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エピソード3
フェイタルフェイト3/31
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地球型惑星アースイレブン。
おおよそ一日は24時間であり、一年は約370日と地球と類似している。
同様に地球と条件の似たアーススリーとの違いは平均気温の高さと、全球の三分の一ほどの超巨大大陸の存在である。
今回の目的地である密猟者が居ると思われるアースイレブンの森林地帯の遥か上空へアマテラスは到着した。
「アイちゃん。確か密猟者の情報があったのって偵察衛星からの画像だよね?」
『はい、画像自体には異常はありませんが、専門家曰く画像のフレーム間に違和感があるのだそうです。
技術的にありえないといいますか。なにか高度な技術で細工された痕跡といいますか。
それも我々、霊子コンピューターですら欺けるレベルの精度で。
もちろん大抵の場合は何事も無いバグだったりするのですが、もしも密猟者の仕業だとしたらアースイレブンの生態系に深刻な影響を及ぼすかもしれませんね』
「ふむ、今どうなってるかは確認できるのかな?」
アマテラスはアースイレブン衛星軌道上にある偵察衛星にアクセスする。
『見てみますか? ちなみに今は分厚い雲に隠れていますから難しいでしょうね』
「げっ、まじか。きっと地上は大雨なんだろうな……」
よく見ると眼下に広がる雲の隙間から青白い稲光が見える。
『ええ、土砂降りでしょうね。まあ、マスターが降りる訳じゃないですし良いじゃないですか』
「まあな、それはそうなんだけど、せっかくのジュラシックなワールドなんだし、ちょっと見学に行ってみたいじゃないか。
この星には恐竜が居るんだぞ? しかも遺伝子をいじっていない天然物の恐竜。滅多にみられるもんじゃないだろ?
レッドドワーフの仕事が終わったら、ちょっとだけ地上に降りたいじゃないか」
『おやおや、そんなこと言ってると映画よろしくトラブルに巻き込まれますよ?
まあ日程は一週間ほどですし。最終日までには晴れるといいですね。
ちなみに惑星内では霊子通信および電波をつかった通信装置は禁止されていますので危険ですよ?』
「え? なんで? ……いや、まあ想像はつくけど。
あれだろ? 自然保護のためだろうな、現地生物への影響が云々ってやつ?」
『さすがはマスターです。ということですので使用できる機器はパッシブセンサーのみですね。
ちなみに科学的には霊子や電波が生物に与える影響はほぼないと結論が出ていますが、自然保護団体は100パーセント影響が無いと断言できない限りは承諾しないでしょう。
よほどの緊急事態が起こらない限りは通信システムは使えないと思ってください』
「まじかよ……ならレッドドワーフの皆さんとはどうやって連絡のやり取りをするんだよ」
『はい、ですので最低限の連絡方法で行動しなければなりません。例えば信号弾をつかった狼煙とかですね』
「アナログだなー。でもまあ、ルールなんだからしょうがないか」
そう、その環境を受け入れた上での今回の仕事だ。
もちろん自然保護団体レッドドワーフは、常にそういった環境で活動してきたプロフェッショナルである。
外野の俺達が今さらどうこう言う事でもない。
しかし、彼らが地上で活動している間は暇になりそうだな……。
俺は俺でインドアで楽しめる趣味でもして時間を潰すとしよう。ちょうどお預けにされてた荷物も開封しないとだしな。
「よし、そろそろ時間だな。俺は貨物搬入デッキの様子をみてくる」
俺はブリッジからエレベーターに乗りアマテラスの船尾にある貨物搬入デッキに向かう。
入って早速、レッドドワーフの団長さんの大きな声が聞こえた。
「おーし、お前等準備は良いな!」
レッドドワーフの皆さんは各々の得物を手にしながら貨物搬入デッキに勢ぞろいしている。
アサルトライフルにショットガン。グレネードランチャーなど様々だ。
それに装甲車や揚陸用舟艇などの乗り物まで揃えている。
