7 / 13
不死身
しおりを挟む
石田と杜山の2人は、1階の倉庫で息を潜めていた。
西之達が、扉が開かないなどと言っている時、
出ていこうとしたのだが、
男狼のレンが来たので、咄嗟に隠れたのだ。
「どうする?学校から出られないんじゃ、逃げても意味ないぞ?」
石田が聞く。
「…………くそっ!願いなんか叶えてくれねぇじゃん」
杜山は石田の問いには答えず、
愚痴を言い始める。
「そもそも憐が誘ってきたからやったのによ!
最悪だぜ」
杜山の愚痴は、止まりそうにない。
どうやら怒りの矛先は、憐に向いたようだ。
その時、石田がいきなり小声で杜山に聞いた。
「なぁ、レン殺すか?」
杜山は石田と距離を少しあけて言う。
「……いや、殺すって…………そこまで怒ってねぇよ」
「違う」
石田が即座に訂正する。
「男狼の、レンだ」
「……は!?」
そして、静かな作戦会議が始まった。
教室では………………
「「いつまでそこにいるんだい?
…………まぁ、そこにずっといてくれるほうが、
僕にとっては好都合なんだけどね」」
レンが話しかける。
「何……だって?」
憐が体を震わせる。
恐怖感によってではない、
怒りによってだ。
「何……してんだよ」
憐が聞く。
「「何って?願いを叶え…………」」
憐がレンの言葉を遮る。
「そうじゃねぇよ!!
何で人を殺すんだよ!!」
憐は元からすぐにカッっとなる性格だ。
クラスメイトの死は、
もちろん、我慢できなかった。
「「…………は?」」
レンがすさまじいプレッシャーを放つ。
が、憐は怯まず、レンを睨む。
「命は……重いんだよ!
尊いんだよ!!
お前なんかが、簡単に奪っていいもんじゃ、
ねぇんだよ!!!!
何の理由があろうとだ!!!!!」
憐が激情する。
「「……だから人間は嫌いなんだ。
命は重い?分かってるよ!!!
分かってるからするんだよ!!!
その命の対価があるからだ!!!!
時は確かに進んでるのに、
君たちは同じことを言う。
技術も、文化も発展していくなかで、
成長していくなかで、
お前達の心は成長しない!!!
犠牲はどんなものにもでてくる!
願いには必ず代償があるんだよ!!!!!」」
何年ぶりだろうか。
男狼が思いを人間に話すのは。
いつ頃からだろうか。
男狼が、人間に感謝しなくなったのは。
いや、最初からかもしれない。
男狼、レンは吠える。
「「嫌いだ!!!!
僕は、お前達が嫌いだ!!!!
理解もせずに、僕達に押し付けるな!!!」」
そう言ってレンは憐に向かって走り出す。
同時、いや、少し遅れて憐も走り出す。
「「死ね!!人間!!!!!!
我らの悲しみと怒りを、知れぇぇぇぇぇ!!!!」」
レンは咆哮を上げる。
憐は咄嗟に、机の中から坂口が持っていたものと同じカッターナイフを取り出した。
「「そんなもので殺せると?
なめるなぁぁぁ!!!」」
「っ!!!!
西之と…………坂口のぉ!!!
敵(かたき)!!!!」
レンが振り上げた手を、
憐に向かって勢いよく降り下ろす。
それを憐は反射だけで避けた。
そして、そのまま刃を………………
ブスッ
レンの首もとに、刃が突き刺さる。
「……っらぁ!!!!」
ザシュッ
レンの首もとが、深く切り裂かれる。
プシュッ
傷口から、血が吹き出る。
血は憐の顔にかかった。
ギョロ
レンの目が、しっかりと憐を見つめる。
瞬間、レンの傷口がふさがっていく。
たったの一瞬で、
憐のつけた渾身の一撃による傷はなおってしまった。
「……そ、んな」
「「残念だったね」」
レンが言う。
その時、憐の首もとが裂けた。
血が、吹き出る。
憐とレンの痛覚などの感覚は、リンクしている。
だから、レンが受けたダメージを、
憐も受けたのだ。
くそ…………!
