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エピソード3
フェイタルフェイト4/31
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「さてとアイちゃん、当面の俺達の仕事は何かな? 地上は嵐だし、このまま観光って訳にもいかないしな」
『はい、当面の間、我々の仕事としては地上にいる彼らを上空から監視することです。
この場を離れてしまったら万が一の救難信号も受け取ることが出来ませんし』
「だよな、監視するのも大事な仕事だよなー。さてと、どうしようか、ところでミシェルさんは今何してるの?」
そう、ミシェルさんは未成年の女子なのでゴロツキ……いや、恰幅の良い血気盛んな男性たちの相手をさせるわけにはいかないので特別に休暇を与えている。
『ええ、彼女は自室で調べものをしているようですね。勉強熱心でなによりです』
「ふむ、それは感心感心。さて、そんな彼女にもそろそろ仕事を与えないとな。さすがに俺だって24時間の監視は無理だし、交代要員が必要だ」
数分後、ミシェルさんはブリッジにやってきた。
「イチローさん。今回の仕事、私は何もしなくてもいいんですか? お手伝いくらいはできると思うんです!」
暇を持て余していたようで、開口一番から文句を言われた。
「ああ、でも、おっさんたちの相手はさすがにちょっとって感じだ。セクハラとか平気でしてきそうだしな。
でも仕事が無いわけじゃない。
これから一週間は上空からの監視が俺達の仕事なんだ。今は地上は雷雨だからなにも見えないけど、晴れたら画像での監視もしなくちゃいけない。
それに救難信号が出るかもしれないからな。何気に監視の仕事も大変なんだ」
とはいえ、監視の仕事はただただ暇である。
警備員のバイトは一日で断念したこともあるくらいだ。
「なるほど、分かりました。では私はこれからブリッジで監視業務をするということですね」
「そういうこと、これから交代しながらやるからね、引継ぎに関してはアイちゃんよろしく。
俺は飯食ってちょっと仮眠してくるよ。まあ映画でも見ながらリラックスしてやるといいよ」
そう、昔と違ってモニターを常に凝視することはない。
監視自体はアマテラスが自動でおこなっている、要は最終判断ができる人間がその場に居ることが大事なのだ。
つまり緊張しないように常に冷静でいることが大切。映画でも本でもゲームでもやりたいことをすればいいのだ。
さてと、俺も面白い映画を探さないとだ。
ここはあえてジュラシックシリーズを見直すのもいいかもな、けど続編シリーズは総じて微妙だしなぁ。
そんなことを思いながら歩いているとマードックさんが声を掛けてきた。
「イチロー、少し話があるんだがいいか?」
「ええもちろん。マードックさんも食事はまだでしたね。なら飯食いながら聞きますよ」
俺達は食事の為に船内の宿泊施設へ向かう。
調理ロボットミシェルンの仕事場である。
団体さんが居る場合は俺達もここで食事を取るようにしている。
「いらっしゃいですー」
「おう、ミシェルン。頑張っているようで感心だ。飯が美味いって好評だったぜ」
「当然ですー。私の腕は三ツ星級ですー!」
「大きくでたな。では俺達もその三ツ星を食わしてくれよ」
俺とマードックさんは席に着く。
「そう言えばマリーさんが居ませんね」
「ああ、あいつは食事を必要としない、それに話がめんどくさくなるからな……」
たしかに同意だ。彼女は基本的に話を茶化す癖がある。
真面目な会話には不向きだろう。
「では、さっそくお願いします。真面目な話なんでしょ?」
「うむ、実はな、マクシミリアンを見つけた。残念ながら逃げられたがな……」
マクシミリアン。そう言えばそんな奴がいた。アンプラグド事件で俺を殺そうとした奴。
「しぶとい奴ですね。警察は何をしてるんだか……」
「警察は動かない。どうやら奴のバックには警察を動かせるだけの何者かと繋がりがあるようだ。
指名手配はいつのまにやら取り消されたようだ」
「野放しってことですか? それってマズくないですか?」
「ああ、まずいな。もっとも奴はあくまで政治犯であり暴力の危険はないとの公式見解だそうだ。
……だが、奴はアマテラスを奪おうとしていた。
今は民間船とはいえ、主砲を搭載している超光速宇宙戦艦をな……」
マクシミリアンは確かにあの時俺に言っていた。
「目的のために船が必要だって言ってましたね。その目的が何なのか……絶対ろくなことにならないですね」
「ああ、それに奴はオーバード・ブーステッドヒューマンを持っている。その時点で大罪だというのにな……」
なるほどな。オーバード・ブーステッドヒューマンか……。
それって何なんだろうか……。まあ名前から察するにとんでもなく倫理的に反する存在なのだろう。
普段冷静なマードックさんが押し黙るほどに。