団員たちは全員、肩や胸部に肘、膝を守るプロテクターのついた戦闘服にヘルメットを装着している。
お互いにプロテクターをぶつけ合い異常が無いか確認しているようだ。
ごろつきに見えてさすがはプロ集団、装備の点検を欠かさないようだ。
整備を終えた装甲車が次々と揚陸用舟艇に搬入されていく。
同時に他のメンバーも揚陸用舟艇に乗り込んでいく。
一人の副官らしき人物が団長さんの前まで来ると背筋を伸ばし敬礼をする。
「団長! 準備終えましたぜ!」
「おう、ごくろう。では作戦スタートだ。船長さん、今のところ俺らは順調だが。そちらさんはどうだい?」
「はい、こちらも問題ありません。アマテラスはこのまま成層圏まで降下します。ただ、地上は土砂降りの雷雨みたいですけど、大丈夫ですか?」
「がははは、俺達はプロですぜ。それに悪条件は密猟者共も同じ。むしろこちらの存在がバレずに地上降下出来るってもんですぜ!」
「分かりました。ではアイちゃん、アースイレブンへ突入開始だ!」
『了解しました。アマテラスはこれより、アースイレブンへ降下いたします。少し揺れますのでお気をつけて。マスターは速やかにブリッジへお戻りください』
福祉船アマテラスはタキオンエンジン搭載艦である。
もちろん地上の大気への汚染は科学的に無いとされている。
実際に地球では当たり前に地上に降りることができる。
だが科学の問題ではない。環境活動家界隈にとっては気持ちの問題である。
ということでアマテラスは対流圏以下への進入は許されていない。
成層圏ギリギリまで降下すると、真下には大きく成長した積乱雲がまるでキノコの傘のように成層圏との境界線に水平に広がっている。
「団長さん、そろそろ到着です。今ハッチを空けますので、揚陸用舟艇の降下準備を!」
俺がそう言うと、ブリッジのモニターから返事が聞こえた。
『おう、ご苦労さん。では予定通り、三日後に会おう。ではエアシェバード発進!』
アマテラス貨物搬入デッキのハッチが開くと、レッドドワーフのメンバーを乗せた揚陸用舟艇『エアシェパード』は雲海の中に消えた。
活動期間は一週間。
その中日、つまり三日後に一度、アマテラスへ戻り補給をするという手はずだ。
当然レッドドワーフの皆さんの休憩や報告、作戦の見直しなども含まれる。
おおよそ一日は24時間であり、一年は約370日と地球と類似している。
同様に地球と条件の似たアーススリーとの違いは平均気温の高さと、全球の三分の一ほどの超巨大大陸の存在である。
今回の目的地である密猟者が居ると思われるアースイレブンの森林地帯の遥か上空へアマテラスは到着した。
「アイちゃん。確か密猟者の情報があったのって偵察衛星からの画像だよね?」
『はい、画像自体には異常はありませんが、専門家曰く画像のフレーム間に違和感があるのだそうです。
技術的にありえないといいますか。なにか高度な技術で細工された痕跡といいますか。
それも我々、霊子コンピューターですら欺けるレベルの精度で。
もちろん大抵の場合は何事も無いバグだったりするのですが、もしも密猟者の仕業だとしたらアースイレブンの生態系に深刻な影響を及ぼすかもしれませんね』
「ふむ、今どうなってるかは確認できるのかな?」
アマテラスはアースイレブン衛星軌道上にある偵察衛星にアクセスする。
『見てみますか? ちなみに今は分厚い雲に隠れていますから難しいでしょうね』
「げっ、まじか。きっと地上は大雨なんだろうな……」
よく見ると眼下に広がる雲の隙間から青白い稲光が見える。
『ええ、土砂降りでしょうね。まあ、マスターが降りる訳じゃないですし良いじゃないですか』
「まあな、それはそうなんだけど、せっかくのジュラシックなワールドなんだし、ちょっと見学に行ってみたいじゃないか。
この星には恐竜が居るんだぞ? しかも遺伝子をいじっていない天然物の恐竜。滅多にみられるもんじゃないだろ?
レッドドワーフの仕事が終わったら、ちょっとだけ地上に降りたいじゃないか」
『おやおや、そんなこと言ってると映画よろしくトラブルに巻き込まれますよ?