心の中で、憐はそう呟く。
薄れ行く意識の中で、憐は聞いた。
「「僕は殺せないよ」」
心の中まで、絶望で黒く染まった気がした。
やつは、殺せない。
殺しては、いけないのだ。
そうして憐の意識は闇へと落ちた。
「「ふぅ、やっぱり、痛いねぇ」」
レンが呟く。
「「本物と戦うのは、よしたほうがいいねぇ。
…………あと、83回……か」」
教室には、そのレンの言葉しか聞こえなかった。
西之達が、扉が開かないなどと言っている時、
出ていこうとしたのだが、
男狼のレンが来たので、咄嗟に隠れたのだ。
「どうする?学校から出られないんじゃ、逃げても意味ないぞ?」
石田が聞く。
「…………くそっ!願いなんか叶えてくれねぇじゃん」
杜山は石田の問いには答えず、
愚痴を言い始める。
「そもそも憐が誘ってきたからやったのによ!
最悪だぜ」
杜山の愚痴は、止まりそうにない。
どうやら怒りの矛先は、憐に向いたようだ。
その時、石田がいきなり小声で杜山に聞いた。
「なぁ、レン殺すか?」
杜山は石田と距離を少しあけて言う。
「……いや、殺すって…………そこまで怒ってねぇよ」
「違う」
石田が即座に訂正する。
「男狼の、レンだ」
「……は!?」
そして、静かな作戦会議が始まった。
教室では………………
「「いつまでそこにいるんだい?
…………まぁ、そこにずっといてくれるほうが、
僕にとっては好都合なんだけどね」」
レンが話しかける。
「何……だって?」
憐が体を震わせる。
恐怖感によってではない、
怒りによってだ。
「何……してんだよ」
憐が聞く。
「「何って?願いを叶え…………」」
憐がレンの言葉を遮る。
「そうじゃねぇよ!!
何で人を殺すんだよ!!」
憐は元からすぐにカッっとなる性格だ。
クラスメイトの死は、
もちろん、我慢できなかった。
「「…………は?」」
レンがすさまじいプレッシャーを放つ。
が、憐は怯まず、レンを睨む。
「命は……重いんだよ!
尊いんだよ!!
お前なんかが、簡単に奪っていいもんじゃ、
ねぇんだよ!!!!
何の理由があろうとだ!!!!!」
憐が激情する。
「「……だから人間は嫌いなんだ。
命は重い?分かってるよ!!!
分かってるからするんだよ!!!
その命の対価があるからだ!!!!
時は確かに進んでるのに、
君たちは同じことを言う。
技術も、文化も発展していくなかで、
成長していくなかで、
お前達の心は成長しない!!!
犠牲はどんなものにもでてくる!
願いには必ず代償があるんだよ!!!!!」」
何年ぶりだろうか。
男狼が思いを人間に話すのは。
いつ頃からだろうか。
男狼が、人間に感謝しなくなったのは。
いや、最初からかもしれない。
男狼、レンは吠える。
「「嫌いだ!!!!
僕は、お前達が嫌いだ!!!!
理解もせずに、僕達に押し付けるな!!!」」
そう言ってレンは憐に向かって走り出す。
同時、いや、少し遅れて憐も走り出す。
「「死ね!!人間!!!!!!
我らの悲しみと怒りを、知れぇぇぇぇぇ!!!!」」
レンは咆哮を上げる。
憐は咄嗟に、机の中から坂口が持っていたものと同じカッターナイフを取り出した。
「「そんなもので殺せると?
なめるなぁぁぁ!!!」」
「っ!!!!
西之と…………坂口のぉ!!!
敵(かたき)!!!!」
レンが振り上げた手を、
憐に向かって勢いよく降り下ろす。
それを憐は反射だけで避けた。
そして、そのまま刃を………………
ブスッ
レンの首もとに、刃が突き刺さる。
「……っらぁ!!!!」
ザシュッ
レンの首もとが、深く切り裂かれる。
プシュッ
傷口から、血が吹き出る。
血は憐の顔にかかった。
ギョロ
レンの目が、しっかりと憐を見つめる。
瞬間、レンの傷口がふさがっていく。
たったの一瞬で、
憐のつけた渾身の一撃による傷はなおってしまった。
「……そ、んな」
「「残念だったね」」
レンが言う。
その時、憐の首もとが裂けた。
血が、吹き出る。
憐とレンの痛覚などの感覚は、リンクしている。
だから、レンが受けたダメージを、
憐も受けたのだ。
くそ…………!
心の中で、憐はそう呟く。
薄れ行く意識の中で、憐は聞いた。
「「僕は殺せないよ」」
心の中まで、絶望で黒く染まった気がした。
やつは、殺せない。
殺しては、いけないのだ。
そうして憐の意識は闇へと落ちた。
「「ふぅ、やっぱり、痛いねぇ」」
レンが呟く。
「「本物と戦うのは、よしたほうがいいねぇ。
…………あと、83回……か」」
教室には、そのレンの言葉しか聞こえなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる