吸ってみる。

「んん?」
人間は呻き声をあげると、エルフ皆の下半身は頂点になる。

眠っている人間は苦痛の声を上げ、何と目を覚ました。

「皆さん何しているんですか?」
人間は不思議そうに、エルフ達を見る。

エルフ達は、唾液でぬれた人間の胸に視線がいっていた。

ちなみにエルフさんたちは人前だと格好をつけて、一人称が俺ですが、日ごろはおらという一人称です。
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