……これ以上詳しいことは聞けないな。後でアイちゃんに聞いてみるとしよう。
「なるほど、了解しました。こちらとしても上司に相談してみます」
政治的な圧力があるだろう。これはクリステルさんやクロスロード上院議員にも相談しないとだな。
『はい、当面の間、我々の仕事としては地上にいる彼らを上空から監視することです。
この場を離れてしまったら万が一の救難信号も受け取ることが出来ませんし』
「だよな、監視するのも大事な仕事だよなー。さてと、どうしようか、ところでミシェルさんは今何してるの?」
そう、ミシェルさんは未成年の女子なのでゴロツキ……いや、恰幅の良い血気盛んな男性たちの相手をさせるわけにはいかないので特別に休暇を与えている。
『ええ、彼女は自室で調べものをしているようですね。勉強熱心でなによりです』
「ふむ、それは感心感心。さて、そんな彼女にもそろそろ仕事を与えないとな。さすがに俺だって24時間の監視は無理だし、交代要員が必要だ」
数分後、ミシェルさんはブリッジにやってきた。
「イチローさん。今回の仕事、私は何もしなくてもいいんですか? お手伝いくらいはできると思うんです!」
暇を持て余していたようで、開口一番から文句を言われた。
「ああ、でも、おっさんたちの相手はさすがにちょっとって感じだ。セクハラとか平気でしてきそうだしな。
でも仕事が無いわけじゃない。
これから一週間は上空からの監視が俺達の仕事なんだ。今は地上は雷雨だからなにも見えないけど、晴れたら画像での監視もしなくちゃいけない。
それに救難信号が出るかもしれないからな。何気に監視の仕事も大変なんだ」
とはいえ、監視の仕事はただただ暇である。
警備員のバイトは一日で断念したこともあるくらいだ。
「なるほど、分かりました。では私はこれからブリッジで監視業務をするということですね」
「そういうこと、これから交代しながらやるからね、引継ぎに関してはアイちゃんよろしく。
俺は飯食ってちょっと仮眠してくるよ。まあ映画でも見ながらリラックスしてやるといいよ」
そう、昔と違ってモニターを常に凝視することはない。
監視自体はアマテラスが自動でおこなっている、要は最終判断ができる人間がその場に居ることが大事なのだ。
つまり緊張しないように常に冷静でいることが大切。映画でも本でもゲームでもやりたいことをすればいいのだ。
さてと、俺も面白い映画を探さないとだ。
ここはあえてジュラシックシリーズを見直すのもいいかもな、けど続編シリーズは総じて微妙だしなぁ。
そんなことを思いながら歩いているとマードックさんが声を掛けてきた。
「イチロー、少し話があるんだがいいか?」
「ええもちろん。マードックさんも食事はまだでしたね。なら飯食いながら聞きますよ」
俺達は食事の為に船内の宿泊施設へ向かう。
調理ロボットミシェルンの仕事場である。
団体さんが居る場合は俺達もここで食事を取るようにしている。
「いらっしゃいですー」
「おう、ミシェルン。頑張っているようで感心だ。飯が美味いって好評だったぜ」
「当然ですー。私の腕は三ツ星級ですー!」
「大きくでたな。では俺達もその三ツ星を食わしてくれよ」
俺とマードックさんは席に着く。
「そう言えばマリーさんが居ませんね」
「ああ、あいつは食事を必要としない、それに話がめんどくさくなるからな……」
たしかに同意だ。彼女は基本的に話を茶化す癖がある。
真面目な会話には不向きだろう。
「では、さっそくお願いします。真面目な話なんでしょ?」
「うむ、実はな、マクシミリアンを見つけた。残念ながら逃げられたがな……」
マクシミリアン。そう言えばそんな奴がいた。アンプラグド事件で俺を殺そうとした奴。
「しぶとい奴ですね。警察は何をしてるんだか……」
「警察は動かない。どうやら奴のバックには警察を動かせるだけの何者かと繋がりがあるようだ。
指名手配はいつのまにやら取り消されたようだ」
「野放しってことですか? それってマズくないですか?」
「ああ、まずいな。もっとも奴はあくまで政治犯であり暴力の危険はないとの公式見解だそうだ。
……だが、奴はアマテラスを奪おうとしていた。
今は民間船とはいえ、主砲を搭載している超光速宇宙戦艦をな……」
マクシミリアンは確かにあの時俺に言っていた。
「目的のために船が必要だって言ってましたね。その目的が何なのか……絶対ろくなことにならないですね」
「ああ、それに奴はオーバード・ブーステッドヒューマンを持っている。その時点で大罪だというのにな……」
なるほどな。オーバード・ブーステッドヒューマンか……。
それって何なんだろうか……。まあ名前から察するにとんでもなく倫理的に反する存在なのだろう。
普段冷静なマードックさんが押し黙るほどに。
……これ以上詳しいことは聞けないな。後でアイちゃんに聞いてみるとしよう。
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