まあ日程は一週間ほどですし。最終日までには晴れるといいですね。
ちなみに惑星内では霊子通信および電波をつかった通信装置は禁止されていますので危険ですよ?』
「え? なんで? ……いや、まあ想像はつくけど。
あれだろ? 自然保護のためだろうな、現地生物への影響が云々ってやつ?」
『さすがはマスターです。ということですので使用できる機器はパッシブセンサーのみですね。
ちなみに科学的には霊子や電波が生物に与える影響はほぼないと結論が出ていますが、自然保護団体は100パーセント影響が無いと断言できない限りは承諾しないでしょう。
よほどの緊急事態が起こらない限りは通信システムは使えないと思ってください』
「まじかよ……ならレッドドワーフの皆さんとはどうやって連絡のやり取りをするんだよ」
『はい、ですので最低限の連絡方法で行動しなければなりません。例えば信号弾をつかった狼煙とかですね』
「アナログだなー。でもまあ、ルールなんだからしょうがないか」
そう、その環境を受け入れた上での今回の仕事だ。
もちろん自然保護団体レッドドワーフは、常にそういった環境で活動してきたプロフェッショナルである。
外野の俺達が今さらどうこう言う事でもない。
しかし、彼らが地上で活動している間は暇になりそうだな……。
俺は俺でインドアで楽しめる趣味でもして時間を潰すとしよう。ちょうどお預けにされてた荷物も開封しないとだしな。
「よし、そろそろ時間だな。俺は貨物搬入デッキの様子をみてくる」
俺はブリッジからエレベーターに乗りアマテラスの船尾にある貨物搬入デッキに向かう。
入って早速、レッドドワーフの団長さんの大きな声が聞こえた。
「おーし、お前等準備は良いな!」
レッドドワーフの皆さんは各々の得物を手にしながら貨物搬入デッキに勢ぞろいしている。
アサルトライフルにショットガン。グレネードランチャーなど様々だ。
それに装甲車や揚陸用舟艇などの乗り物まで揃えている。
団員たちは全員、肩や胸部に肘、膝を守るプロテクターのついた戦闘服にヘルメットを装着している。
お互いにプロテクターをぶつけ合い異常が無いか確認しているようだ。
ごろつきに見えてさすがはプロ集団、装備の点検を欠かさないようだ。
整備を終えた装甲車が次々と揚陸用舟艇に搬入されていく。
同時に他のメンバーも揚陸用舟艇に乗り込んでいく。
一人の副官らしき人物が団長さんの前まで来ると背筋を伸ばし敬礼をする。
「団長! 準備終えましたぜ!」
「おう、ごくろう。では作戦スタートだ。船長さん、今のところ俺らは順調だが。そちらさんはどうだい?」
「はい、こちらも問題ありません。アマテラスはこのまま成層圏まで降下します。ただ、地上は土砂降りの雷雨みたいですけど、大丈夫ですか?」
「がははは、俺達はプロですぜ。それに悪条件は密猟者共も同じ。むしろこちらの存在がバレずに地上降下出来るってもんですぜ!」
「分かりました。ではアイちゃん、アースイレブンへ突入開始だ!」
『了解しました。アマテラスはこれより、アースイレブンへ降下いたします。少し揺れますのでお気をつけて。マスターは速やかにブリッジへお戻りください』
福祉船アマテラスはタキオンエンジン搭載艦である。
もちろん地上の大気への汚染は科学的に無いとされている。
実際に地球では当たり前に地上に降りることができる。
だが科学の問題ではない。環境活動家界隈にとっては気持ちの問題である。
ということでアマテラスは対流圏以下への進入は許されていない。
成層圏ギリギリまで降下すると、真下には大きく成長した積乱雲がまるでキノコの傘のように成層圏との境界線に水平に広がっている。
「団長さん、そろそろ到着です。今ハッチを空けますので、揚陸用舟艇の降下準備を!」
俺がそう言うと、ブリッジのモニターから返事が聞こえた。
『おう、ご苦労さん。では予定通り、三日後に会おう。ではエアシェバード発進!』
アマテラス貨物搬入デッキのハッチが開くと、レッドドワーフのメンバーを乗せた揚陸用舟艇『エアシェパード』は雲海の中に消えた。
活動期間は一週間。
その中日、つまり三日後に一度、アマテラスへ戻り補給をするという手はずだ。
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