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精神的に疲れた。
あの二人の顔を見たくない。
なぜ僕の後ろを付いてくるのかも意味がわからない。
トイレや風呂の中まで入って来ようとしてきたのには参った。
ちなみに初日であの二人は3度強制睡眠をくらっている。
2度目までは笑えたが3度目は笑えなかった。
なので特別室での強制同居のルールを決めた。

1.ガイディング以外の接触はしない。
2.必要以上に付きまとわない。
3.ケンカしない。
4.能力は使わない。
5.むやみに話しかけない。
6.勝手に人の部屋に入らない。
7.洗濯は各自で行う。
8.ちゃんと仕事をする。
9.職員を困らせない。
10.ごみはゴミ箱へ捨てる。
11.使った食器は流しに置く。
12.朝は自分で起きる。
13.仕事をする。
14.仕事の邪魔をしない。
15.仕事をさぼらない。

とりあえずテディに併せてルールをアナログではあるが大き目の紙に書き出した。
勿論個人と仕事用の端末のメモ機能を使い入力させ、且つロック画面に設定させた。
知らなかった・気づかなかったの言い訳をさせない為である。
それを見たビショップ君は「余裕ですね!」と揚々と返事をしたが、テディは何がどこをどう気に入らないのか無言で無視していた。
本当によくわからない。
「このルール守れよ!」
あいつは僕より背が高いので目の前に立たれると下から見上げないといけない。
真正面からより耳元近くではっきりと聞こえるようにテディに言わないと効果なさそうだったので出来るだけ背伸びをして伝えた。
テディは僕を見下しながら返事の代わりに頭をポンポンしてきた。
僕は子ども扱いか!!!
頭に置かれた手を叩き払い除けテディを睨みつけた後、ルールを書いた紙を一番立ち寄る回数が多そうなリビングのテーブルの上にわかりやすく置いた。
それから二人から逃げるように僕は勝手に決めた期間限定の自分の部屋へ入って行った。

ルールを決めた1時間後、二人は僕の部屋の前で昏睡状態になっていた。
意味が解らない。



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強制同居3日目にして僕の体重は5キロ位減ったんじゃないかと思う位疲れていた。
室長にも無理だと伝えるも”今週だけ頑張ろうよ”とヘラヘラした顔で僕を室長室から追い出した。
【上司の命令は絶対】今一番クソほど大嫌いな言葉だ。
僕の苦労を誰もわかってくれない。
初日に3回。
2日目は一日中家から出なかったので4回。
部屋の前が2回、トイレの前と風呂場の前が1回。
ドアの前で昏睡されると出られなくなるので本当に大変だったので二人が起きた後に注意するが…
あの二人は学習能力が無いのか同じようにドアの前で昏睡しやがる!!!
なので一人でウダウダかんげるのも嫌なのでズウォンさんに話を聞いてもらう事にした。
この2日間の事を色々話すとズウォンさんは苦虫を噛み潰した様ななんとも難しい顔をして頭を抱えながら「聞くことしかできなくてスマナイ」と言った。
アドバイスなんか期待していなかったので特に気にしないで良いと言い、言うだけ言うとスッキリはしていないが少しだけ…重荷の三分の一位は軽くなった気がした。
聞いてくれるだけでありがたい。
後でもう少し落ち着いたら聞いてくれたお礼を言おうと思う。

もうすぐ今日の勤務が終わる頃怪獣体の出現による出動命令が出た。
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